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異世界育成マニュアル【魔法少女を育てよう】  作者: パステルカラー
第七章 滅亡しそうな種族を救うのです!
51/81

第51話は、ドワーフ族の現状。

よろしくお願いします。




■ ■ ■ ■ ■



 ドワーフさん達の住む村が見えてきた。

 このドワーフの村は、豊かな山の中腹にある小さな村と聞いている。

 何でも、二百人くらいの村で、御伽噺の話のように鍛冶で生活している種族だ。

 ドワーフさんの特徴と言えば、ガッシリとした肩幅、ギュッとコンパクトにしたような体型で、髭もじゃ公の男性とコンパクトで小太りの女性だ。

 ……で、二百年前までは、この世界におよそ五千人くらい居たのだが、現在では、たったの二百人くらいしかいない。

 ちなみに戦争があったとか天変地異で減少した訳でもないとの事だ。

 管理者のお爺さんから、途中で聞いた情報だ。

 残りの情報は、私が村を見たときに話すとの事だ。




■ ■ ■ ■ ■




 そんな事を思い出しながら、村の入り口に近付くと、そこには立派な髭をたくわえたお爺さんが立っていた。

 その横にいるちっちゃい子は、お孫さんだろうか?

 お爺さんの手を握っている可愛らしい女の子が居た。



「こんにちわ」

「ドワーフの村へ、ようこそ。歓迎する。すまんが、お主達の名前を聞いても宜しいか?」

「はい。太郎と言います。そして、横にいるのが、恵とお紺です」

「うむ。お告げの通りじゃ。『人族で太郎殿と言う人が来たら、村を見て貰いなさい』と神様から言われたのじゃ。その人が、我らを救ってくれるとな。この通りじゃ。助けて下され」



 ドワーフの長っぽい人が頭を垂れ、お願いする。

 小さい女の子も一緒にお辞儀をしている。



「頭を上げてください。私も神さまから、この村を助けてあげてくれと言われたのですが、まだ何も把握出来ておりません。少し村を見せて貰っても宜しいですか?」

「そうか!では、わしが案内しますぞ!」

「いえ、少し自分の目でみたいので、案内は後でいいですか?」

「そうか……。なら、この村の中心にわしの家があるから、村を見終わった後に来てくれんか?」

「わかりました。村をぐるっと見てから立ち寄らせて頂きます」

「ところで、家を尋ねる際にお名前をお伺いしても宜しいですか?」

「まだ名乗ってなかったか!大変失礼した。わしは、ドワーフの長をしているゴンザという。横におるのはレスといってわしの孫娘だ」

「レスです。よろしくおねがいします」

「レスちゃん、よろしくね。では、ゴンザさん。後でお伺いします」

「お待ちしてもうす」




 ドワーフの長、ゴンザさんと別れて村を見たのだが、どうも村人達には生気が感じられない。

 みんなどこか疲れた感じの様子だ。

 金属を打つ音も響いているが、その音もなんか元気がないように感じられる。


 私が、村人の様子を見ていると、管理者のお爺さんの声が頭に響いた。




■ ■ ■ ■ ■




(太郎殿、少しいいか?)

「はい。問題ないです」

(結構深刻な話じゃが、聞いてくれんかの?)

「何でしょう」

(実は、ドワーフの村人をこの様な状態にしたのはこの山の瘴気のせいじゃ。この瘴気により、ドワーフの人達のやる気がなくなって、半分廃人のようになってしまったのじゃ。勿論、今すぐに命を落とす事はない。ただもう既に千年以上このような状態が続いている。わしがその事に気付いたのは太郎殿に告げる数日前の事じゃ。情けない話だが、わしは他の世界の事もあり、こんあ状態になるまで気付かなんだ)

「……この一見豊かな山が原因なのですか?」

(そうじゃ)

「では、この地からドワーフの皆さんが離れたら解決するのですか?」

(無理なのじゃ。この瘴気を少しでも吸えば、徐々におかしくなってくる。ドワーフ族に関しては、血の記憶に刻み込まれたのじゃ)

「では?」

(うむ。今居るものは、体質によってどうにか大丈夫な者達だったのだろう。だが、見ての通りかなり深刻じゃ。ゆっくり真綿で首をしめられて殺されるようなものじゃ)

(それでじゃ。わしは、ドワーフの長に言った。太郎殿が来て治すとな)

「無理です!」

(大丈夫じゃ。太郎殿の救急箱に万能薬があるじゃろ?)

「はい、ありますけど」

(あれで、完治するのじゃ。ただし、わしは太郎殿とあの二人の子以外、手が出さないから太郎殿にお願いしたのじゃ)

「なら、それで解決と?」

(いや、それも一時的なものじゃな。この山の瘴気をこのままにしておくと、いずれこの世界全体に影響を及ぼす事になりそうじゃ)

「それでは、どうすれば?」

(この山には、負の感情が徐々に集まって瘴気が出来ておるのじゃ。それをどうにかせんといかん。現に、この森の動物達の様子が少し変じゃ。以前の十分の一くらいしかいない。太郎殿には、この森の浄化をお願いしたいのじゃ)

「えっ……、浄化なんて出来ないのですが」

(そこは大丈夫じゃ。この山には、悪意があるからいけんのじゃ。太郎殿には、人や魔物達を良い方向に導く力があり、その悪意を跳ね除けて浄化する事が出来るのじゃ。そこでじゃ。ここに少しドワーフ達と一緒に住んでくれんかの?)

「えーっと、ここに住めばいいのですか?」

(そうじゃ。太郎殿には、この世界に来て皆に感謝されておる。太郎殿には感謝の念が集まっておる。ここで生活して感謝の念で悪意を浄化すればよい)

「わかるようなわからないような……。とりあえず、生活すればいいのですね?」

(うむ。すまんのぅ。この山が浄化した時には、海でも山でも好きな所に行ってくれて構わないぞ)

「えーっと今、山ですから……」



■ ■ ■ ■ ■



 管理者のお爺さんと会話をしているのを横で恵とお紺が黙って聞いている。

 これまでに何度か、話ているのでこの子達も慣れっこになっている。

 それに、この世界に来る前に管理者のお爺さんと会っているので問題はない。


 この子達は、分かってくれているからいいが、ゴンザさんから見たらきっと、私の事を心配するかもしれない。

 とりあえず、管理者のお爺さんの話を恵とお紺に話して、この村で生活をする事になった事を伝える。

 恵もお紺も、その話を聞いたら、納得してくれた。

 そんな訳で、近いうちにネコミミさんとラミアさんにも連絡をしないといけないな。

 ふむ。

 あの子達も随分と長い間、一緒に生活をしていたから大丈夫そうだな。

 魂も桃色だから、軽く跳ね除けてしまいそうだ。

 まあ、次回に会うのは三年後だし、それまでにこの村が少し良くなっていればいいな。

 と、そんな事を思いながら、長の家に向かった。



お読み頂きありがとうございます。

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