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18 ストレスたまって満点

ヒュッ、ヒュッヒュッ──パァンパァン、ッパァン


 (おやじ)め、なにが、あくまでもリディアが婚約者だから大丈夫だ。大丈夫なわけないだろう。リディアは俺なんだぞ?それに俺はリディア(おんな)として生きるきはない。なにより男と結婚とか無理だ…。妹が腐女子の俺は男と男の漫画も読まされた事があるので、別に男同士を否定するわけではないが、自分がなるかどうかは別である。男とチューとか御免こうむる。


「クソッ」


「何を苛ついておるのじゃ?」


「べつ、に、苛ついてなんか、ない!」


ヒュッ、ヒュッ、ヒュッ、ヒュオ

パァン、パァン、パァン、ツタァン


口では苛ついていないと言いながら、力任せに矢を放つ。


「ちっ、矢が切れた、10本目か」


 当たったかどうか見ずに放っていたので、どうせ外れているだろう。ちらっと、目を向ける。あれ?あたって…る!


「ドワじぃ!ドワじぃ!見てくれ!!」


「なんじゃ?おこおこしていたり、叫んだり、うるさいのぉ」


「ほれ!10本!」


「ほ~やっと満点が出たのか、遅かったのぉ」


おい、ほめろや。何でもないように言いやがって。魔力有りは練習すれば矢すら操れ、満点取るのは容易いそうで、俺はドワじぃから何度も「まだかのぅ?」「遅いのぉ?」「下手じゃの」などとずっと言われていた。


 俺は魔法覚えたくても覚えられないんだよっとも言えずにずっと誤魔化していたのだ。しかし、今日からやっと誤魔化さなくて良くなるぜ!なんたって通わなくてすむからな!


「それより、作ってくれるんだよな?」


「はて?」


ドワじぃ、首をかしげても可愛くないからな?


「俺の弓!」


「おぉ!そうじゃったの」


 言葉とは裏腹に、髭を手でなでながら何か悩んでいるようである。え?今更嫌だとか言うつもりか?


「フード取ってくれんかのう?」


「は?」


「イメージがのう」


「イメージ?」


「お主専用作ろうとしたらフードのせいでモヤモヤっとするのじゃ」


 眉が下がり、申し訳なさそうな顔を、している。作りたくないと言われるのかと思った俺は拍子抜けしてしまった。


「じゃぁ、本当に作ってくれるのか?」


ドワじぃは胸をドンと叩いて、ドヤッとした顔をする。


「あたり前じゃ、わしゃ約束は守るでの」


「よっしゃぁぁぁぁ!!」


あまり嬉しさにバンザイをしたとき、フードが、脱げた。しかし、そんな事はどうでもよく、視界の端に黒い影がみえる。


「シュヴァもバンザーイするー!」


 ボンとシュヴァが現れた。人型で。

いつも通り、影にいといてねって言ってたんだけど?

何してくれてるのかな!?


 確かにね? ネックレスはあげたよ?


 でもさ、急に出るのはなしじゃん?


 目立つからおとなしくしててねっていったじゃん俺。しかも人型って…最近の調べで、30分しか持たない事が判明したやつじゃん。


 最初に人型になった時は結構もってたくせに、2回目から急に短くなって、不思議だから測ったら30分が限界の人型じゃないですか!


 あーほら、ドワじぃが、驚いてる。どう説明しよう。


「あーと…知らない人ですね」


口から他人のふりしたい願望が漏れた。

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