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21 明日の事は明日決める

「問題は山積みだけど…とりあえずお茶にするか!」


「えっ」


 なんだか考えるのがめんどくさくなってきた俺にツバキは驚いた顔をする。


「もうこんだけ関わってたら今更疎遠にとかできないし」


 と言うか、シュヴァと疎遠にとか無理。幸いあんまり関わりのないマローネとかフゥリールエンドに行ってくれないかなヒロインちゃん。


「確かに…そうですわね」


 椿の重い表情にピンとくる。


「ツバキはマローネが好きなんだっけ?」


 俺って鋭いな。うん、これはマローネが好きゆえのだろう。


「ち、違いますわ! そもそも身分が…」


「え~今はリディアって事になってるし、良くないか? なんなら一生リディアでいてくれてもいいよ~」


 小さい頃あんなに悩んだ乗っ取り問題。俺的には、平和になるならあげるって事で落ち着いた。どうせ家は兄達がいる。男に嫁ぐのも嫌だしちょうどいいだろ。


「一生って…」


「なんなら俺は家出るからさ。一人で冒険者として気ままにやるのもいいかなって」


 魔力なくてもドワじぃの装備でなんとかなりそうだし、髪の毛さえ見せなければやっていける冒険者は最適だと思う。


…と言うのは建前で、元日本男児の俺としては冒険者と言う響きが単純にかっこいい。偽りの姫とかより良くない? モンスターなぎ倒す俺、かっこよくない? ありよりのありだな。うん。


「一人でなんて言わないでください!!」


「ん?」


 妄想に浸る俺に目の前のツバキは怒っている。


「私は貴方の影です。リディアのお名前はヴァイス様のものなんですからね? もし、冒険者になるならお返しします。もちろん旅にはついていきます。」


 ツバキも令嬢なんてめんどくさいってことだろうか?


「そっか、ヒロイン来てめんどくさくなってきたら、二人で旅に出ようか!」


「はい!」


ツバキのいい笑顔と共に今日はお茶とお菓子を食べてお開きとなった。それにしても、昔は甘いもの苦手だったけど、女になった途端すごく美味しく感じる。

スコーンにたっぷりジャムとか…サイコー。


「それにしても、ツバキも令嬢とか面倒って思ってたんだな。ごめんなこんな事に巻き込んで」


「はい?」


「だって、あれだろ旅に連れてけって一人で自由になるなって事だろう?」


「えっ…」


「うんうん、確かに巻き込んどいて一人自由に旅したら嫌だよなぁ…」


「ちが…はぁっ…もうそれでいいですわ」


 スコーンを頬張る俺の隣でツバキが大きなため息をついた。何かあったのだろうか? まぁ、こんなうまいスコーンを食べれば疲れもなくなるだろう。


「あ、忘れてた。ヒロインが来たら、いじめない方向でおとなしくしような」


「それはもちろんですわ。リディア様の名前を貶めるような事はしません」


「や~でも、ほらマローネが好きなんだったら嫉妬とかあるかもじゃん?」


「私がそんな人に見えるということですか? そもそも恋ではないと…」


 俺はもう一個のスコーンに手を出しつつツバキと話す。スコーンもいいけど、日本食恋しいな。幸い日本のゲームメインなので米ぽいものはあるから、こっそり食べてるんだけど…世界観に合わせてるのかそんなに見ないんだよなぁ…。肉じゃがとか食べたい。


「恋は盲目って言葉があってだな」


「聞いてないですね。それで…盲目とは?」


「恋すると自分でも何するかわからないって事」


「そうですか。私は大丈夫ですわよ」


「ん、信じてる。けどもし、因果が働いて何かあったらその時は相談って事で」


「わかりましたわ」


 後はとりあえず、ヒロイン来てからって感じかな。なるようにしかならないし、レベ上げだけは早急に対策しよう。


本日の成果→スコーンうまうま。ツバキお疲れ。

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