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異世界育成マニュアル【魔法少女を育てよう】  作者: パステルカラー
第三章 森の魔物
28/81

第28話は、お紺の人化と新たな家族。

よろしくお願いします。



■ ■ ■ ■ ■



 ラミアさん一家と生活して、一年二ヶ月程が過ぎた。

 毎日、ちびっ子達と色々勉強しながら生活をしている。

 ちびっ子達の勉強というのは、主に道徳と魔法を覚えている。

 あと、お母さんからは、狩りや泳ぎなどを習っている。



 道徳は、謂わば人として大切な事で、ラミアは魔物だから必要ないじゃないかと云われるかもしれないが、仲間内でのコミュニケーションなど必要と思われるので教えている。ただ、昔話や御伽噺の延長にある事なので、無理なく受け入れられている。

 他に、小学校レベルの算数を教えている。

 獲物を獲って仲間内で分けたりするのに便利と思われるからだ。



 他に魔法の勉強としては、初級の火魔法と中級レベルの水魔法を勉強している。

 火魔法は、肉や魚を焼いたりするのと、身体を温める為に必要だからである。

 また水魔法は、木に水をあげたり、また植物を育てたり(スライムを育てたり←植物?)するのに便利な魔法である。他にも火の魔法を組み合わせて、お風呂に入る事が出来るので各自、一生懸命、勉強をしている。



 ……で、最後はお母さんに、この森でラミアとして生きる術である狩りや泳ぎなどを習っている。

 上記二つに関しては、お母さんも一緒に習っているが、これだけはお母さんが厳しく教えている。

 この狩りというのは、動物を狩るというのも一つだが、他にこの森にある薬草や毒草、食べられる植物や食べてはいけない物など、お母さんが親に習った事を子ども達に伝えている。

 だから、どうしても厳しくなってしまう。

 子ども達も、それが分かっているので弱音を吐かずに一生懸命に聞いて、行動をしている。



 その他に、晴れた日の午後は、理想の森作りをみんなで行っている。

 上の三つ(勉強・魔法・狩り)に関しては、午前中と夕食後にやっているので特に問題はない。

 これを見ると頑張り過ぎじゃないかと思われるが、恵も含め(恵は狩りはしないけど)楽しんでやっている。この世界に関してあまり娯楽がないのが原因かもしれない。

 その理想も森作りも、ラミアさん達が水魔法で習得したウォーターカッターなどを駆使して、飛躍的にペースが上がっている。




■ ■ ■ ■ ■



 次に、恵だがこの一年と二ヶ月で風の初級魔法を覚えた。

 ネコミミさんの時に火と水の初級魔法を覚えたので全部で三種類の魔法を使えるようになった。

 本人は、頑張って魔法を覚えているようだが成果はイマイチのようだ。


 特に恵は、魔法より竜としての強力な特技を覚えた。

 火を吐くブレスと氷を吐くブレスだ。

 現在使える恵の魔法の威力を一とすると、ブレスの威力は百をも超える。

 ……魔法少女の道は険しい。



■ ■ ■ ■ ■



 ……で、メインがこちらだ。

 本日、とうとうお紺が人化に成功した!

 人化に成功したと同時にシッポが五本に増えていた。

 シッポが五本になると九尾狐の世界では一人前と認められるらしい。

 本来九尾の狐は、修行などをしない天才肌タイプなのが一般的との事だ。

 九尾狐など沢山の魔力を持った神獣や魔獣は、気が向いたら術を使用する程度なので、シッポが一本増えるのに普通なら何十年もかかるとの事。

 ただお紺には、自分の布団を持ちたい(重要)という大きな?願望と、早く人化してみんなと同じ事をやりたいという願いがあり、毎日毎日術を覚えられるよう頑張ったのでこのような短期間でシッポも増えたみたいである。

 ただ当人は、シッポが増え一人前と認められたより、みんなと同じになれたのが嬉しいらしい。



 そのお紺だが、人化したら茶色のおかっぱな髪の七歳くらいの女の子になった。

 勿論、巫女姿である。

 これで大きく一歩、魔法少女に近付いた訳でもある。

 ラミアのちびっ子達や恵も我が事のように喜んでいる。



 今日はお紺が人化したので理想の森林計画はお休みだ。

 その日は、みんなでお祝いをした。

 そして、その日から恵と同じ部屋だけど、布団は別々になった。

 恵は、少し寂しかったみたいだけど、お紺は安眠が約束されたのでとても嬉しそうである。



■ ■ ■ ■ ■



 お紺が人化してから半年後に新たなちびっ子を保護した。

 更にその三日後に魔獣の子を保護した。

 始めに保護したのは、有名な鳥の魔物さんであるハーピーのちびっ子達である。

 まだ卵から孵って間もないみたいだ。

 その親御さんだが、どうやら病で亡くなってしまったみたいだ。

 巣の近くに亡骸があったので、手厚く葬った。

 これも何かの縁だと思い、亡き親御さんの代わりにしっかり育てる決意をする。



 そのちびっ子達の命も病で風前の灯だったが、救急箱に入っていた『あの万能薬』で一命をとり止めた。

 そのハーピーのちびっ子は、全部で三人いる。

 ハーピーもメスの種族である。

 このままだんだんと、私の立場が弱くなりそうな気がしてならない。

 私の昔の知り合いが、妻と娘三人の女系家族で肩身が狭いという愚痴を会うたびに耳にタコが出来るくらい聞かされた。

 恵とお紺、ラミアさん一家五人、そしてハーピーのちびっ子三人で計十人が女性である。

 ふむ……まだ子どもばかりで大丈夫だが、この先を考えると少し心配になってきた。

 女三人で姦しいと云うが、十人もいるとどうなるか……。



■ ■ ■ ■ ■

 


 その三日後に保護をした魔獣の子は、ホワイトバンビという白い鹿の魔獣である。

 この子は、開拓していたらヨタヨタ現れ足取りが覚束なかったので保護をした。

 本来ならまだ親鹿と一緒に行動している筈なのだが、親鹿のいる気配が全くしない。

 そのような訳で保護をした訳だ。

 親鹿が現れれば帰すつもりだが、残念ながら多分ないだろう……。

 そんな気がする。

 そのような訳で私達の家族に迎え入れる事になった。



■ ■ ■ ■ ■



 ……で。

 少し大所帯になってきたので、家をネコミミさん達と暮らしていたように木造のアパートにした。

 以前は、私と恵が同じ部屋で過ごしていたが、今回から恵とお紺を一緒の部屋にして、私はホワイトバンビと一緒の部屋に住む事になった。

 そして、ラミアのお母さんはハーピーのちびっ子達と。

 ラミアのちびっ子達は、各自部屋を持つことになった。

 ラミアのお母さんは、自分の子ども達の成長を喜ぶのと、ハーピーのちびっ子達のお世話が出来るので嬉しそうだった。最近、自分の子ども達が親離れしつつあったので寂しそうだったので一石二鳥だ。

 ラミアのちびっ子達も丁度、自分の部屋が欲しくなる年頃なので、とても喜んでいる。



 ……と、まあそんな訳で、この森で生活して約二年。

 新しい家族も増え、私達の環境も少しずつ変化した。

 今後も少しずつ変わっていくと思うが私は、それが楽しみだ。

お読み頂きありがとうございます。

次話は、6/8 11時予定です。

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