10 英雄降臨2
更新に随分と間が空いてしまいました……すみませんm(_ _)m
あれも書きたい、これも書きたい、と欲張っているうちに、いつの間にか時間が……経って……いた……_:(´ཀ`」 ∠):
俺は赤い巨竜――竜型に変化した魔神ヴァイツと向き合っていた。
さっき倒した魔神ジゼルグやガラードよりも、間違いなくこいつは『格上』だ。
おそらく戦場に派遣された魔神たちの中で、こいつこそが軸。
だからこそ、ヴァイツを倒すことができれば、帝国軍の士気を一気に崩すことができる――。
「自信たっぷり、って感じだな。まさかジゼルグやガラードを倒せたから、この俺も倒せる――なんて勘違いしているんじゃないだろうな」
「勘違いじゃない」
俺は剣を構えたまま、一歩進む。
「事実だ」
「ぬかせ!」
ヴァイツが長大な尾を振り回してきた。
重量感たっぷりの攻撃を俺は大きく跳んで避けた。
「【インパルスブレード】!」
空中から斬撃衝撃波を放つ。
ごうんっ!
爆音とともにヴァイツがのけぞった。
「こいつ……っ!」
「さすがに決定打にはならないか」
頭部から白煙を上げる竜魔神を見上げる俺。
「吹けば飛ぶような人間が! 一発当てた程度でいい気になるなよ!」
吠えるヴァイツ。
「そうだな……じゃあ、お前が倒れるまで当て続けようか」
「ぬかせ!」
今度はドラゴンブレスだ。
赤い炎を俺は、
「【サイクロンブレード】!」
斬撃で竜巻を生み出し、弾き散らす。
「こいつ……っ!」
「おおおおおおおおっ!」
ひるむヴァイツに向かって、俺は突進した。
奴は、己の攻撃力に絶対の自信を持っているんだろう。
言葉や態度の端々から、それを感じられる。
だから奴を挑発し、攻撃を仕掛けさせ、それを正面から打ち破ってみせた。
ヴァイツの動揺を誘うために。
ヴァイツの隙を見出すために。
「棒立ちだぞ、魔神」
俺は竜の懐まで跳びこむ。
「【豪刃凍花】!」
俺の斬撃スキルの中で、最も攻撃力が高いものの一つ。
青い衝撃波が吹き荒れ、竜魔神を直撃した。
爆光とともに、巨竜が大きく後退する。
「はあ、はあ、はあ……!」
胸元をズタズタに切り裂かれたヴァイツが、荒い息を吐いている。
これでも致命傷にはならないか。
だが、少なくないダメージを与えたはずだ。
こうやって少しずつ削っていけば、いずれ勝てる――。
【破軍竜滅斬】のような大技を他に持っていれば、もっと早く勝負をつけられるかもしれないが。
とにかく、今は確実に勝つことだけを考えよう。
こいつを倒せば、帝国軍の士気にも大ダメージを与えられる。
ミランシアの勝利は大きく近づくはずだ。
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