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異世界育成マニュアル【魔法少女を育てよう】  作者: パステルカラー
第四章 お出掛け編
33/81

第33話は、ネコミミさん達との再会。

よろしくお願いします。



■ ■ ■ ■ ■



 道中で道連れとなったネコミミさん一家と村の門の近くまで来た。

 そして門で私の姿をネコミミさん(ラグとベル)が確認すると、顔をくしゃくしゃにしながら、凄い勢いで走ってきた。



『太郎せんせぇ~!』



 門番の格好をしたラグとベルが私に結構な勢いで抱きついてきた。

 もうラグとベルもすっかり成長したので、その勢いで私が後ろへ倒れこむ事になった。

 二人ともオンオンと泣いていたが、少し経つと落ち着きを取り戻してスクッと立ってこう言った。



『ブルーキャットの村へようこそ!』

「ブルーキャットの村?」



 今まで、ネコミミさんの村と呼んでいたのだが、実はブルーキャットという名前だったとは……。

 そういえば、この世界の地名……いやこの世界って何と云う名前か気にした事もなかった。

 そういえば、お世話になっている管理者のお爺さんも、そのままだし……。

 むむっ。これってかなり私に問題があるのでは。

 ただ、お爺さんの名前を聞くという発想がなかった……。

 ふむ。何かこれには理由があるかも知れないな。

 ……と、それはさておき、



「この村ってブルーキャットっていうんだね?恥ずかしながら知らなかったよ」

「はい、太郎先生が出て行ったあと、先生の苗字が青木というのを聞いて、先生との大切な思い出を一つでも忘れないように、先生の苗字の一部を貰ってこの村の名前にしました!」



 ……と、ラグが少し自慢げに言った。

 嬉しいのだけど、恥ずかしいな、これは……。

 ただ思い出を大切に思ってくれているのは純粋に嬉しい。

 ただ、異世界でも青ってブルーって言うのかな。

 ここは、深く考えてはイケナイな。



【ベル】「……と、いうかラグ。お前が決めたような感じで言っているが、この名前ってオリエ姉さんが考えたんじゃん!」

【ラグ】「まあ、そういうなってベル。おっ、恵ちゃんも居たんだね。おかえり」

【恵】 「居たんだね……私っていったい……」



 恵が軽く落ち込む。

 そりゃ、いくらなんでもこれはヒドイよね……。

 半泣きになった恵を見てラグは焦る。

 みんな、ラグに対して非難の目をしている。



【ラグ】「冗談だって。俺達にとって恵ちゃんは、妹みたいだからな。忘れるはずないだろ?」

【ベル】「そうそう、恵ちゃんって結構お転婆だから、ケガしていないか皆、心配していたんだから」

【恵】 「え~。そんな事ないよ」

【ラグ】「まあとりあえず、お帰り。元気そうで良かったよ」

【ベル】「そういえば、先生こちらの方達は?」

【太郎】「うん。ラミアさん一家とハーピーのちびっ子達は、今一緒に住んでいる家族といったところかな。で、恵の横にいる女の子は、お紺と云って、まあ恵の妹ってところかな。……で、こちらのネコミミさん達は、この村に移住しようかと考えているみたいだね」

【ベル】「ラミアさん達もハーピーちゃん達も、いらっしゃい。歓迎するよ。お紺ちゃんこんにちは。そして、ネコミミさんのご一家、ようこそ。ブルーキャットの村へ」



 ラグとベルが歓迎の挨拶を言い、これから私達を村に案内すると云う……というか、門番が居なくなって大丈夫なのか?



【ラグ】「大丈夫ですよ。今日の村への来客は、太郎先生が初めてですし……」

【太郎】「それなら、ここで門番しているくらいなら、他の仕事を考えてみたら?それに最近、この村に人が見に来ているんでしょ?」

【ベル】「いや~、本来の仕事は木こりで、その仕事はもう明け方に終えたから、趣味の門番をやっているんですよ!」

【ラグ】「そういえば村に最近、人が見に来るって良く知っていますね。でもまあ、最近見に来るといっても二日か三日に一家族が来るかどうかなのですよ。たぶん移住されるのも、早くて三ヵ月後くらいって話ですしね」

【太郎】「そうか、仕事が終わってから皆の為に門番なんだな。ふむ……勤勉なんだね。そして、人が集まるまでもう少しかかりそうだね」



 私は、一応彼らを傷つけまいと、勤勉と言ったのが、果たしてこれは本当に勤勉なのか疑問が残る……が、一応村の為になっているので問題ないかな……。

 ただ一つ言える事は、この子達はこれで、彼女が出来るのだろうか……という、一抹の不安が私に芽生えた。あとで、この子のお姉さんであるオリエ君にでも相談してみるか。



■ ■ ■ ■ ■



 ……と、門で騒いでいたら、その声につられて、他のネコミミも子達が近寄ってきた。



『あ~先生と恵ちゃんだ~!』

「オリエ姉さんや皆を呼んで来なきゃ~」



 その声を聞いた子達が『先生って太郎先生か!』や『恵ちゃんもいるの~』などの声がして、皆家から出てきた。

 半分くらいの子達が何も履かないで、泣きながらこっちに駆け寄ってくる。

 その光景を見て、お紺やラミアさん一家、そしてネコミミさん一家はビックリしている。

 私と恵以外は、いわゆる青春ドラマを現実に見ているのである。

 ただし、最終回の残り五分だけを今日初めて見たといったところだ。

 先程、少しダイジェストで説明しただけだったのだが……あれ?ネコミミさんのお父さんとお母さん、すごく感動している。

 そして、ラミアさん達も泣いている……の……?

 異世界の住民は、感激屋さんですね。

 そんな感じでみんな集まって泣いた。



 やっぱり気になってすぐに会いにきて良かったよ。

 そして、もっと早く来れば良かったよ。

お読み頂きありがとうございます。

次話は、6/20 11時の予定です。

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