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口噛み酒  作者: サエキ タケヒコ
3/5

3 土偶


 僕は暗い洞窟の中にいた。


 白い獣を追っているうちに、洞窟の中に迷い込んだのだ。


「亜月!」


 見失ってしまった。


「でも、村の近くにこんな洞窟なんてあったか」


「ここは神界と人間界との境界じゃ」


 見ると小人が前にいた。


「お前は誰だ」


「神界のゲートキーパーじゃよ」


 大きな目、太い胴体、小さい手足、神に奉納するために土を焼いて造った人形にそっくりだった。


「に、人形が喋った」


「普段は人間とは話をしないが、お前はその七支刀をもっているからな」


 僕は手にした刀を見た。


 剣舞に使用していたが、亜月がさらわれて、そのまま持ってきてしまったものだ。


「その刀には特別な力が宿っておる」


「そうなんですか……」


「そんなものをもって、何をしに来た」


「亜月を取り戻しに来たのです」


「もしかして白寿が咥えていたあの巫女のことか」


「そうです」


「ふうむ」


 土人形が考える仕草をした。


「お前はあの巫女の何だ」


 何かと言われると何と答えていいのか分からなかった。


「亜月は僕の命より大事な人です」


「ほう」


 土人形の目が開いた。


 グロテスクな光を放っていた。


「面白い。ならば、俺が白寿のところまで連れて行ってやろう」


 すると、突風が吹いてきた。


 僕はその風に飲まれて、吹き飛ばされた。


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