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異世界育成マニュアル【魔法少女を育てよう】  作者: パステルカラー
第九章 戦争させない編
65/81

第65話は、旅は道連れ世は情け。

宜しくお願いします。

 次の村に行く途中で、道の端で蹲っている親子を見つけた。

 年齢は、三十代半ばの両親と十歳くらいの女の子で旅の格好をしている。

 で、その蹲っている親子の様子を見ると、どうやら女の子の顔が真っ赤で高熱が出ているみたいで両親が介護をしている感じである。

 私には救急箱もあり、そのまま通り過ぎるのもしのびないので、女の子のご両親に声を掛けることにした。



「すみません。 見た感じ、お嬢さんはどうやら結構熱が出ているみたいですが、宜しければ私の持っている薬でも差し上げましょうか?」

「あ……あの?」

「見ると、呼吸も荒くなっているみたですし、早く飲ませた方がいいのでは?」

「す、すみません。 お願いします」



 見ず知らずの私に戸惑っていたようだが、私たちの事を見てそっと息を吐き、お願いをするお父さん。

 一応会話をする前に救急箱から薬を準備をして、少し冷たい水を用意してあったので、早速その薬を女の子に飲ませる。

 高い熱が出ているようだったので、少し冷たい水を薬といっしょにのんだところ、女の子の呼吸が少し落ち着いた感じだ。


 ただここで看病をするよりも、夢みるテントで休ませた方が当然良いと判断をして、中に案内をする。

 夢みるテントの機能に女の子の両親は、びっくりした顔をしたが、それよりも自分の娘の状態が心配らしく、すぐに女の子を背負い、テントにはいった。


 夢みるテントは、何時もの自宅バージョンになっており、客間に布団を敷いて、すぐに女の子を寝かせた。

 女の子は、快適な温度と横になれる布団のおかげか、十分もしないうちに寝息を立てていた。

 とりあえず、看病に恵とお紺、そしてお母さんを残して、お父さんと話すことにした。



■ ■ ■ ■ ■



「いや、本当に助かりました。 朝、ちょっと元気がないくらいしかわからなかったので、急にあんな風になって、どうしようか悩んでいたんです」

「子どもは、急に具合が悪くなりますからね。 とりあえず、少し休まれてはいかがですか?」

「本当に何から何まですみません。 少し挨拶が遅れましたが、私はゴロウと言って雑貨屋をやっているものです。 今回、嫁の父が具合が悪くなったと聞いて見舞いに行ってきたところなんです」

「私も挨拶が遅れました。 私は太郎と言って、あそこにいる妹たちと旅をしているんですよ。 それにしても今回、大変だったんですね」

「いえ、ここから一週間離れていたので、私が着いた時にはだいぶ体調も良くなって少し起き上れるくらいに回復していたので、嫁共々ほっと安心していたんですが、まさか帰りに娘の体調が悪くなるとは……。 少し行くときに急いだものですから、何時の間にか無理をさせてしまったみたいですね」

「それでしたら今日と明日、ここでゆっくりして出発をしたらいかがですか?」

「それでは、ご迷惑では……」

「いえ、そこまで急ぐ旅でもありませんし。 この先の村に行く予定でしたので、問題ないですよ」

「この先の村ですか? それでしたら、私たちの住んでいる村ですし、宜しければ案内させて下さい」

「でも、雑貨屋さんですし、お忙しいのでは?」

「問題ありません。 店には、従業員がいますから」

「それでしたら、お願いしてもいいですか?」

「はい。 是非とも案内させて下さい」



 話終えて、娘さんの所へ行くと、すっかり規則正しい寝息を立てていたので、ゴロウさんの奥さんと恵たちを連れて居間まで移動した。

 奥さんは、ここに居たそうだったが、幸い居間は隣なので少し空けておけば見えますし、少し休まれた方がいいですよと言うと、娘が見えるとわかったのかすぐに居間へと移動をし、少し甘いものとお茶を飲んで疲れをとることになった。



■ ■ ■ ■ ■



 お茶を飲んで、ゆっくりすること一時間半。

 隣の規則正しい寝息が止まり、ガサゴソと起き上る音がした。

 ゴロウさんの奥さんは、すぐさま隣に様子を見に行って、女の子をこっちに連れてきた。

 女の子の顔色は、すっかり良くなっていたが、ここがどこかわからずにキョトンとした表情だった。


 とりあえず、女の子を座らせて、少しだけ冷えたオレンジジュースと甘いものを勧める。

 女の子は、ありがとうとお礼を言ってオレンジジュースと甘いものを美味しそうに食べた。

 それを見た奥さんもやっと出されている甘いものを食べたのだった。

 奥さんは、女の子が心配でお茶しか飲んでいなかった。


 奥さんには、今日と明日はここで、ゆっくりすると伝えてある。

 とりあえず、少し女の子が元気になったので、一度外に出て貰い、アパートバージョンに変える。

 ここに二日居るとすると、一緒に居ると気分も落ち着かないと思ったからだ。


 女の子はこの光景を見てビックリをしていたけれど、ゴロウさんと奥さんは一度見たので女の子よりは少し落ち着いていたといった感じだ。

 とりあえず、ゴロウさん一家に貸す一室を見せて、トイレとかお風呂の使い方を教える。

 少し戸惑っていたけど、そこは二日だけなので我慢をして頂きたい。

 食事は、こちらで準備をするので時間になったらこちらに来るようにと伝えるのと、時計の針の見方を教えて、自分たちの部屋に戻ることにしたのだった。

お読み頂きありがとうございます。

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