神への祈り
初投稿です。
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「大丈夫、すぐ良くなるから……、わざわざ学校まで早退して来なくも良かったのに…」
俺の妹、『永中 夏美』は青白い顔でそう言った。
繁華外の街並みを学生服をきた少年が一人、肩を落としながら歩いていた。
病院からの帰り道、自分 『永中 宗一郎』は妹の病室での事を回想しながら帰路に着く。
(昨日まであんなに元気だったのに、何故急にこんなことに…!)
医者曰く、夏美はもう長くはないだろう、との事だった。各種検査を行ったが特に以上は見つからなかったが、ただ彼女の体が急速に活動を止めようとしているとの事だった。
それはまるで老衰で亡くなる老人の体の様だ、とも言っていた。
宗一郎は家に着き、着替えもせずに自室のベッドに倒れ込む。もう夜の21時だったが何も食べる気が起きず、目をつむる。
(お願いだ!だれか夏美を助けてくれ!俺の命はどうなったっていい! 神でもなんでもいいから助けてくれ!)
平凡は日常に急に振ってかかった不幸に、怒りを覚えて歯を食いしばる。
涙を流しながら宗一郎は祈り、妹との思い出を回想しながら、まるで気絶するかの様に意識を手放して行った・・・。
------その願い聞き届けました……!
まどろみの中で誰かがそう言った気がした。
「ん、んあ……、な、夏美…なぜなんだ………、ハッ!?」
宗一郎はいつの間にかに眠ってしまっていた事に気がつき慌てて体を起こす。
「ど、どこだ? ここ!?」
慌てて周囲を見渡すとそこは自室ではなく、まるで満点の星空に投げ出された様な場所であった。
暗い空間に光が無数にまたたいている。地面に座っている感覚はあるが、地面もそんな感じなので並行感覚を失っていく。
これは夢なのではないかと宗一郎が疑い始めていた時に。
「こんばんは。 永中 宗一郎さん…」
そう背後から声がかかった。
「えっ!?」
驚き振り返るとそこには、優しげな微笑みを浮かべ、白いワンピースのような服を纏った。異様に美しい女性が座っていた。そして薄っすらと発光している。
「・・・あなたは一体? 」
宗一郎が恐る恐るといった様子でその女性は
「私は・・・そうですね、貴方が先程祈っていらっしゃった神、と言った所でしょうか?」
そう口にした。
永中 宗一郎・・・ 16歳。高等学校2年生。父が日本人、母が外国人のハーフ。髪は銅色。瞳は黒色
永中 夏美・・・ 14歳。中等学校2年生。髪は金髪。瞳は空色