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29 俺の弓

 ゼーゼー。慌てて来たから疲れた。


「そんなに慌ててどうしたのじゃ?」


 俺らの様子を見て、ドワじぃが不思議そうな顔をしている。


「ちょっとな。それより、薬とかあるか?」 


「薬じゃと?」


「シュヴァがちょっとやらかして…」


 ルイの足をチラッと目で見てアイコンタクトをうながす。


「こりゃ、派手にやられたのぅ」


「ははは…」


 ドワじぃから薬をもらうとルイの足に塗って包帯を巻いていく。


「ガルルルル。なんで手当するの!」


「ありがとう」


「いや、シュヴァが悪いから」


 未だに唸っているシュヴァの頭をゴツンっとすると、シュヴァは悲しそうに、しゅんとした。ちょっと可哀想だな。やった事は悪いけど俺の為だったもんな。


「守ろとしてくれてありがとよ」


 なんだか涙を見せてしまったのが、今更照れくさくて、乱暴にぐしゃぐしゃとシュヴァの頭をなでた。


「わっぷっ。えへへ」


「あ、そうだ! 弓!」


 ここに来た目的忘れてた。手当じゃなかった。ついに…できたんだよな。


「おぉ! そうじゃった。ほれ!」


 ぽんっと投げられたものを、バシッっとつかむ。

()()は不思議と手に馴染んだ。初めて触るのに、まるで長年連れ添ってきた物の様に、俺の手にあるのが当たり前かの様に手の中にある。


 不思議な感覚だな。不意に投げられたものをつかめたのはこれが初めてなのに、何故かデジャブすら感じる。


 これが…俺の…。


 手元を見ると、真っ白い弓が目の前にあった。アクセントに紫の花が飾りでついている可愛らしい弓だった。


 そう、()()()()()弓。


「ドワじぃ!! これ可愛すぎないか!?」


「昨日の話を聞を聞いてな、飾りをつけたのじゃ」


 誇らしげにされても…。俺、周りから男設定なんだけど、昨日の話ちゃんと聞いてたのか…?


「俺、男らしい弓がよかったんだけど…」


「大丈夫じゃ、ほれ、矢はかっこいいからのう」


 そんな問題じゃ…ってこれも可愛い感じじゃないか!

 ドワじぃに、渡されたのは、これまた白い矢筒で、アクセントに紫の花がついている。控えめに言っても可愛い。弓とセットだとすぐわかる。ただし、紐は黒で妙なアンバランス感がある。しかし、中の弓も先端と羽が黒く、中心は白いので、ある意味統一されているのかもしれない。


「普段は矢筒も矢も作らないがの。頑張ったのじゃ」


 よくわからない俺から見ても、手触りも、見た目も良いものだとわかるのに、もったいない。


「なんで作らないんだ?」


「矢は消耗品だしのう。魔法で作れるからのう。買う人がいないのじゃ」


 あぁ、そっか。俺と違って普通の人は無限に作れるのか。


「何より、МP(マジックポイント)で作った矢の方が性能がいいでの」


「そうなのか?」


「まったく、そんな事も知らぬのか。仕方ないでの、説明してやるのじゃ」




──ドワじぃ流弓矢とMP説明──


➀矢も弓も作ろうと思えば魔法で作れる。

 ただし、強さはMPに比例するし、消耗品となる。

 1回打つのに、弓も矢も毎回作らなければならない。

 ※上級者はスキルで矢だけを魔法で打つ事も可能。


➁MPと弓の関係

 MP1消費の弓とMP10消費の弓では10のが良い。

 具体的には飛距離と速さが変わる。

  MP1 →飛距離1m未満、速さは走った方が早い。

 MP100→飛距離2m未満、速さは紙飛行機ぐらい。

 ※MP500でやっと、パチンコぐらい。


➂MP産弓と生産弓

 職人の腕によって変わるが、MP500~以上の価値。

 何よりの違いは生産弓だと魔石がつけられる。


 MPで作ったものに魔石装着は不可能。

 ※魔石はマジックアイテム。詳しくは別。


④MPと矢の関係

 弓と基本は同じ。殺傷力が変わる

  MP1 →殺傷力0。痛くもない。

 MP10→的に刺さるぐらいのレベル。

 ※MP100では厚さ10cmの的が貫通できる。


 ちなみに、MP重ねて、毒弓とかもつくれる。

 ※平均して、12歳でMP2000以上になる。


⑤MP産矢と生産矢

 生産矢は、

 MP100~以上の価値はあるが、お金がかかる。

 もちろん、良い物ほど高くなるし、1本ずつの値段。

 安くて、MP10レベルの粗悪品が、1本1エトワ。

 魔石はつけれるが、壊れやすい。

 

 MP矢は魔石はつけれないが、MP次第では強い。

 自分で作るためコスパがよい。

 ※MPポーション(500)1本が5エトワ


⑥魔石について

 魔石は高い。MP10増やす魔石でも10エトワする。

 MP100増やそうと思えば、300エトワも覚悟。

 加工が大変


────────────────


「まぁ、以上のことから、コスパが悪いんじゃ」


「へーなんかすごいなぁ」


「ちなみに、ぬしの弓だけで10個の魔石。矢は1本1個特別性は2個ついておるのじゃ」


「ぶっ」


 弓だけで、10個!? 矢は1~2個!?

まて、金額は…? 考えただけで、クラクラしてきた。

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