第55話は、相性診断でLOVE。-バンゴ君、頑張る-
よろしくお願いします。
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翌日、ドワーフの村の今後の計画を村人達に話す事にした。
レスちゃんのご両親は、あと一ヶ月は戻らないので、説明は後回しにする事にした。
先ずは、家を改築して現在の二倍くらいにする。
その家の改築は、六人の男女混合グループで行う事。
そして今日は、自分の生まれた日と、心理テストを行う。
ちなみに、これは家の本棚にある相性診断によりドワーフ族のグループ作りに役立てる事にした。
普通なら、あまりオススメ出来ない事だけど、今は普通の状況じゃない。
しかも、管理者のお爺さんチョイスの物だからハズレがない。
みんなの幸せも約束されているようなものである。
一応、黙っているのも悪いので、その事を話をしたら、既婚者からも羨ましがられる結果になった。
当然、このグループ分けは、喜んで受け入れられた。
反対意見もあるかな?と思い、どうやって説得をしようと悩んでいたけど杞憂に終わった。
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【グループ分けした翌日のバンゴ君】
オラの名前は、バンゴ。
ドワーフ族の勇敢なる男だべ。
勇敢になったのは、まあ先日からだが、気持ちだけは誰にも負けないべな!
オラが勇敢になれたのには、理由がある。
太郎さんという偉い人が、ドワーフの村にやって来たんだ。
何でも、この村の奇病を治す為に、神様から薬を預かってきたとの事だ。
オラは、その薬を飲むまで何もやる気がなかったべ。
動くのが億劫で、トイレに行くのもダルイ。
毎日、起きるのが面倒臭かった。
ところがどうだ?
あの薬を飲んだら、頭や身体のダルさが消えたべ?!
うぉおおおおー!
何か走りたくなったべ。
何か行動したいべ。
おっ!←バーベキュー時。
太郎さんとこの童が困っとる。
恩人の妹さん達が困ってとるのを見過ごすなんて出来んべな!
他の者も同じらしく、妹さんを助けんべと思ったべ。
道具がないとな?
よし!オラ達が作んべ!
うっすらと親父が時折作っていた道具を思い出しながら、必死で作ったべ。
使えなくなっとった道具もたくさんあったが、みんなの家の使えそうな道具を集めて、頑張って作った。
そして作っているうちに、何か凄く楽しいと思ったべ!
きっとドワーフの血が流れているんだべ。
オラは、紛れもなくドワーフなんだ!
それから、必死になって道具を作ったべ。
その時に火傷を少し負ったが、全然問題ないべ!
少しくらいの火傷なんてドワーフの男の勲章だべ。
その後、みんなで宴になったべ。
先日まで、顔を見ても何の興味も起こらなかったが、宴を一緒に楽しんでいると何か親しみが湧いてきたべ。
これが仲間か。
いいもんだな。
翌日、太郎さんの提案で家を改築する事になったべ。
広さが二倍になるとよ。
まあオラは、独り者だし、これで充分と思ったが、偉い太郎さんの言う事だ。
オラ達は、黙って付いていけばいい!
そして、その話の後、オラは太郎さんを神と思った。
『男女混合のグループ分け』
神だぁああああ。
オラは先日まで、何のやる気も起こらなかったから、オナゴなんてどうでも良かった。
ただ先日、宴で会った時、その『どうでも良かった』なんて言葉は消え去った。
『メンコイ』
オラの頭は、一瞬でお花畑になっちまったんだ。
だけどオラは、声を掛けられなかった。
何と話していいか分からなかったんだ。
悲しかったべ。
しか~し!太郎さんは、オラの気持ちを汲み取ってくれたかのように『男女混合グループ』を作ってくれたべ。
しかも、相性診断とかいうもので、性格が合うというものだ。
そして失敗がないとの事だ。
太郎さん!オラは付いていくべ!
翌日。
グループ分けが終わったべ。
前回の宴で話をした男二人と、かわいいオナゴが三人。
これから、このグループで作業をするそうだ。
作業をしていると自然に話が出来る。
メンコイ子とも話せてオラは満足だ。
ちなみにその子は、ランザという子だ。
大人しくて、いい子だ。
見ると、他の男共も何時の間にか、カップルっぽくなっている。
他の二人も魅力的だったが、ランザという子に何時の間にか惹かれていた。
よし!ランザにいい所見せるっぺよ!
それからだな!
オラが勇敢になれたのは。
オラは、この生活が出来るなら命なんて惜しくないべ!
一緒にいる男共もオラと同じ事を言っているべ。
仕事でも何でもドンと来い!
【了】
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グループ分けをした当日から、何故かみんな(男達)のやる気が凄い。
圧倒される熱意。
そして、私を見る尊敬の目。
女の子も、甲斐甲斐しく男達の世話をしているようである。
私は、この光景をゴンザさんと見て微笑んだ。
ゴンザさんも、早く家を建てないと、赤ちゃんの出産に間に合わないとおどけて言った。
私は、ラミア母さんにでもお願いしようかな?と思いながら、この光景を温かく見守るのであった。
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