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異世界育成マニュアル【魔法少女を育てよう】  作者: パステルカラー
第十章 お便りストーリー
72/81

第72話は、ゴロウさんからの手紙。

よろしくお願いします。

 【ゴロウSIDE】



■ ■ ■ ■ ■



 Dear太郎さん


 初夏の季節がきました。

 太郎さん、恵さん、お紺さんは元気でお過ごしでしょうか?

 私共も、食生活がキチンとしているおかげか、大きな病をすることなく元気でやっています。

 

 太郎さんが旅立って、もう三年がたち、先月うちのアオバに第二子となる女の子が産まれました。

 アオバに似た子なので、これからお転婆に育つのでしょうか。

 毎日、上と下の孫の世話に追われ、大変ですが嬉しい悲鳴をあげる毎日です。


 思い返せば、アオバに恋人が出来た時は、太郎さんたちには本当にお世話になりました。

 あの時に無理やり別れさせていたら、今抱いている二人の孫に会えなかったのですから。

 もし、うちの婿が孫の結婚を反対する時がきたら、私が孫の為に一肌ぬがないといけませんな。


 そうそう、太郎さんが最後まで気にかけていた、隣の村との交流ですが、太郎さんが旅立ったあとも交流が続いています。

 今度の収穫祭は、両方の村の若者たちが主体となって、初めて合同でやるとのことです。

 太郎さんたちが来た時には、まさか収穫祭を合同で開催する日が来るなんて思いませんでしたよ。


 初めての合同でする収穫祭の時には、是非とも太郎さんたちをお呼びしたいと、若者たちに頼まれて筆をとった次第です。

 うちのミスズもアオバも、子どもたちを見せたいと申しておりますし、是非一度遊びに来ては頂けないでしょうか?

 村のみんなも、あれからずっと待っていますので、ご検討ください。


 と、何か最後は自分たちの願い事を書いてしまいましたが、私としては太郎さんが余裕のある時に来て頂けたらで充分です。

 またいつか、お会いしていろいろなお話を聞かせて頂ける日まで、お体にはお気をつけてお過ごしください。

                                           ゴロウより



■ ■ ■ ■ ■



 【後日談】語り手……近所の子ども。



 そろそろ収穫祭の準備が始まる。

 食べ物屋があって、みんなで踊ってとっても楽しいな一日だ。

 三年前に、隣村にいる女の子と知り合ったんだ。



 踊っている時に、僕も女の子もお母さんとお父さんとはぐれちゃって、二人で一緒に探したんだ。

 その時に僕が泣いて、女の子に慰められたことは内緒だ。

 祭りの終わり頃に、お母さんとお父さんが見つかって、すごく叱られた。

 すっごく心配したんだって。 お母さんが泣いてた。



 そして、帰り道に女の子のお母さんとお父さんも一緒にご飯を食べた。

 で、女の子が隣村に住んでいると知ったんだ。

 帰る時に来年も一緒に、お祭りで遊ぼうって約束になった。

 僕も、二人でお母さんとお父さんを探していた時、少しだけ楽しかったから約束した。



 去年も一昨年も一緒にお祭りで一緒に回ったんだ。

 一緒に屋台を回って、一緒に踊って、その日をいっぱい遊んだ。

 僕と女の子のお母さんやお父さんも仲良くなったみたいで、一緒にお酒を飲んでいるんだ。

 そして去年、お祭りが終わった帰り道に大きくなったら、うちの子と結婚しちゃえばと、むこうのお母さんに言われた。 恥ずかしかったけど、「うん!」って言ったんだ。

 女の子も「約束ね!」って、指切りしたんだ。



 今年もまた隣村の女の子に会えると思うと、心が弾んでくる。

 お母さんに何かプレゼントしたら? と言われたので、お手伝いで貰ったお小遣いで、手首に着けるブレスレットというものを買った。

 ピンク色の可愛いものにしたんだ。 お母さんもあの子にピッタリと言ってくれたから渡すのが楽しみだ。



 早く、収穫祭の日が来ないかな。

お読み頂きありがとうございます。

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