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【漫才】芥川賞が欲しい

作者: てこ/ひかり
掲載日:2021/04/04

二人「はい、どうも〜」


ボケ「最近ちょっと……小説書いててさ」

ツッコミ「えっ? 小説?」

ボケ「そう。芥川賞とか……欲しくて。じゃあ今から俺が『芥川賞獲りに行く人』やるから、お前『渡す人』やってよ」

ツッコミ「え? えっ?」


ボケ「ウイーン」

ツッコミ「『ウイーン』て」

ボケ「すいません、芥川賞下さい」

ツッコミ「何言ってんだこいつ。買い物じゃないんだから。芥川賞は、そんな『何気ない日常に彩りを与える』みたいな感覚でもらえるものではないから」

ボケ「そうなの?」

ツッコミ「そうだよ。権威ある賞なんだから」


ボケ「じゃあもう賞はいらないから、金だけ振り込んどいてくれよ」

ツッコミ「ヤだよ! 芥川賞をなんだと思ってんだこいつ。芥川龍之介は、お小遣いをくれる優しいおじさんではないから」

ボケ「ウイーン」

ツッコミ「また来たよ……」


ボケ「こんばんは」

ツッコミ「今度はなんですか?」

ボケ「ここに預けておいた、私の芥川賞だが……」

ツッコミ「預けてねえだろ」

ボケ「……龍之介は、元気かね?」

ツッコミ「知らないよ。賞なのか人物なのかはっきりしろ」


ボケ「ウイーン」

ツッコミ「さっきからなんで、自動ドア開けて入ってくるの? ここどこなの? 俺どこにいるの?」

ボケ「……ウイーン」

ツッコミ「帰るなよ!」


ツッコミ「『あ、間違えた』みたいな……そんな気軽に、芥川賞に入ってくるなよ。コンビニじゃないんだから。そもそもさぁ、お前どんな小説書いてるの? ジャンルは?」

ボケ「ジャンルは、一応『純文学』だよ」

ツッコミ「へえ……お前が『純文学』ねえ。どんな内容なんだか。そんな、賞狙えるほどのもんなの? タイトルは?」

ボケ「タイトルは……『羅生門2』、かな」

ツッコミ「『2』……!?」


ボケ「あと『河童2』、『地獄変2』、『蜘蛛の糸2』……とか」

ツッコミ「いやダメだろ! 『2』を付ければオリジナルって訳じゃないから!」

ボケ「なんでだろうな? 最近どんどん『2』のアイディアが湧いて来て……これならいくらでも書けそうな気がしているんだ」

ツッコミ「そりゃそうだろ。既存の作品に『2』って付けてるだけなんだから」

ボケ「『ある日の暮方の事である。一人の下人が、羅生門の下で雨やみを待っていた』ツー……」

ツッコミ「語尾に『2(ツー)』って付けてるだけ!!」


ボケ「『9』くらいまではすでにシリーズ構成があります」

ツッコミ「怒られろ、もう」

ボケ「芥川賞もらえるかな?」

ツッコミ「もらえるかァ! もういいよ」


二人「どうも、ありがとうございました〜」


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