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異世界育成マニュアル【魔法少女を育てよう】  作者: パステルカラー
第三章 森の魔物
26/81

第26話は、お家を探検。

宜しくお願いします。



■ ■ ■ ■ ■



 ラミアさん達との異世界生活が始まった。

 受け入れ初日からちびっ子達は、私にすぐに懐いた。

 食事効果かな……と思ったのだが、恵曰く『遊んでくれる人が増えた』とちびっ子達の認識らしい。

 それにしても、この世界の人達は、みなたくましい。

 普通なら、トラウマになりそうな出来事があったにも関わらず、すぐに意識を変え前向きに歩き出す。

 私には、とても出来ない芸当だ。

 昨日は、結局食事した後、お母さんと話して風呂に入って寝てしまった。

 風呂に関しては、ラミアさん達は大いに興奮していた。

 ラミアさんの種族は、体温調節が難しいのでお風呂に入ると体温が上がって、細胞が活発になるそうだ。……なので、お風呂に入ると疲れも取れやすくなり、成長にも良い影響があるとの事だ。

 それで、お風呂に入った後、肉体的にも精神的にもリラックスしてすぐに寝たという訳である。




■ ■ ■ ■ ■




 翌日は、家の中を案内する日にした。

 現代人なら、一時間もあれば全て済んでしまうが、ラミアさん達は何もかもが全て目新しく感じられるようだ。

 一つ一つを説明して、どのように使う物か、という事とやってはいけない事を順々に教えていく。

 すぐに飽きてしまわないかと不安だったが、ちびっ子達は目をランランと輝かせながら、それに触れ使い覚えていっている。

 あまりに夢中になっているので、途中途中に休憩を挟むようにしている。

 その休憩中も、色々と質問をぶつけてくる。

 ちびっ子達の質問は、なかなか鋭いというか、根っこの部分を指摘してくる事が多い。

 こっちが全部知っているつもりだったが、結構わかっているつもりで答えられない事が多いのに気付いた。

 そういう時は、皆で考える。

 皆で考えてわかる時もあるが、わからない時も当然ある。

 ただ、全部答えを出さないといけないという訳でもない。

 わからなければ、わからないままでもいいと思う。

 無理に答えを導き出すという事は正確のいびつにもつながる。

 生物は、万能でないのだから自分なりに一生懸命に考えてわからなかったら、人に聞いて、それでもわからなかったら、頭の隅にでも置いて、いつか分かる時がくればいいじゃないかと云った感じで教えている。

 結局、最後までわからなくても考えたという事が大事であり、それによって違う事がわかるきっかけになるかもしれないと云った具合である。

 そんな感じで家を見て回っているから、当然捗らない。

 ただ急ぐ必要もない。

 何なら一ヶ月かけても良いと思っている。



 一生は、長い。



 そのうちの一ヶ月くらいなら良いのではないかと思っている。

 それが、今後の人生に通じるなら、この一ヶ月はとても有意義ではないのだろうか?

 ……と、そう思い、ちびっ子達の質問には自分の知識を総動員して答えている。

 恵も、ちびっ子達に質問され右往左往しながら、一生懸命に答えているのが微笑ましい。

 お紺も、恵の傍で一緒というかクルクル周って彼女なりに考えているようである。

 当然、クルクルずーっと周って、最後に目を回しているが。




■ ■ ■ ■ ■




 そのような感じで一ヶ月は、瞬く間に過ぎた。

 『光陰矢のごとし』である。

 この一ヶ月で、ちびっ子やお母さんラミアとも随分と親密というか家族になれたと思う。

 朝から晩まで、家のあらゆる所を見て触って、聞いて考えて、それこそ一日中学習した。

 お母さんも一緒に質問したり、料理を作ったりとやる事がいっぱいである。

 人生において、濃厚にそして集中して学ぶ時間というのがあるのだとしたら、今がその時かもしれない。この時に沢山学べば、将来において立派な糧となる筈だ。これは、ラミア一家だけでなく、ここに居る全員が当てはまる訳だから手抜きなど出来る筈がないと私は思う。



 みんなこの一ヶ月、一生懸命に考えて覚えたので、ちびっ子達が少し前よりも落ち着いた。

 元気な事は、前以上に元気だが、ちょこっと違うのだ。

 先ずは、自分で考えてみると云う事を覚えたのだ。



 人に聞く前に、自分で考えてみる。



 これだけで、随分と変わったのだ。

 時折、すごい勢いで勘違いしている事もあったが……。




■ ■ ■ ■ ■



 ラミアのちびっ子達が家を探検していた。

 ラミアさん達とお紺のおトイレは、ネコ砂っぽい所であり、私達は水洗トイレである。

 私は、ラミアさん達に自分達のトイレの説明をするのをうっかり忘れてしまったのだ。

 それが今回の事件につながったのだ……。



■ ■ ■ ■ ■



「ねぇ、ここって何だろう?」



 と、洋式トイレに入り、ナミが言う。



【アオ】「何か狭いね」

【アナ】「でも、良い匂いがする~」

【キン】「この下に貯まっている水って飲むの?」

【ナミ】「あれ?ボタンがあるよ!」

【キン】「押してみよーよ」

【アナ】「だいじょうぶ~?」

【アオ】「きっと大丈夫!……だと思うよ」

【キン】「押すよ~」



 ノズルが出て『シューっ』とお湯が出る。



【ちびっ子達】『おぉ~』

【ナミ】「飲めるの?」

【アオ】「飲んでみる!」



 アオが顔を近づけて飲んでみる。



【アオ】「ふつう……」

【キン】「飲むんじゃないと思う」

【ナミ】「じゃあ、何だと思う?」

【キン】「顔を洗う……?」

【アナ】「やってみる」



 アナが顔を洗う。



【アナ】「ん~。イマイチ、洗いにくい」

【ナミ】「他にもボタンがあるよ」



 ムーヴのボタンを押す。

 上下にお湯が出る。



【アナ】「鼻にお湯が入った」

【アオ】「大丈夫?」



 そこへ、太郎が用を足しに来る。



【太郎】「トイレ、トイレっと!」

【ちびっ子達】『パパ!』

【太郎】「おぉ~!どうした?」

【ナミ】「ここって何する所?」

【太郎】「トイレ……だけど……」

【ちびっ子達】「トイレ~?」



 トイレは、水浸しで大変な事になっている。



【太郎】「ところで……、何でこうなったの?」

【ナミ】「ボタンを押したらお湯が出たの」

【アオ】「で、お湯が出たから、私が飲んでみたの!」

【太郎】「えっ……、飲んじゃったの?お腹痛くない?大丈夫?」

【アオ】「うん大丈夫!普通だったよ」

【キン】「その次に顔を洗ったの」

【太郎】「えっ……、顔を洗っちゃたの?」

【アナ】「私が洗ったの。お鼻が痛くなったの!」

【太郎】「鼻が痛い!ちょっと大丈夫?」

【アナ】「お鼻にお湯が入った時痛かったけど、今は大丈夫!」

【太郎】「そっか……、良かった。とりあえず、ここから出ようか」

【ちびっ子達】『うん!』



■ ■ ■ ■ ■



 とりあえず、ちびっ子達をトイレから出す。

 私は、用を足したいのだ!

 思いの外、時間が経っているので私の膀胱は切実なのだ。

 ちびっ子達を風呂場に移動させ、トイレットペーパーで濡れた床を拭いて用を足す。

 掛かった時間は、一分三十秒。

 私は、洋式のトイレは小であろうと座る派だ。

 立ってすると、飛沫しぶきが跳ねるので、座ってするように、昔家内に云われた事があるのだ。

 それ以来、座る事にしている。

 用を足して三分程、疲れて動けなかった。

 三分後、ちびっ子達を待たせているので壁に手をついて体を起こした。



「ふぅ~……」



 大でもないのに、ひどく疲れた。

 さて、ちびっ子の所に行くとしようか……。



■ ■ ■ ■ ■



 ちびっ子達は、お風呂場で座って話していた。

 なんか皆、洋服が濡れてビチャビチャだ。

 このままだと体調を壊してしまうかもしれないので、お風呂に入る事にする。

 ちびっ子達の洋服をタンスから持ってくる間に、服を脱いでおくように言う。

 そういえば、ちびっ子達とお風呂に入るのは、初めてだ。

 普段は、お母さんが入れているからな。

 さてと、皆でお風呂に入るかな。

お読み頂きありがとうございます。

次話は、6/6 11時予定です。

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