第41話は、伝説の湖のお話。
よろしくお願いします。
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【ナミ】
ラミアの子ども。
好奇心旺盛で優しく、気になったら、後先考えずに行動してしまう事がある。
今回は、その事が原因で途方もなく話が大きくなってしまったお話。
ナミは、魔力の量が普通より少し多い……いや、かなりというか他の姉妹より、はるかに多い。
分かりやすくいうと、普通の人が1なら一般的なラミアの魔力は10。
ナミの魔力は、ラミアの魔力の10倍。普通の人の100倍である。
ちなみに他の姉妹は、一般的なラミアさんと変わらない。
ちなみに恵は、一般的なラミアさんの魔力の10倍ほどである。(ナミと同じ)
お紺は、一般的なラミアさんの50倍。九尾狐だからね。(ナミの5倍!)
……で、主人公の太郎は、普通の人の0.9倍くらいである。(一応表記)
↑普通の人が100なら太郎は90くらいで普通の人より若干劣る。
ちなみに魔術師の人は、普通の人の3倍から多くても5倍くらいである。
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ある日ナミは、散歩の途中に干上がってしまいそうな沼を見つけた。
その沼の魚達は、干上がりそうな沼の片隅できゅうくつそうに泳いでいる。
カワイソウ……
ちょっとお転婆だけど、太郎パパやラミア母さんに愛情を持って育てて貰ったナミはその魚達を不憫に思った。
そうだ!
一生懸命に覚えた水魔法なら、この沼の水をいっぱいにしてあげるかもしれない。
先ずは、ちょっと試しに水を作ってお魚さんが元気になるか試してみよう。
そんな訳で15cmくらいのお魚さんを一匹捕まえて、水を与えてみる事にした。
少し魔力のある水に、捕まえたお魚さんはイキイキと泳ぎだす。
それを見て安心したナミは、沼いっぱいに魔力の篭もった水を入れることにした。
魔法を使ってクタクタになったけど、沼いっぱいに水を張ったお陰でお魚さん達は元気に泳いでいる。
良い事をした後は、気持ちいいなあ~と思って、その日は自宅に帰っていった。
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それから一年後。
久しぶりに、あの沼を散歩コースに選んだら、沼がスゴイ事になっていた。
なんか泳いでいるお魚さんが50cmクラスのお魚サイズになっていたのだ。
そして、以前より繁殖したようで以前テレビで見た池にいる鯉のようだ。
むー。お魚さん達はやっぱりきゅうくつそうに泳いでいた。
あぁ、カワイソウ……。
ナミは、あれから毎日魔法を使ったりして魔法の腕も魔力も一年前に比べて二倍くらいに増えていた。
だから、私一人で作ってみようと思った。
まずここいらの木を切って、溝を作ってと……。
一週間ほど、ここに通ってここいらを整地した。
さらに魔法でたくさんの水を作った。
一回じゃ魔力が足りないから、三回ほど三日続けて水を作った。
以前に比べて面積が5倍くらいある池を作った。
うん♪お魚さん達がイキイキと泳いでいる。
それを見たナミは、頑張った甲斐があったなぁ~と気分良くして帰っていったのだった。
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そして一年後。
やっぱり久しぶりに、あの沼を散歩コースに選んだら、沼がスゴイ事になっていた。
泳いでいるお魚さんのサイズが1mくらいの大物が、あちらこちらで泳いでいた。
時折見える、小さなお魚さんは子どもだろうか……?
その風景を見て、やはりナミはこう思った。
すごく、カワイソウ……。
ナミは、家族に話した。
そしてみんなの協力を経てこの辺りを開拓する事にした。
さすがに自分一人でこの規模の開拓は無理と判断したのだ。
そして、湖を作った。
湖を作るのにおよそ五年の歳月を費やした。
うん!お魚さんがイキイキと泳いでいる。
ナミ達は、満足した。
そして、こうも思った。……これ以上は勘弁して!
幸い、お魚さんの成長も1mくらいで止まってくれた。
ただし湖の主は、5mくらいの巨大魚だったが……。
とりあえず、お魚さんも含めて満足のいく結果になったのだ。
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【後日談】語り手……近所の住人。
この湖の名前は『ナミ湖』と云う。
伝説のラミア、ナミが作ったとされる湖だ。
このナミと云う伝説のラミアは、一夜にして作ったとされる湖さ。
この湖のお陰で、この辺り一帯の土壌はすごく豊かだ。
辺りは緑に覆われ、草花が多い茂り、この付近で生きる動物達も恩恵を受けている。
その為、ここいらでしか咲いてない花なんてあるくらいなんだよ。
そしてこの湖で獲れる泥鰌もウナギ並みに大きく、とても美味しい。
もちろん、魚もいっぱい獲れる。
ただ、自分達が食べる以上に獲ろうとすると『おいてけ~、おいてけ~』と声がしてそれを無視して持ち帰ると一年以上良い事ないという言い伝えがあるので、みんな家族の食べる分までしか持って帰らないから、この湖に魚はいっぱいいいる。
俺?当然、自分達の分しか獲らないさ。
この湖に感謝しているから当然だよな!
こ……怖くなんて、ないんだからね!
お読み頂きありがとうございます。




