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異世界育成マニュアル【魔法少女を育てよう】  作者: パステルカラー
第十章 お便りストーリー
74/81

第74話は、アオバちゃんからの手紙。

よろしくお願いします。

 【アオバSIDE】



■ ■ ■ ■ ■



 恵姉さんへ



 寒い冬の季節が過ぎ、春のやわらかな陽気が差し込んできましたね。

 恵姉さん、お元気でお変わりなくお過ごしですか?

 私は、元気ですが先日、三人目の子を身ごもっているとわかりました。

 もう三人目なので、出産もなれたものです(笑)

 父など、これで後継ぎには、困らないなと毎日ご機嫌です。



 少し、相談があるのですが、恵姉さんが使った回復魔法を覚えたいのですが、どのようにして習得すればいいのでしょうか?

 子どもたちが遊んでケガをしたり、両親や夫の体調管理も出来たらいいな、と思うのです。

 現在、私は子育てで家から出れないので、自宅で習得が出来るのでしたら、この機会にもし可能なら習得したいと考えております。

 恵姉さん、検討お願い致します。





■ ■ ■ ■ ■




 【後日談】三年後。



「お母さん、すご~い」

「あたしも魔法使いたい!」

「僕も将来、魔法少女になるんだ!」

「あらあら、魔法少女は女の子じゃないとなれないのよ。 でも、魔法は使えるようになれるわよ」



 一番上の子が、転んで擦りむいたので回復魔法で治してあげると、子どもたちが大喜びをします。

 恵姉さんに、回復魔法を教えてくださいとお願いをしたら、半月後に飛んで来てくれました。

 恵姉さん、私が相談してくれた事が嬉しかったらしく、届いた当日に太郎さんにことわって来てくれたとのことです。



 そして私が、初級程度の回復魔法を覚えるまでの三か月間ほど、子ども達をあやしながら教えてくれました。

 私が恵姉さんに相談した理由、それはお紺姉さんと違い、恵姉さんがそこまで魔法が得意でなかったからです。 一度、お紺姉さんと恵姉さんに聞いた時に、お紺姉さんは感覚で、恵姉さんは魔法の発動の仕方を丁寧に教えてくれました。 その当時、私はまだ幼かったので恵姉さんの言っている事はあまり理解できませんでしたが、大人となった今では恵姉さんの言ったことはわかります。 恵姉さんは、魔法で苦労した分だけ魔法について奥深く知識として知っているのです。 私も残念ながら感覚で覚えられる天才ではないので、恵姉さんにお願いをしたのです。



 恵姉さんは三か月の間、手取り足取り丁寧に教えてくれました。

 三か月間、なかなか習得できずに謝る私に「私も自分の魔法を見直す機会だから気にしないで」と、子ども達を見てくれながら、いやな顔一つせずにいてくれました。

 初めての回復魔法は母の肩こりをほぐすことでした。

 徐々に手が温まり、すーっと母の方に私の魔力が届いた時は何とも言えない嬉しさがありました。

 その後も、半月ほど私に回復魔法を教えてくれました。



 あれから三年経った今、恵姉さんに教わった回復魔法を使って、家族を癒します。

 子どもたちの転んだ程度の傷や仕事の疲れを癒すのも私の仕事です。

 魔法の効果もあるのでしょうか、両親も夫も風邪一つひかずに元気でやっています。

 あと時々、村の人にも回復魔法を頼まれたりします。

 さすがに骨折などの大きなケガなどは無理ですが、骨折した後の痛みを緩和するくらいでしたら、なんとか大丈夫です。 で、そのケガをした人とその周囲の人達が、それに感謝して(お金を取らないので)くれて店の常連さんになってくれたりします。 もちろん家族以外には、急にケガなどをした時だけですよ、あまり無料でやってしまいますと、そちらで食べていく人に迷惑をかけてしまいますから。



 で、そんな感じで回復魔法をするのですが、当然子どもたちも興味津々です。

 特に一番下の子なんて、私が魔法を使っている時なんて目をキラキラさせています。

 フフフ、もしかしたら恵姉さんたちのように魔法少女を目指してしまうかもしれませんね。

 でも、私も一時憧れた時もありましたし、応援してあげるのもいいかもしれませんね。

 その時は恵姉さん、よろしくお願いしますね。

お読み頂きありがとうございます。

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