【漫才】芥川賞が欲しい
二人「はい、どうも〜」
ボケ「最近ちょっと……小説書いててさ」
ツッコミ「えっ? 小説?」
ボケ「そう。芥川賞とか……欲しくて。じゃあ今から俺が『芥川賞獲りに行く人』やるから、お前『渡す人』やってよ」
ツッコミ「え? えっ?」
ボケ「ウイーン」
ツッコミ「『ウイーン』て」
ボケ「すいません、芥川賞下さい」
ツッコミ「何言ってんだこいつ。買い物じゃないんだから。芥川賞は、そんな『何気ない日常に彩りを与える』みたいな感覚でもらえるものではないから」
ボケ「そうなの?」
ツッコミ「そうだよ。権威ある賞なんだから」
ボケ「じゃあもう賞はいらないから、金だけ振り込んどいてくれよ」
ツッコミ「ヤだよ! 芥川賞をなんだと思ってんだこいつ。芥川龍之介は、お小遣いをくれる優しいおじさんではないから」
ボケ「ウイーン」
ツッコミ「また来たよ……」
ボケ「こんばんは」
ツッコミ「今度はなんですか?」
ボケ「ここに預けておいた、私の芥川賞だが……」
ツッコミ「預けてねえだろ」
ボケ「……龍之介は、元気かね?」
ツッコミ「知らないよ。賞なのか人物なのかはっきりしろ」
ボケ「ウイーン」
ツッコミ「さっきからなんで、自動ドア開けて入ってくるの? ここどこなの? 俺どこにいるの?」
ボケ「……ウイーン」
ツッコミ「帰るなよ!」
ツッコミ「『あ、間違えた』みたいな……そんな気軽に、芥川賞に入ってくるなよ。コンビニじゃないんだから。そもそもさぁ、お前どんな小説書いてるの? ジャンルは?」
ボケ「ジャンルは、一応『純文学』だよ」
ツッコミ「へえ……お前が『純文学』ねえ。どんな内容なんだか。そんな、賞狙えるほどのもんなの? タイトルは?」
ボケ「タイトルは……『羅生門2』、かな」
ツッコミ「『2』……!?」
ボケ「あと『河童2』、『地獄変2』、『蜘蛛の糸2』……とか」
ツッコミ「いやダメだろ! 『2』を付ければオリジナルって訳じゃないから!」
ボケ「なんでだろうな? 最近どんどん『2』のアイディアが湧いて来て……これならいくらでも書けそうな気がしているんだ」
ツッコミ「そりゃそうだろ。既存の作品に『2』って付けてるだけなんだから」
ボケ「『ある日の暮方の事である。一人の下人が、羅生門の下で雨やみを待っていた』ツー……」
ツッコミ「語尾に『2』って付けてるだけ!!」
ボケ「『9』くらいまではすでにシリーズ構成があります」
ツッコミ「怒られろ、もう」
ボケ「芥川賞もらえるかな?」
ツッコミ「もらえるかァ! もういいよ」
二人「どうも、ありがとうございました〜」




