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異世界育成マニュアル【魔法少女を育てよう】  作者: パステルカラー
第七章 滅亡しそうな種族を救うのです!
53/81

第53話は、コミュニケーション!

よろしくお願いします。




■ ■ ■ ■ ■



 翌日、レスさんのご両親を迎えに村の若い者が旅立っていった。

 ふむ。

 私はこの村の事を考えた。

 先ずは、この村の若者達の人数が少ない。

 次に、気力のなくなる病のせいで、この村にいる全員が体力不足である。

 最後に、この村の家の半分以上、誰も住んでいない。

 それに、もう一つ加えるというより、一番問題は、村人のみんなが、ほとんど初対面に近い。

 これが一番の問題である。

 ここ数百年、徐々にであるが村人の交流がすくなくなりお互いに関心が薄くなってしまった弊害である。

 まあ、この中の二割くらいは、どうにか少し活力があったので、交流があったみたいだが……

 とりあえずは、この村でコミュニケーションを取る事から考えよう。

 何故なら、昨日までと違って、今はお互いに興味があるのだから。



■ ■ ■ ■ ■



 まずは、この村にいる五人の子どもたちにキッカケを作って貰おうと考えている。

 大人達より、子ども達の方が、簡単に友達になれると思うからね。

 その為に、先ずは恵とお紺、そしてクリスに期待する。

 クリスはともかく、恵とお紺に関しては、ネコミミさんやラミアさんの所で生活をしていたのでコミュニケーショ能力はある筈である。

 少なくとも、ここのドワーフさん達よりもあると思う。

 私も含め、このコミュニケーション能力を活かして、先ずはこの村に一体感を作る事から始めよう。

まず、そこからだ。

 ドワーフらしく生きる(鍛冶をして酒を豪快に飲む)為には、先ずは最初の一歩が肝心だ。

 むー。

 理想というか、物語の中にいるドワーフさん達になってくれるまで、はてさてどの位かかるのやら……。


 鍛冶を覚える。

 酒を仕入れたり、醸造する。


 やる事だけは、いっぱいある。

 幸い、この山の瘴気が消えるまでここに居ないといけないから、その間に出来る事はやっておかないといけない。

 ちなみに、この山の瘴気対策として一年に一度、お正月の時に万能薬を薄めて皆で飲む事にした。

 そもそも何百年とかけて気力を失わせていったのだから、一年やそこらでは、あまり身体や精神にも影響がないと考えられる。

 それに一年の始まりに薄めた万能薬を飲めば、病気の罹り始めにも有効だから病死で亡くなるという可能性もかなり低くなる筈である。

 これ以上人口を減らすとマズイ状態に陥るドワーフ族にとってこれはかなり有効な手段ともいえる。

 それに、コミュニケーションを取る為にも一年に一度みんなでお正月を楽しむのも悪くないからね。

 まだこのドワーフの村にお正月の文化がないので、ゴンザさんに後でその事を教える事にするとしよう。



■ ■ ■ ■ ■



 ゴンザさんに、今後の村の事で話がしたいと伝える。

 今、ここに居る村人さん達には、恵とお紺に料理の材料を渡してみんなで協力して作って食べるように言っておく。

 ゴンザさんにも、村人さん達が恵とお紺に協力するように言っている。

 ただ、神のお遣い様だからとか言っているけど、この際この方が上手くいきそうな気もするので、恵とお紺には否定せずに流れに乗って頑張るように伝えた。

 或る意味間違っていない。

 この世界を救う為に、管理者のお爺さんに呼ばれた訳だからね。

 村人さん達と一緒に料理をしに行った恵とお紺達を見送り、ゴンザさんと一緒に(ゴンザさんの)自宅に向かった。



■ ■ ■ ■ ■



【みんなでお料理】 恵side



「恵、お紺。悪いけどこの材料で、村人さん達と料理を作ってくれないか?」



 渡される材料。

 材料……。

 呆気に取られる私とお紺。

 だって、材料しか渡されていないのだから。

 あっ……。

 太郎兄が行っちゃった。

 ……料理を作る道具は?

 呆然としている私達に、ドワーフの村の人達がやって来ました。



「恵様とお紺様」

「……」

「どうなされたのですか?」



 親切そうな村人さん達に、今の状況を伝えます。



「そうですか。なら道具があればいいのですね?」

「はい」



 私とお紺が返事をすると、村人さん達は各々、自宅に戻って料理をする為の道具を持ってきてくれるとの事です。

 少し立ち直った私達は、村人さん達が来るまで簡単なバーベキューを作る用意をします。

 ……。

 用意出来ませんでした。

 太郎兄に網など頼もうかと思ったのですが、大切な話をしに村長さんの所に行ったので行きにくいです。

 私達が所在なさげに立っていると、早速料理の道具を持って来てくれたドワーフの村人さんが元気ない私達に、


「どうしたんですか?」

「バーベキューをやろうと思ったのですが、道具がないのでどうしたらいいのかと……」

「バーベキューですか?」



 バーベキューを知らない村人さんに、バーベキューに必要な道具を土に絵を描いて伝えます。



「金属の燃えない網があればいいんですね?」

「あと、四角いレンガみたいな物も……」



 気がつくと、私の周りに家から道具を持ってきたドワーフさん達がいっぱいいました。



「みんな聞いたか?」

『オウ!』

『はい!』

「なら、わかっているな?」

『オウ!』



 そういうと、みんなが道具を作ると分担を話し合って別れて行きました。

 とりあえず、料理の材料が悪くならないように氷の魔法で冷やします。

 ブレス?

 何年も凍ったままになりそうですから使えません。

 それから一時間も経過したでしょうか?

 皆さんが作ってくれた道具を持ってきてくれました。



「これで大丈夫ですか?」

『はい!』



 想像以上の出来栄えです。

 ピカピカ光って、使うのが勿体無いくらいです。

 そして、みんなでバーベキューをする為に、準備したり焼く場所を作っていきます。

 そこには、始め少しよそよそしく話していたドワーフさん達はいませんでした。

 数年来の友のように、遠慮なく話しているドワーフさん達がいっぱいいます。

 まあ、私達には少し遠慮しているようですが、それはきっと気を遣ってくれているんだと分かります。

 こうして、楽しいバーベキューの時間が始まりました。


お読み頂きありがとうございます。

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