表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

92/144

1 砦奪還

 砦内の残存兵はおおよそ二百ほどのようだった。

 残りは俺の【破軍竜滅斬(はぐんりゅうめつざん)】で消し飛んだのだ。


「ひ、ひいいいいいっ、化け物だぁぁぁぁぁっ!」

「殺されるっ、殺されるぅぅぅぅぅっ!」


 奴らはすでに戦意を失っていたらしく、俺が砦内に踏みこむのとほぼ同時に逃げて行った。

 結果的に、俺一人で砦を奪還した形だ。


「隊に合図をするか」

「だね」


 うなずいたのは、メル。

 魔神ヅェルセイル戦で俺がレベルアップするのに応じて、彼女は一定時間この世界に実体化することができるようになった。


 今の彼女は、普通の人間と同じく肉の体を備えた存在だ。


 俺は砦の上から狼煙を上げた。


 あらかじめ決めておいた、俺と隊員たちとの合図である。

 俺が単騎で敵を蹴散らし、砦を制圧したことを示す狼煙だった。


 ほどなくして、十二番隊がこっちに向かってくる。

 先頭にいるのは副隊長のジィドさん。

 ウェンディやサーシャ、クルス、ジュードたちの姿もある。


「お帰りなさい、隊長! すごかったですね~!」

「たった一人で敵軍を蹴散らすなんて……」


 砦の外に出ると、ウェンディとサーシャが真っ先に駆け寄ってきた。


「お疲れさまでした、隊長」


 さらにジィドさんも。


 少し離れた場所では、


「……以前にも増してとんでもない強さだな」

「はは、追いつくのが大変だな、クルス」

「追いつく? ふざけるな、いずれ追い抜いてやる」

「志は高く、か。いいね」

「当然だ」


 と、俺をにらむように見ているクルスと、飄々としたジュード。


「さすが隊長だな……」

「たった一人で砦を奪い返すとか、マジか……」

「さすがに人間やめてないか、この人……」


 などと、ざわめく隊員たちの声が聞こえる。

 なんだか人外扱いされてるような気がするが……。


 まあ、彼らが誰一人傷を負うことなく、今回の戦いを終えられたのは良かった。

 まさに無血の勝利、だ。




「じゃあ、帰るか」


 俺は隊のみんなに告げた。


「はーい、ボクたち何もやってないけど」

「そうね。あたしももうちょっと活躍したかった……」

「だよねー」

「ええ」


 と、ウェンディとサーシャがうなずき合っている。


 確かに、結果的には隊全体で来る必要はなかったわけだ。

 とはいえ、俺一人の力で砦を奪還できるかどうかは、実際にやってみなければ分からない。


 それに戦場には不測の事態がつきものだ。

 今回は運よく、そういった『想定外』はなかったが──。


「お前たちが後方で控えてくれていたから、俺も安心して戦えた。あらためて礼を言う──ありがとう」


 嫌味にならないよう気を付けながら、俺は隊員たちに一礼した。

【大事なお知らせ】

経験値1000倍~の書籍版2巻がMFブックス様から9月25日に発売予定です。

下のリンクから公式ページに飛べますので、ぜひよろしくお願いします~!

3巻以降を出せるかどうかは今回の売り上げにかかっているので、なにとぞ…… (´Д⊂ヽ


書影です

挿絵(By みてみん)


【読んでくださった方へのお願い】

ページ下部にある『ポイントを入れて作者を応援しましょう!』のところにある☆☆☆☆☆をポチっと押すことで★★★★★になり評価されます。

「面白かった!」「続きが読みたい!」と思っていただけましたら、ぜひポチポチっとしていただけましたら励みになります!


「面白くなかった!」ときは(ごめんなさい……)★1でも結構ですので、ポチっとしていただけると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ