22 レベル上げといえば…?
昨日のお茶会的に考えると、レベル上げが早急に必要だと言うことがわかった。俺の今のレベルはなんやかんやあって、20ぐらい…。ヒロインが爆発的にレベルアップする事を考えると、俺も50はほしいところだ。ちなみに、中等部の平均は35、高等部は50。もちろんレベルは上がれば上がるほど上げにくくなるもので、50すぎるとほぼ上がらず一年に1上がればいい方となる。だから若い皆が伸びしろなのはわかる…けど。
「今年の中等部2年の平均は30だっけ?」
ぐっ…10も足りてない。俺ってもしかして最弱? シュヴァは規格外なので参考にならないにしても、ツバキが今35だっけ? ちょっと前まで同じぐらいだったのに…
「上がりすぎしゃね? 影武者ギルドの依頼ってそんなにレベル上がるもんなのか…?」
はぁ…っと思わずため息がでた。
「何落ち込んでるの?」
後ろから声をかけられ振り向く。
「あぁ、シュヴァか。レベルアップしたいなぁって」
「そんなのかんたんじゃん」
ニコッと笑うシュヴァに嫌な寒気を感じる。おかしいなこの世界クーラとかあったっけ?
「いこ~!」
グッと腕を捕まれ引っ張られた。
「ど、どこに?」
なんだか、聞きたくない。が、聞かないわけにもいかない。
「もちろん、ダンジョンだよ!!」
「だ、ダンジョン!?」
「そう! 俺がレベル上げする時に使ってるダンジョン!」
シュヴァさん、今のレベルいくつでしたっけ? すでに俺は行きたくありません。
「まってまって、もうちょっと優しそうn」
シュヴァが俺の言うことを聞いてくれた事などあるわけもなく、俺は学校の外へと連れ出された。
「学園の外だし、やっと飛べるね~」
にこやかな雰囲気のまま、さも当然と言うようにでかい狼のような姿になるシュヴァ。
「それは、だめだっt」
俺が注意する暇も無く、俺の事を口に加えジャンプする。
「高い! 怖い! ナニコレ」
さすがに、食われそうな体制のまま、上下運動はきつい。乗り物酔いとかあまりしたことがないが、モザイク必須なものが口からはみ出て来そうだ。
「シャラララーン」
うん。頑張ったけど、駄目だった。空は奇麗だなぁ。現実逃避だとわかっている。しかし、俺のキラキラすら、ものともしない獣に加えられて平気なやつのほうがおかしいだろう!
「ふんふーん♪ ふふふーんふんふんー♪」
くっ、こいつ歌ってやがる。まるでピクニックに行くかのようだ…覚えてやが…。俺の意識はここで途絶えた。キラキラをこれ以上放出する必要がなくなったのである意味正解だったのかもしれない。
余談だが、上から降ってくる物体を不審に思った人達からの獣の報告が上がり、街が混乱に陥るのだが、それはまた別のお話である。




