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5 帰還

「戻れた、か」


 俺は周囲を見回した。


 どうやらここは、さっきまでいた中央ではなく、右翼の最前線のようだ。


 俺がいなくなっていた間、戦況にどの程度の変化があっただろうか?

 味方の死傷者はどれくらい出ただろうか?


 俺は焦燥感と安堵感の入り混じった気持ちで周囲を見回した。


 ともあれ、まずは魔神たちを片づけることだ。


「滅せよ、魔神!」

「このっ、生意気ぃっ!」


 数百メートル前方で、閃光や衝撃波をまき散らしながら戦う女騎士と女魔神の姿が見えた。


 リーザとジゼルグだ。


「俺たちも行くぞ」

「了解」


 俺はメルとうなずき合った。


 さっきの竜神たちとの戦いで得たものを、ここで試してやる──。

 闘志を胸に、魔神の元へ向かった。




 途中、向かってくる帝国兵士たちを斬り捨てながら、リーザとジゼルグが戦っている場所までたどり着いた。


「あんたは──」


 俺を見た魔神が表情をこわばらせる。


「あたしが作った異空間から、もう脱出してきた……!?」

「おかげでいい場所に寄れた。礼を言いたいくらいだ」


 俺は剣を背に担いで近づく。


 不安も恐怖も感じなかった。

 勝てる、という自信が湧き上がってくる。


 決して『過信』ではない。


 今の俺なら、確実にジゼルグを倒せるという『確信』だ。


「リーザ、交代だ。そいつは俺が始末する」

「マリウス……?」

「魔神はまだ二体いる。お前は力を温存しておいてくれ」


 リーザに言って、俺は剣を手に進み出た。


「……いい気にならないでよ」


 ジゼルグが俺をにらむ。


「あんたは確かに強い。人間の領域を何段階も超えている。だけど──勝負はそんな単純には決まらないんだ」

「だろうな。お前の特殊能力は厄介だ」


 俺は無造作に歩みを進めた。


「だけど、もう──」

「異空間に、消えろ!」


 ジゼルグが両手を突き出す。


 前方の空間が、歪む。


 さっきと同じ技か、あるいは同種の別の技か。

 いずれにしても、その効果は俺をどこか別の空間に追放するものだろう。


 だけど、もう──通用しない。


「【ディメンションブレード】」


 俺は静かに剣を振り下ろした。


 奴の作り出した空間の歪みは、俺がさっきの斬撃で生み出した空間の亀裂に飲みこまれ、消えた。


「っ……!?」


 ジゼルグの表情が凍りつく。


「まさか──時空間を切り裂いた……!?」

「【ディメンションブレード】──空間そのものを斬り、その裂け目にあらゆるものを吸いこむスキルだ。待機時間(クールタイム)が長いから、連発はできないが一発で十分だな。異空間を操る能力さえ攻略すれば──」


 俺は剣を振り上げた。


「くっ……」


 後ずさるジゼルグ。

 しかし、遅い。


「お前は、俺の敵じゃない」


 振り下ろした剣が、ジゼルグの首を刎ね飛ばした。

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