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21 いざお茶会

「は、はじめましてリディア・シルヴィアです」


「やっと会えましたね。手紙でも書きましたが、僕はマローネ・ロア・ドリランド。君の婚約者です。」


 桃色の髪の毛が緊張を表すように、揺れている。まずいな、2人とも挨拶だけで、そこから会話が続いていない。


「マローネ様、リディア姉様はオトメツバキが好きなんです。だから周りから、オトメツバキの君って愛称で呼ばれているのですよ。」


 仕方なく、俺が、助け舟を出すことにした。そう、俺の身代わりの少女はツバキ。貴族などには影武者がいたりする。そこで、父に頼みツバキを俺の影武者として、迎え入れたのだ。


 ちなみに、シルヴィア家の執事も増えた。ツバキ専属従者のマリとフィラ。俺の専属従者のルイだ。ルイは冒険者として収入を得ていたので、住み込みで給料出すと言ったら喜んでいた。魔王(ダリア)に会いたくないのが本音だろう。


 そして、4人は俺がリディアと言うことは知らない。一応、機密事項となっているので、リディアと言う女の子がとある理由で表に出れないので、影武者になってくれないか?としか言っていない。


 危険はないとは言えないし、家族と離れるのは嫌だとルイが言ったので、家族ごと住み込みの提案をし、必ず守ると約束をした。守ると約束までさせたくせに、父に話をする時に皆を連れて行くと、ルイは俺の従者になりたいと言い出した。本当に謎な男である。


 後から聞いた話だと、「年下のくせに守るとか言うからかな?ツバキ達をヴァイスが守るなら僕が君を守ろうと思って」と言っていた。後、「ヴァイスって呼ばれてるんだね」と言われたので、何か気づいているのかもしれない。


 なんにせよ、この日をもって、ツバキはリディアになったのだ。シルヴィア家でも外でもオトメツバキの君を広めて行く予定である。というか、父が新しく、雇ったメイドも執事もとても優秀なようで、ツバキをリディアの影武者と言う事をあっさり話してしまったので、家の中ではツバキ様と呼ばれている。この分だと、二人いるように装っているが、俺がリディアな事も話しているぞという雰囲気だった。


ちくしょう。食事を部屋まで運んでいる時に生温かい目で見られているのはそのせいかよ。


「あ、あぁ、しかし、オトメツバキとはなんだ?」


っと、自分の世界に入り過ぎてた。今はお茶会と言う名の初婚約者同士のお披露目会を成功させなければならない。ツバキがシルヴィア家に来て2ヶ月。2ヶ月でお茶会は開かれてしまったのだ。しかも、従者の3人は修行中の身なので、今日は俺とツバキとマローネの3人以外いない。


 つまり、フォローできるのが、俺しかいないのだ。



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