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異世界育成マニュアル【魔法少女を育てよう】  作者: パステルカラー
第七章 滅亡しそうな種族を救うのです!
54/81

第54話は、今後の計画の話。

よろしくお願いします。




■ ■ ■ ■ ■



前話のあらすじ


 ドワーフの一族を長年苦しめていた病。

 それを万能薬で治した太郎。

 村を蔓延していた病が治った事をレスちゃんのご両親を迎えに使者を遣わした。

 そして今後の対策を練る為に、ドワーフを束ねる長のゴンザさんの自宅に向かう太郎。

 一方、恵とお紺は、完治した村人の為に料理を振舞う事になったのだが、太郎が料理を作る材料のみしか渡さず、途方にくれる。

 そんな中、他のドワーフさん達が恵やお紺が途方にくれている様子を見かねて、料理を作る道具がないのなら作ろうじゃないかという話になり、みんなの協力もあり、どうにか料理を作って食べる段階までいく事になった。


 今回のお話は、少し時を遡って、太郎がゴンザさんの自宅に上がった所から始まる。



■ ■ ■ ■ ■



「おじゃまします」

「どうぞ、小太郎殿」



 ゴンザさん宅に入る太郎。

 ゴンザさんが出迎え、居間に移動。

 ドワーフ族の今後を話し合う。

 村の半分以上の家は人がいない。

 この際だから今住んでいる家を二倍の大きさにしてしまおう。

 快適な家を作ろう。

 それでもまだ余っている家は、解体して集会場とお店を作ろう。

 太郎の考えている店は、百貨店だ。

 そして、今後はドワーフだけじゃなく他の種族も受け入れてはどうか……と提案する。


 何といっても、この村の人口は二百人前後とかなり少ない。

 これで、この世界のドワーフの九割以上と考えると少なすぎると思う。

 確かにドワーフ族としては、絶滅する事はない。

 ただ、ドワーフ族が発展するには人が足りなさ過ぎる。


 ネコミミさん達は、まだこの世界に結構散らばっている。

 ラミアさん達は、森を発展させるので問題ない。

 ただドワーフさん達は?というと甚だ心許ない。

 しかも、今後この世界の鍛冶の発展を担っていくと私は愚考する。

 だが、この村でだけ生活をする事を考えると、鍛冶をする人は半数にも満たないだろう。

 これでは、この世界の発展が遅れる事になる。


 私の考えだと、ドワーフの人口の八割。

 八割のドワーフさん達に鍛冶をやって貰いたい。

 そう!女性にも頑張って欲しいと考えている。

 鉄を敲く事は出来ずとも、旦那の相方は出来ると思うからである。

 ちなみに鍛冶をしない二割のドワーフというのは、老人や子ども達を指す。

 あと妊婦さんも無理をして欲しくないのでここに入る。

 ちなみに、女性が早く復帰出来るように保育所なども完備してサポートさせたいと思っている。


 その為の対策として、外から鍛冶以外をする人を集めるのが手っ取り早い。

 私はここにしばらく居るのだから他の事はサポート出来る。

 先ず人を集めるのと、村人を増やす為にカップルを作る事、そしてしばらくやってなかった鍛冶を復活させる事を目標にしよう。


 幸い、ゴンザさんは鍛冶が出来るし、しばらくは先生になって貰おう。 

 そして私達は、ご飯を作ったり人を集めたりしよう。

 ふむ。

 ここで管理者のお爺さんにも協力して貰って、流民などを集めて教育してこの村を町にしよう。



■ ■ ■ ■ ■



 その事をゴンザさんと話す。

 ゴンザさんは、この話を聞いているうちに前のめりになって『ふむふむ』としきりに頷いている。

 そして、



「太郎殿、お主の話は大層面白い。確かに、我らだけだとこのままだと厳しいだろう。本来ならこれも全てワシがやらねばならぬ事だが、それをやると更に発展が遅くなるだろう。太郎殿、何から何までお願いして大変心苦しいが頼む」

「……では、このように動いても宜しいので」

「うむ。太郎殿がいなければ、我らは近き将来に絶滅していただろう。それが救われただけじゃなく、近い将来の夢まで与えてくれるとは!太郎殿……。お主に我らの全て任せる。宜しく頼む」



 そういうと、テーブルに頭をぶつけるというかぶつけながらお辞儀をする。

 スゴイ。

 オーラまで桃色を超えて、白銀に光っている。

 この人の魂は、昇華されている。

 私はそれを嬉しく思い、ゴンザさんの手を握って、今後の村の発展を思い描いた。



■ ■ ■ ■ ■



 ゴンザさんと話が終わって、一緒に村の広場に行くと、バーベキューの準備が出来ていた。

 ……あれ?あんなにバーベキューの道具ってあったっけ?

 と、疑問に思っていると、恵とお紺がやって来て、



「太郎兄!料理の具材だけ渡して、ゴンザさんのお宅に行っちゃっうんだから!すごく大変だったんだから!」



 恵とお紺がプンプン怒っている。

 確かに私が全面的に悪い。

 私が恵とお紺に謝罪をして、この道具をどうしたか聞いてみる。



「これは、ドワーフの皆さんが作ってくれたんだよ。私達が困っていたら、みんなで集まって協力して作ってくれたの」

「それにしても、この短時間でよくこんな立派な物を作れたね」

「うん。皆さん器用でお願いした通りに作ってくれたの」



 どうやら、恵とお紺はドワーフさん達のお世話になったのと、村人さん達の絆を深めるのに役に立ってくれたらしい。

 周りを見ると、始めより大分遠慮がなくなってきている。

 それを嬉しく思い、更に親しくなるようにバーベキューを始める。


 皆が肉や野菜を焼いているうちにタレを作る。

 まだこの世界にないであろう醤油をベースにしたタレ。

 甘じょっぱくて、クセになるタレを用意して焼いた肉や野菜につけていく。

 香ばしい臭いで食欲が増進する。

 この世界では、小麦を焼いたのが主流みたいので、それを挟んで食べる。

 お好み焼きの具なしバージョンを想像してくれたら分かりやすいと思う。

 米を食べたいけど、皆に合わせて食べる。

 米はないけれど、みんなで食べる食事は格別である。

 あちこちで笑い声も聞こえる。


 私は、まだ一人でいる人を見ては、やはり一人でいる人に紹介する。

 きっとこの人達は、大勢より二人か三人で食べる方が性にあっていると思う。

 向き不向きがあるからね。

 ただ一人よりかは良いと思う。

 現に、二人で静かだけど楽しそうに食事を取っている。


 結果、一人で食べる人は居なくなり、最低二人で食べるのを確認して食事に戻った。

 席に戻ると、恵とお紺はどっかに遊びに行っており、私は焼いた野菜とそのままの野菜を持ってクリスの所に行った。

 たまには、クリス(ペット)とする食事もいいもんだ。

 なあ、クリスよ。

お読み頂きありがとうございます。

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