15 異空間
──閉じこめられた。
俺は焦る気持ちを押し殺し、走っていた。
どこかに脱出口はないものか。
「いっそ【破軍竜滅斬】を放って、この空間ごと破壊するという手段を試してみるか」
……いや、さすがにそれは力業すぎる。
空間を破壊できるかどうかなんて分からないし、俺自身が巻きこまれる危険もある。
それに【破軍竜滅斬】は一日一回しか使えない。
魔神との戦いを控えている状態で、うかつに使うべきじゃない。
とはいえ──ここに、いつまでも居座ることはできない。
今も、戦場ではみんながた帝国軍や魔神たちと戦っているはずだ。
「……上から見てみるか」
「じゃあ、あたしも一緒に見るね」
と、メル。
「一人より二人の方が探しやすいでしょ」
「分かった。俺に捕まってくれ」
「ん」
メルが俺の体にしがみついた。
「跳ぶぞ」
跳躍系のスキルを使い、大きく跳び上がる。
スキルそのものは並クラスだが、今の俺の身体能力を全開にしたジャンプである。
数百メートルの高さまで跳び、眼下を見下ろした。
「──何もない、か」
一面に荒野が広がっていた。
出口らしきものは見えない。
「待って、おじさん。あっち──」
メルが右側方を指さした。
「ん?」
よく目を凝らすと、何か見える。
天空まで伸びるような塔──。
「行ってみようよ。少なくとも、ここに留まるよりはマシじゃない」
「確かに、な」
着地すると、俺はメルと連れ立って歩き始めた。
「──大丈夫だよ、おじさん」
メルが俺の腕に自分の腕をからめ、告げる。
「きっと元の場所に戻れる。そう信じましょ。あたしが一緒にいるから」
「……焦るな、ってことだろ。分かってる」
俺はメルの頭を軽く撫でた。
「ありがとう」
「おじさんが少しでも落ち着いてくれたなら、よかった」
俺たちは赤茶けた荒野を進む。
一刻も早く元の場所に戻らなきゃならない。
そんな焦りを押し殺しながら、ひたすら進む。
と──突然、前方から光が差しこんだ。
「うっ……」
まぶしさに目を細める。
少しずつ目が慣れてきた。
太陽の光に照らされた、一面の草原。
「ここは──」
覚えがある。
そう、一度俺はここに迷いこんだことがある。
【光】の眷属が住まう場所──『神聖界』だ。
【大事なお知らせ】
経験値1000倍~の書籍版2巻がMFブックス様から発売中です。
下のリンクから公式ページに飛べますので、ぜひよろしくお願いします~!
3巻以降を出せるかどうかは今回の売り上げにかかっているので、なにとぞ…… (´Д⊂ヽ
【読んでくださった方へのお願い】
ページ下部にある『ポイントを入れて作者を応援しましょう!』のところにある☆☆☆☆☆をポチっと押すことで★★★★★になり評価されます。
「面白かった!」「続きが読みたい!」と思っていただけましたら、ぜひポチポチっとしていただけましたら励みになります!
「面白くなかった!」ときは(ごめんなさい……)★1でも結構ですので、ポチっとしていただけると嬉しいです!




