第27話は、森での生活。おまけ付き。
宜しくお願いします。
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ラミアさん達と生活して半年が経った。
家での探検が終わった今では、ネコミミさん達と同じで午前中はテレビを見て生活に必要な知識を学んでいる。
……で、午後から天候の悪い日以外は、森を探索したり理想の森作りをしている。
とりあえず、探検の最中にスライムが居たので各自一匹ずつ飼っている。
私と恵、そしてお母さんとちびっ子達で計七匹いる。
お紺は、スライムを飼えないよ。
飼った目的は、魂の救済を少しでも良くしたいからね。
そして、生き物を飼う事によって、命の大切さ等を知ってもらいたいからね。
ちなみにその中の一匹(恵所有)は、天に召され、恵が半日近く泣いていた。
このスライムは、恵が飼ってというか拾って二ヶ月くらい名前をつけて可愛がっていたものだ。
命名『スーアちゃん』である。
とても懐いて、毎日一緒にお風呂に入っていたね。
勿論、死は寿命によるもので、間際には魂の色が鮮やかな桃色になっていた。
そのような訳で、恵だけはスライムが二匹目になる。
命名『スーアちゃん弐世』だ。先の名前は読めた!
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みんなで森を探検しながら、森の作り方の本を読んで実践している。
先ずは、自宅周辺の木を間引く事から始める。
この森は、人の手が入っていないので、何というかジャングルのようである。
このジャングルのせいで、木の実やら薬草やらが実りにくく、動物達も生きにくくなっている。
そんな訳で、少しでも動物や植物が育ちやすい環境を整える必要がある。
先ずは、住んでいる周辺から。
一歩ずつ歩んでいきたいと考えている。
木の切り方や倒し方などは、テレビを見て覚えたから実践あるのみだ。
ラミアさん達は、基本魔物だけあって、力はとても強い。
ちびっ子達も力だけをみれば、そこいらの大人と同じくらいある。
ただ、コツなどが当然掴めないので作業などは、遅いけど慣れていけばいいことだ。
とりあえず、身体に覚えさせる為にも木を伐採していく。
現在、木を伐採する道具として使っているのは、斧である。
森に『コツーン、コツーン』と木を切る音が鳴り響く。
北さんのあの歌が懐かしい。よくカラオケで歌ったものだ。
ちびっ子達も一生懸命に木を切っている。
木を切っていくと、隙間から日光が差して、薄暗い森を少し明るくしていく。
今日は、各自二本木を切って終了した。
まだ、身体も出来ていない事だし無理はさせない。
おやつを食べ、のんびりと行う。
……で木は、乾燥させ木材として活用する。
と云った感じで午後の作業を終える。
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夕方になったら、作業を終えて自宅に戻る。
そして、順番にお風呂に入る。
その後、森で見つけた山菜類を使って夕飯をラミア母さんとちびっ子達で作る。
ちなみに朝は、私とラミア母さんで作る。
昼は、ラミア母さんと恵で作る事になっている。
夕飯が出来たら、みんなで今日の一日の出来事を話ながらみんなで仲良く団欒する。
夕飯が終わったら、寝間に行って、太郎に絵本を開いて貰って御伽噺などのお話をして貰う。
ラミアのお母さんも、そういう話に興味があるらしく、ちびっ子達と一緒に聞いている。
みんな女の子だけあって、お姫様のお話が大好きみたいだ。
三十分くらいお話をして、一時間くらいその話の事をみんなで会話する。
その後、どうなったのだろう?とか。何でそんな事をしたのか等。
結構、話が途切れない。
そんなこんなで、時間を見ると八時くらいになっているので、就寝する。
おやすみなさい。
また明日も、一日頑張ろうね。
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おまけ
【お紺の一日】語り手:パステルカラー
朝、恵と同じ布団から起きる。
恵は寝相が悪いので、蹴られて布団から出た時に起きるというか起こされる。
そして思うのだ。『早く人化したい……』と。
朝食は、太郎の後ろで食べるのが気に入っている。
背中をくっつけて食べるのが最近のお紺のブームである。
朝食のメニューは決まっている。ご飯に焼いた油揚げを切った物を食べる。
醤油にお砂糖を混ぜたちょこっと甘めのタレを浸してある。
お紺にとって至高の一杯である。
ちなみにこれを考え出したのは太郎である。
キツネには、油揚げが一番だと。
この考えは、間違ってなかった。
毎朝、これを作ってくれる太郎に感謝している。
この絶妙な味付けは、ラミアのお母さんにも恵にも出来ない。
太郎だけの秘伝みたいなものだ。
ちびっ子達が一度作ったら、ただショッパイだけの悲しい食べ物になっていた。
お紺のテンションは、ダダ下がりである。
その日は、一日ろくな事がなかった。
それ以来、朝だけは太郎に作って貰いたいと切に願っている。
まあ、願っているだけだが……。
午前中は、テレビで変化の術を見る。
早く恵から独立(自分の布団を持ちたい)をしたいので、結構必死に勉強している。
昼食は、みんなと同じご飯を食べる。
ただ、お紺にだけミルクが付く。
何でも早く大きくなるようにだとか……。
午後からは、森の中を探検。
ちなみに、探検の最中にスライムを見つけたのは全部お紺だ。
なので飼ってはいないが、スライム達は、お紺の事を恩人だと思っている。
時折、出没する熊や狼などは、お紺が教育をする。
……で、三時に、おやつを食べに戻る。
そしてまた探検。
夕方になったら、みんなの所に戻って家に帰る。
そして、恵と一緒にお風呂に入る。
本当なら、太郎やラミアのお母さんに洗って貰いたい。何故なら、丁寧に洗ってくれるから。
ただ、ちびっ子達は論外だ。
あの子達は、洗うと遊ぶを勘違いしているから……。
仕方ないから、恵で妥協している。
夕食は、みんなで食べる。
勿論、お紺は定位置である太郎の後ろだ。
何と言っても、落ち着いて食べられるのがいい。
ラミア母さんは、立ったり座ったりして落ち着かないし。
ちびっ子達は、論外。
恵の所でもいいんだけど、ちびっ子の近くだから落ち着かない。
結局、あまり動かない太郎の後ろが一番であると見極めた。
そして、食後に少し変化の練習とスライム君達とお話をする。
で、就寝。
結構、お紺も充実した一日を過ごしている。
……えっ、スライム君達と何を話しているかって。
私も知りません。今度、お紺に聞いて下さい。
お読み頂きありがとうございます。
次話は、6/7 11時予定です。




