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異世界育成マニュアル【魔法少女を育てよう】  作者: パステルカラー
第九章 戦争させない編
68/81

第68話は、料理とこれから。

宜しくお願いします。

 アオバちゃんに案内され村を少し見て、ゴロウさんの営んでいる雑貨屋へと向かう。

 ゴロウさんの雑貨屋の屋号は【ムテムテ】と言って、この世界の意味で「暮らしに役立ちます」ということを表しているらしい。 雑貨屋さんだしわかりやすい。

 店は、百坪ちょっとある倉庫みたいな感じの建物だ。

 中を覗くと、小皿や文具・裁縫類から始まり家具や荷車とかなり幅広く取り扱っている。

 お客さんも結構居て従業員が対応をしている。確かに家族でやる規模ではない。

 ゴロウさんの奥さんのミスズさんが、私たちに気付いてやって来た。



【ミスズ】「あら、うちの子がすみません。 太郎さん達に甘えて一緒に行っちゃって。 アオバ、太郎さん達の邪魔をしなかった?」

【太郎】「いえいえ、アオバちゃんは邪魔どころかきちんと案内出来ましたよ」

【アオバ】「そうよ! きちんと太郎さんの事を案内しました!」

【お紺】「そうですね。 クリスに乗って」

【恵】「お紺、余計な事は言わない。 大丈夫ですよ、アオバちゃんはきちんと案内出来ましたよ」



 アオバちゃんは、私と恵の援護を貰って少し得意気な表情である。

 トコトコと、ミスズさんの所へ行って胸をはっている。

 ミスズさんは、アオバちゃんを褒めると今回の用事の目的を伝えてきた。



【ミスズ】「では、そろそろ昼食の時間ですので、是非私共の料理をお召し上がり下さい。 太郎さんところの料理には劣るかもしれませんが、うちの従業員にも評判いいんですよ」

【アオバ】「家の料理は、とっても美味しいのよ!」

【恵】「それは楽しみです。 最近は旅がメインでしたので、外で食べていなかったので新鮮です」

【お紺】「私たちだけだと、何時の間にか同じようなメニューをくり返しちゃいますからね」

【太郎】「特に旅に出ると、簡単な料理になるから楽しみだね」

【ミスズ】「そう期待されるのも困りますが、ここの名物料理ですので楽しんで貰えるかと思いますよ」



 ミスズさんに案内され店の奥にある座敷へと行くと、テーブルいっぱいに料理が並んでいた。

 アオバちゃんは、「御馳走だ♪」と目を輝かせ少しそわそわしている。



【ミスズ】「いつもより頑張ったんですけど、普段も従業員の分もあるので量だけは結構あるんですよ。 この近くに食堂もないので、この様な感じになったんです。 あらあなた、何時の間に?」

【ゴロウ】「店の者がアオバがお客人と戻って来たと聞いたから食事の時間と思ったんだよ。 で、昔は各自、弁当を持参していたんですが、夏場になると弁当が痛むのか誰かしらお腹を壊していたので、家内が作ると言ったのが始まりなんですよ」

【ミスズ】「初めは、どれくらいの量を作るのか苦労をしましたし、みんな好みがあるので日によって食べる量がバラバラでしたので大変でした。 でも、慣れてきたら、料理も少しですが上手になりましたし、何より喜んで食べて頂けるのが励みになりました」

【アオバ】「へぇ~、そうなんだ。 私てっきり初めから作っていたのかと思っていた」

【ミスズ】「そうね。 アオバが物心ついた頃には毎日並んでいたものね」

【ゴロウ】「ほら、ミスズ。 話ているとせっかく作ったのが冷めてしまうぞ」

【ミスズ】「太郎さん、温かいうちにどうぞ」



 との言葉で食事が始まった。

 この辺りは、海が近いので魚料理が多い。

 新鮮なのか生の魚が出てくる。 さすがに醤油はないが、塩で食べる。

 こっちの塩は精製されていないので、少し黄色みがかった塩で、尖った辛さでなく甘塩みたいな感じだ。

 刺身に塩を付けて食べたことはなかったが一口食べると、塩でも美味しいという事実がわかる。

 米を団子状にして少し塩が振りかかっているものを食べる。 きりたんぽみたいである。

 そして焼き魚と香草と魚の煮物もあり、どれもこれも美味しかった。

 私だけでなく、恵やお紺にも好評らしくミスズさんに調理方法を聞いていた。



 食後にアオバちゃんの案内で店内を見て回ると、すでに陽が落ちたので店から近くに場所を借りてテントを張った。

 アオバちゃんも来たそうな顔をしていたが、そこはミスズさんが許さず家へと戻った。

 テントに入り、今日の夕飯は恵とお紺が昼間の料理の再現である。

 不味くはなかったのだが、かなり薄味で健康に良さそうな食事だった。


 「流石に一度じゃ再現は無理よね」と恵とお紺が軽くため息を吐いていたが、私が塩分控えめな薄味は健康に良いんだぞと言うと、このまま塩分少な目で美味しい味付けをしてみると、意気込んでいた。

 確かにミスズさんの料理は美味しかったけど、塩分高かったから健康が少し問題だな。

 まずは、ここから変えていくかな。


 昔、暴れる兵士に塩のない食事を何日か与えると、大人しくなったと聞いたことがある。 全部が全部本当かどうかはわからないが、料理に使っている塩分を半分にすれば、この村の……いやこの辺りの人の気分が少し落ち着くかもしれない。 そうすれば争いも減る。 健康にもいい。 まずここからかな。


 水問題も確かに大切だけど、お互いに冷静に話せるようにすることが必要かな。

 そうしないと、協力して工事とかも出来ないからね。

お読み頂きありがとうございます。

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