表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

102/144

11 聖剣オーディン探索行3

「はああああああああああっ!」


 ルークが鍔迫り合いの状態から押す。


「──むっ」


 ガラードの表情が変わった。


「これほどの力を……!?」


 さらに、押す。

 魔神は大きく後退した。


「いくら血肉の一部が我らと同じとはいえ、ここまでの力をお持ちとは」


 言って、左手を突き出す魔神。


「近づくのは危険かもしれませんね」


 ぞくり。

 ルークの背筋に寒気が走った。


「魔神スキル【見えざる刃】」


 来る──。

 カーライルたちを殺した、不可視の攻撃が。


「聖剣スキル【氷輪(ひょうりん)の心眼】」


 リーザが静かに告げた。


「見えた──」

 そして聖剣を一閃。

 ガラードの周囲で小爆発が連続して起きた。


「リーザ隊長……!」


 正直、助かった。

 やはり聖剣使いである彼女の存在は、このメンバーの中でも『大黒柱』とも呼ぶべきものだった。


「むっ、私の【見えざる刃】が……!?」

「無駄だ」


 リーザが聖剣を振り下ろした体勢で告げた。


「さっきは初見ゆえに防げず、部下たちを犠牲にしてしまった。だが、一度見せてもらった以上、もう通用しない。私の【心眼】の前には、な」

「これが聖剣使いの力、ですか。人間もなかなかやるものです」


 魔神が後退する。


「逃がさない!」


 リーザが距離を詰めた。

 聖剣の力で身体能力が底上げされているのか、人間離れしたスピードだ。

 一瞬にして魔神との距離をほぼゼロにする。


「速い……!」


 ガラードの表情から笑みが消えた。


「ですが、魔神には届きません」


 リーザの斬撃を余裕をもって避ける。


「どうかな」


 リーザが、さらに加速した。


「なっ──!?」

「私はかつて魔神に敗れた」


 そして、また一段階の加速。


「一体どこまで速くなるのだ、人間……!」

「だから鍛えていたんだ。今度こそ負けないように。今度こそ──」


 リーザの姿が、消える。

 ルークですら視認できないほどの速度。


「がっ……!?」


 ガラードが血しぶきを上げて後退した。

 リーザが一閃させた聖剣によるダメージだ。


「爆ぜ消えるがいい、魔神!」


 さらに、聖剣を振りかぶるリーザ。


「【プラズマブレード】!」


 輝く斬撃がガラードの両腕を肘のあたりから斬り飛ばした。


「ぐっ、おのれぇぇぇぇぇっ……!」


 ガラードが叫んだ。


「人間ごときが、この俺に手傷を負わせるだとぉぉぉぉぉっ!」


 話し方まで変わっている。

 逆上しているようだ。


「奴が再生する前に畳みかけるぞ、ルーク、アルトゥーレ!」


 リーザは聖剣を手に突進する。


 ルークは【レイウイング】で、アルトゥーレは【アクセルムーブ】で、それぞれ追従する。

 隊長クラス三人による連携波状攻撃──。


「終わりだ、魔神!」


 三人の声が唱和した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ