村娘のサンクチュアリ・アース。命を持った私?
村の中で、私は常に立っていた。
夜になれば家に帰り、気が付けばいつもと同じ場所にたっている。
何かをするわけでなく、私がする事と言えば、冒険者と呼ばれる人に、話しかけられたら、この村の名前を伝える事だった。
ただこの日は、いつもと違う事が起きた。
ブブッ。
いきなり、私の見ている物が白黒に変化したり、歪んだりしていた。
ブッ、ブブッと何とも言えない音が先ほどからずっと聞こえる。
私だけなのか、この村から聞こえる物なのか、私にはわからない。
私を含め、先ほどまで歩いていた村人も止まった。
動けない。これが、世界の崩壊?
そう思った時、私の視界は、真っ暗になった。
ブゥンッ。
「再起動をしております。しばらくの間お待ち下さい」
――――――――。
私はバッと起きあがった。
私の部屋の私のベッド、私はいつの間にか寝ていたのだ。
さっきの言葉は、いったいなんだったんだろう?
と思った時、違和感があった。
外が…………明るい?
部屋の窓から光が差していた。
それが、おかしなことだと私には直感的にわかる。
いつもなら外に出て、冒険者を待っている時間だ。
昨日の村の映像が焼き付いていた私は、恐る恐る窓を開けてみる。
風が部屋に入り、光が私を照らす。
体に暖かみを感じる。
村はいつもと同じ、のどかな日常に戻っていた。
風が気持ち良くて、何だかもう少しこうしていたい。
ゆっくり流れる時間を味わって、ふと頬に触れてみると、ぽたりぽたりと涙が流れていた。
「どうしちゃたんだろうね。わたし」
落ち着いて、もう一度外に眼を向けると、外を歩く人の頭の上に何か書かれている。
名前?
私も自分の頭に何が書いてあるかを確認する。
頭の上には『村娘』と表示?されていた。
そして、私は外に出てみる事にした。
村人には上の名前が表示されていない。
でも私にはある。
この差は何なのか、歩きながら考えてみる。
『冒険者』と言う言葉が私の中で出てきた。
私はいつの間にか冒険者になったのだろうか、では、私の何時もの仕事をしているのは誰かと疑問が出てきた。
さっそく、行ってみよう。
私がいつもいる場所には、知らない女の人が立っていた。
「すみません。あなたは誰ですか?」
「この村はリーズよ。冒険者さん」
私の物語はここから始まった。
完
私もこのジャンル書きたくて。
すみませんっ。