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異世界育成マニュアル【魔法少女を育てよう】  作者: パステルカラー
第一章 ネコ耳族
9/81

第9話は、魂のお話だよ!

宜しくお願いします。




 私が寝て意識を手放すと、何時の間にかまたあの白い空間に立っていた。

 管理者のお爺さんが立っている。

 そして、私に話しかけてきた。



「すまん。こんなに早く呼び出すつもりもなかったんじゃが、お主の鑑定に少し細工をしたのを伝えたくてこちらに呼んだのじゃ」

「鑑定に細工ですか?」

「うむ。少しばかり細工をな。それと、お金を渡すのをすっかり失念しておった」

「そういえば、無一文ですね」

「そんな訳で、鑑定とお金について少し話をするぞ」



■ ■ ■ ■ ■



 管理者のお爺さんからの話は、以下の通りだった。

 先ずは、鑑定について。

 今回の細工とは、対象者を鑑定すると、その人物の賞罰と魂の色が分かるというもの。



 賞罰だが、所謂その人が罪を犯していないかが分かる。

 なので、盗賊やら何やらが分かるので、身の周りの人が少しは不幸にならない確率が増した訳だ。

 あくまで確率なのは、今までが分かるだけであって、これからが分かる訳じゃないからだ。

 反対に『賞』も分かる。

 言わば、功績だ。

 これは、相手から感謝された回数がカウントされる。

 なので、独りよがりで助けたと勘違いしているのはカウントされない訳だ。

 多ければ多いほど、善い人という確率がグ~ンと上がる。

 ちなみに、絶対善い人っていう事には、ならない。偶然起こった出来事や行動が人に感謝される事もあるのだから。

 ただこれは、大いに活用出来る事だ。

 身の周りに、そのような人が多いほど、魂の崩壊が防げる確率が増えるからね。



 次に、魂の色についてだ。

 黒色だと、絶望の状態を示す。

 白色は、生まれた時の色を示す。

 桃色になると、幸せな状態を示す。

 管理者のお爺さんの話によると、一度でも桃色になれば魂の崩壊は防げるとの事だ。

 ちなみに桃色で亡くなった場合は、魂が一段階アップし、白色だと現状維持、灰色で一段階のダウンで黒色で消滅してしまうらしい。

 一度でも桃色になれば、その後の人生がどんなに辛く厳しいもので例え本人が幸せだった記憶を忘れても、魂が幸せだった頃を覚えているので魂の崩壊(悪くても灰色止まり)は免れるらしい。

 もちろん辛く厳しい人生など送らせたくないが、万人を管理出来る程、私に力はない。

 ただ、私の近くに居れば一度くらいなら幸せに出来るかもしれない。

 いや、せっかくこの世に生まれたんだから一度くらい幸せになってもいいじゃないか!と強く思った訳だ。

 ちなみに、昨日のネコミミさん達の鑑定結果をお爺さんに聞いたところ(調べてくれた)、黒よりの灰色との事だ。先ずは、ネコミミさん達を桃色に染め上げる事から始めよう!



 最後に管理者のお爺さんから、お金を貰った。

 金貨で九十枚と銀貨百枚でくれた。約一千万円だ。

 空間収納に入っているとの事だ。

 そして遣ったら、その分補充されるらしい……。

 色々思うのだが、快適な家。減らない食べ物。減らないお金。

 私自身が堕落しないか不安である。

 自分自身との戦いになっていきそうだ。




■ ■ ■ ■ ■




 翌朝、ネコミミさん達と一緒に朝食を食べる。

 前の世界なら大人気の猫まんまを食べさせてみた。



「美味いにゃー!!」

「こりゃ、たまんないにゃー!!」

「にゃんだこれ!!」



 予想通り大興奮で食べている。

 言葉遣いまでネコになっている。

 あのネコミミ少女は、美味さのあまり感動の涙を流している。



「幸せすぎる味……」



 何かみんな幸せの表情を浮かべているので、鑑定してみると昨日の時点で黒に近い灰色が薄い灰色になっていた。さすがに桃色にはならないか。

 でも大きな一歩だ。

 食事してお腹いっぱいになったところで、お風呂に入れる。

 みんな汚れているのでシャワーを浴びさせた。



「あったかい水だ!!」

「気持ちいい」


 なかなか好評のようだ。

 次に目を瞑らせて、全身シャンプーをする。


「目を開けるとしみて痛いぞ」

「わ、わかった……」


 ギュッと眉間にしわをよせて目を瞑る。

 一回じゃ無理なので、二回ほどシャンプーする。

 体はボディスポンジでわしわし洗う。

 男の子も女の子も関係ない。

 あのネコミミ少女もしっかり洗う。

 みんなくすぐったそうに、身をよじるが容赦なく洗っていく。

 一人あたり、一分くらいで身体を洗って並べていく。

 ボディスポンジは、一人洗うたびに黒くなるので、その度にすすいで行く。

 すすぐ時間も含めて十五分くらいで、みんなアワアワだ。

 で、順番に洗い流していく。



「良い匂いがする」

「さっぱり!」

「気持ちいい」



 洗い終わったらバスタオルで拭いていく。

 ふわふわしたタオルが気持ちいいのか顔をくっつけたりしている。

 拭き終わったら、皆を並ばせてドライヤーで乾かす。

 温かい風に皆びっくりしている。

 洋服は、タンスに入っていたのを使う。



■ ■ ■ ■ ■



 閉めてみた。開けてみた。服が補充されていた。

 お金が無尽蔵の時点で、怪しいと思ったが案の定だった。

 だけど今回に関しては、すごく助かった。

 管理者のお爺さん、心からありがとう。



■ ■ ■ ■ ■



 新しい下着と洋服を渡していく。

 ネコミミ少女が、このような事までして頂いていいのですか?と聞いてきたが、今回出会ったのは、神様の思し召しみたいなものだから、素直に感謝して受け取りなさい。と優しく言ってあげた。

 お風呂から出たら、お約束の牛乳だ。

 冷蔵庫にあるのは、残念ながら紙パックの牛乳なので、コップに注いで配っていく。

 みんなコクコクと美味しそうに飲んでいる。



■ ■ ■ ■ ■



 ちなみに恵は、まだ夢の中である。

 この子は、よく眠る子だ。

 それに、そんじゃそこらじゃ起きないのだ。

 もしかして一気に三歳になったせいかもしれない。

 赤ちゃんは、ずーっと寝ているので、微妙にそのせいかもしれない。

 もしくは、竜がよく眠る生物かのどちらかだ。

 とりあえず、今は寝てくれていた方が助かるからありがたい。



■ ■ ■ ■ ■



 みんなが牛乳を飲み終えたところで、テレビのある部屋に連れて行く。

 この前、少しテレビを見たところ、幼児の教育チャンネルがあったのだ。

 上手くすると、文字や計算も楽しく覚えられるかもしれないし、まだネコミミさん達は体力がついてないので運動をさせるにしても不安があった為だ。


 ネコミミさん達にテレビを見せると大興奮だ。

 テレビの人が挨拶すると、きちんと挨拶して一生懸命見ている。

 ネコミミ少女も一緒に見ているので、私は席を外して少し休ませて貰う事にした。



■ ■ ■ ■ ■



 ちびっこ達とずっと相手をしていると、結構疲れるのだよ……。

 好きと疲れないは、別なのだよ。

 しかも、久々だからクタクタである。

お読み頂きありがとうございます。

次話は、5/3 12時予定です。

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