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異世界育成マニュアル【魔法少女を育てよう】  作者: パステルカラー
第十章 お便りストーリー
73/81

第73話は、ミスズさんからの手紙。

よろしくお願いします。


 【ミスズSIDE】



■ ■ ■ ■ ■



 お紺様



 秋が終わり、少し寒い季節がやってきました。

 お紺様には、お変わりなくお過ごしでしょうか?

 私共も、大きく風邪ひとつひかず、元気にやっております。



 先日はお忙しいなか、村の収穫祭に来て頂きありがとうございました。

 皆さんがいらっしゃったお陰で、初めての合同収穫祭も大盛況のなか幕を下ろしました。

 特に、お紺様が臨時で出店された「稲荷寿司」のお店は、私共の料理研究家で出した店よりも繁盛しておりましたね。

 私共も、あれほどクオリティの高い稲荷寿司を食したことはありませんでした。



 一見、簡単な料理も極めれば、食した相手を感動させることも出来ると、この目で見せて頂き、再度私共の料理を見直すいい機会になりました。

 恥ずかしながら、私共は健康とたくさんの種類を第一に考え、食する人の「美味しい」と喜ぶ姿まで見るのを何時の間にか忘れてしまいました。

 今回のことを機に、再度自分達の料理というものに真摯に向き合っていきたいと思います。



 次回の収穫祭には、お紺さまを始め太郎さま方にも満足する料理をお出ししますので、味の確認の方をお願いしたく存じます。



 追伸

 申し訳ございません、書いていたら料理のことだけになってしまいました。

 うちのゴロウもアオバも皆さんに会えて、本当に嬉しそうでした。

 うちの娘の婿も、太郎さんと一緒にお酒が飲めて喜んでいました。

 孫もはしゃぎ過ぎたのか、翌日のお昼近くまでぐっすり寝てました。

 また是非来てください。

 家族一同、心よりお待ちしています。                      ミスズより

 




■ ■ ■ ■ ■



 【後日談】語り手……観光客。



 この村とその隣の村には、一品料理の店が多数存在する。

 どの店も、素晴らしく美味しい料理が出てくる。

 しかも値段が手ごろで、健康のことも考えられている。

 いわゆる健康にも懐にも優しいってなやつだ。

 あまりの美味しさに、この村と隣村だけの食のガイドブックが出来たくらいだ。



 それだけじゃない。

 こんなに美味しい店でも、七日のうち一日は、自分たちの店の料理に向き合う為に休みをとるんだ。



 ただ問題はその休みだ。

 この一品料理屋は同じ日に休みをとるんだ。

 何でも、一品料理の店主たちが一同に集まり、自分達の料理を批評するとのことだ。

 だから、もしこんな日に来たら、目も当てられない。



 七日に一日の店休日と、一日の研究日。

 そこで、出てくるのがガイドブックだ。

 店の紹介だけでなく、休みの日ものっけてある。(1年ごと)

 だから毎年、売り上げの上位にランクインしてくるんだ。



 ちなみに、この一品料理店。

 収穫祭の時には、屋台を出すんだ。

 普段の半分くらいの量だが、値段はその分以上に安い、三分の一くらいか。

 しかも、量が少なく屋台だから密集しているので、たくさんの種類を食べられるんだ。

 その為か、収穫祭の時は、人、人、人で賑わっている。



 村の人たちは、踊りを楽しんでいるが、俺たち観光客はメシをメインに楽しむ。

 年々、この収穫祭の規模が大きくなるのもわかるってなやつだ。

 来年も、収穫祭にまた来る予定だ。

 それまでに、少し痩せないとな。

お読み頂きありがとうございます。

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