03 中間テストらしい。
「え!?中間テスト受けないの!?」
「だってめんどいし…」
「どうやってこの学園に受かったんですか??」
そろそろ中間テスト。休み時間にキョウヤと恵理ちゃんと勉強をしていた。
「キョウヤ、絶対に受けた方がいいよ。」
「一緒に勉強してくれるなら受ける。」
「…いいけど。」
「え!?ずるいです!私もあすかちゃんとテスト勉強したいです!」
「じゃあ三人で勉強しよっか」
「はっ?」
私を挟んで喧嘩する二人を見ていると勉強が進まない。
これじゃあ私の順位がピンチだ!!
「あ、あすかちゃんそこ間違ってますよ?」
「えそうなの?」
「はい!私これでも頭いいのであすかちゃんのお力になれると思います!」
「えー?そうなんだ!」
「お前より俺の方が力になれるわ!俺特待生だし!」
「え??は??」
もしかして私が一番バカだったりする???
高校の授業内容とか全く覚えていないのですが!??
「あ、予鈴鳴っちゃいましたね。放課後も勉強しますか?“二人で”。」
「いいね。図書室行こっかー。」
「いいわけない。明日香は俺と勉強すんだよ“二人で”。」
「“三人で”勉強しよっか。」
デジャブを感じる会話を交わして放課後を楽しみに待った。
ようやく放課後になり学級委員の仕事を終え、図書室に向かう。…キョウヤと恵理ちゃんは仲良くできているだろうか。
転生して二週間ほど経った今、環境の変化に慣れてきた。
これからどうなるのか全く見当が付かないけど、今は死なないように全力を尽くそう。
「キャァーーー!!!!」
図書室の方から誰かの叫び声が聞こえる。なんだか嫌な予感がして廊下を走る。
「何があったんですか!?」
「刃物をもった生徒が暴れてっ、」
「刃物!?」
恵理side
あすかちゃんはかわいい。私なんかにも優しくしてくれて、構ってくれて、こんな私のことをかわいいって言ってくれた。
だから私はあすかちゃんがすき。
恭也さんと図書室であすかちゃんを待つ。
恭也さんが動いたと思ったら、私の目の前にナイフが付きだされていた。
「普段からそんな物持ち歩いてるんですか。」
「…お前、明日香から離れろ。」
「脅しですか?男のくせに。」
「黙れ。いいから離れろや。」
「…嫌って言ったら?」
「殺す。」
やっぱり。男って嫌い。私は鞄からカッターナイフをだす。
「あすかちゃんから離れるくらいなら死にます。でもその前に貴方を殺します。」
「…!!かかって来いよ。」
「上等です。」
「まった!!」
「あ、あすかちゃん…。」
「明日香!早かったな。」
とっさに刃物を隠す。
「隠しても無駄だよ。周りの人がびっくりしてるから金輪際こんな所で刃物出したりしないで。次やったら…………一生話さないから。」
「「…えっ?」」
頭が一気に真っ白になる。あすかちゃん怒ってるんだ。
嫌、話さないなんて嫌、無理。そんなこと言わないで。酷い。私はこんなにも大好きなのに!!!
「しない。もうこんなことしないから明日香、そんなこと言わないで?」
そっか、もうこんなことしなければ怒られない、許してもらえる、また話せる。
あすかちゃんに抱きつく。
「ごめんなさいっ。もうしないですっ。だからっ…!」
涙がでてくる。
「うん。分かったよ。二人ともまたこれからよろしくね。」
やっぱりあすかちゃんは私の“テンシサマ”だ!
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