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異世界育成マニュアル【魔法少女を育てよう】  作者: パステルカラー
第九章 戦争させない編
69/81

第69話は、世界と食文化。

よろしくお願いします。

 この村の変革は、まず料理を変えることから始めよう。

 現在使っている料理の塩分を半分に減らすことが目標だ。

 長野県では、塩分の摂取を減らして長寿になったともいわれているくらいだ。

 ただ塩分を全く摂らないというのも問題あるので、現在の摂取量の半分くらいに抑えたいと思っている。



 だが、ただ単純に塩分を減らすと味が薄くなるだけなので、塩分の代わりに何かを足して味を調える方向に考えている。

 で、すぐに思いついたのが柑橘類である。

 私自身もこの世界に来る前まで、少し血圧が高かったのでかかりつけの医者に相談したところ、レモンやカボスなどを塩分の代わりに勧められた。 レモンやカボスに含まれているビタミンCには、抗酸化作用といって肉体を若く保つのにも役に立つらしい。

 また、日差しが強いので女性に大敵のしみやそばかすなどにも効果があるので受け入れやすい筈だ。



 早速、このことを恵とお紺に話して柑橘類を使った料理を作ることにした。

 せっかくなので、ミスズさんとアオバちゃんも呼んで料理を研究をしてみる。

 で、その柑橘類は、この地方の特産であるミカンに似た少し酸味の強いものをチョイスしてみる。

 料理にかけてみたところ、少し香りが強いけど爽やかで美味しい。

 出来上がった料理は、昼食に並び従業員さんの寸評を受けて、この村の住人にも受け入れられる味付けにするつもりだ。



 寸評の感想だが、女性従業員に対しては概ね評判が良かった。

 柑橘類の酸味がさっぱりとしてていいという感想もあるが、何よりお肌に良い事や肉体を若く保つという「美」に対する意識が高いことで評価が上がっているみたいである。

 どの世界でも女性は美しくありたいというのは共通のようだ。



 次に男性従業員に寸評を聞いたのだが、女性陣に対してよりは反応がイマイチだ。

 もちろんこの味付けが好きな人もいたが、苦手な人の方が多かった。

 と、まあ人数が少ないからこの結果になったのかもしれないが、苦手な理由は「スッパイから」である。

 男性は、スッパイものが苦手な人の割合が地球に居た時もそうだったが、割合的に多いのだ。

 現に私も当初、酸味というものが苦手だった。

 だが、毎日食べているうちに慣れたのだ。 ようは慣れなのだ。

 とりあえずは、最初のうちは少し香りを付ける程度にして徐々に慣らしていこうと考えている。



 

 理由は健康になるのと、血の気の多い人を減らすため。

 ちなみに塩分を減らすと血の気が多いだけでなく、食事の量も減るのだ。

 塩辛いものを食べると、その味を薄めるというか調える為にご飯やパンなどの食べる量が増える。

 反対に薄味だと、おかずだけでも食べられるので、ご飯やパンといったものが減るのだ。

 血圧と体重、そして血の気を減らすと三拍子である。



 まずは、この店の人たちを健康にしてから、お客さんたちにも広めて徐々に浸透させて行きたい。

 目標として三年で、その取組を村全体にしたいと思っている。

 今までは、開拓や開発を中心にこの世界を変えてきたが、人族の村ではある程度の生活水準があり今日、明日で滅亡の危惧もない。

 ただ一つ問題なのが、人族同士というか国同士の仲が良くないことだ。



 この仲の悪さが色々足を引っ張り合っている状態に陥っているわけだ。

 それが何年も続いているのがこの世界の実態でもある。

 とりあえずは世界のことはおいといて、食の健全化から始めて徐々に変えていく方にする。

 急な変革は軋轢を生むということなので、まずは身近な食の健全化から始めるとしよう。



 変革は無理をせずに受け入れられる場所からゆっくりと。

 幸いに、他の種族は現在のところ大きな問題もない。

 管理者のお爺さんも、人族同士の争いで頭を悩ませていたので、ここは焦らずにいきたい。

 例えここで十年費やしても、百年、二百年先に戦争が起こらなければ、その価値があるのだ。

 私が八十年後に消えても、恵やお紺。 そして今まで絆を深めた人の子どもや孫にも受け継がれる。

 そういったものにしたいから、ゆっくり変えていこう。


 こうして私たちは、この世界の食を変える一歩を踏み出したのだ。

お読み頂きありがとうございます。

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