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結局倉庫の掃除は終わらずご飯は無しになってしまった。今日は何か食べたかったな……まあ、何かと言っても硬いパンか味の薄いスープのどちらかかだよね。


「ナナ」

「どうしてここに?」

ミオ様が辺りを見回しながらこちらにやってきた。

「ナナの部屋にパン置いといたから食べれる時食べて!」

「ミオ様!?またミオ様のご飯を……」

ミオ様は1人で部屋でお食事をされる際、パンやクッキー等をこっそり私に下さるのだ。その分食べる量も減ってしまうというのに。

「僕は平気だよ!遠慮せず食べてよね!ナナの為にわざと残したんだからさ……こんなことしか……」

「ありがとうございます。大事に食べさせて貰います」

ミオ様はいつもご飯を残して、私に持っていきたいけど無理なんだよねと落ち込んでしまうのが可愛らしいと思う。それだけで沈んだ気分が上がる。

「ちゃんと食べてね!」とミオ様は走って部屋に戻られて言った。きっと隠れて私の所に来たのだろう。

「ミオ様は本当にお優しいな……」

ミオ様のソラティアは純白のお馬さんでとっても綺麗なの。ミオ様と同じで私にとても優しくしてくれるから嬉しい。私にもソラティアがいればこんな感じだったのかな……?



「ナナ様……」

「あれ?貴方は」

「私はミオ様付きのメイドのリンと申します」

ミオ様のメイドが私に何のようなんだろう?

「申し訳ありません。」

「何で謝るんですか?」

私に謝る理由が分からない……。リンさんは私に虐めることはしてこないのに。

「ミオ様の妹様なのにお助けをする事が出来ず……申し訳ないのです」

「妹って言っても半分しか血が繋がってないですけどね。愛人の子なのでこの扱いは当たり前ですよ」

この人は他の人たちよりとっても優しいな。何も出来ないから謝って来るって勇気が凄いと思う。

「ありがとうございます。私はそうやって思ってくれる方がいるだけで勇気が少しでます。だから、気にしないで下さい」

「……やはりミオ様の妹様ですね。あの方達とは違いますね」

多分あの方達って言うのは、義母様や姉上様だと思う。この屋敷でお優しいのはミオ様だけ……アトランティス伯爵家の跡取りがミオ様で本当に良かった。ミオ様は頭が良くて優しくて民心にも寄り添う人だから、アトランティス伯爵家はもっと大きくなると思うな。



「ここから逃げたく……出たくなったら仰って下さい。私もお助け致しますので」

「大丈夫ですよ。」

「……そうですか……私は仕事に戻りますね」

ミオ様付きの人達は本当に優しいな…義母様や姉上様付きのメイドや護衛はいじわるなのに。

いつまでもここにいたらまた虐められるかもしれないから自分の部屋に戻ろう。



「疲れたぁ……あ、ミオ様が持ってきてくれたパン」

こうやって助けて貰えるって本当にミオ様はお優しいな……でも、ソラティアがいない私にそんな価値なんてないのに。私なんて消えてしまった方が皆の為になるのに……。

『そんなことないよ』

「あれ?何か聴こえたような……」

扉も窓もちゃんと閉まってたのに声が聞こえてくるっておかしいな……?

気のせいだったかもしれないし……いっか。



「コンコン」と私の部屋がノックがされたけど誰が来たのだろうか?

「ナナ様、私はミオ様付きの騎士サイラス・マタナリオンです」

何でミオ様の護衛が私の部屋に?なんの用なのだろうか?



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