第20話は、スパストーリー。
宜しくお願いします。
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【コトリとキムルとシャルSIDE】語り手……キムル
※コトリとキムルとシャルは、男の子です。
太郎先生が街を出て一ヶ月が経った。
先生が居なくなってとってもつまらない!
むー。
太郎先生は、いつも色々な事を教えてくれた。
そして、色々な場所に連れて行ってくれた。
海・山・川・湖・高原など、色々連れて行ってくれた。
そして、そこで色々な事を学び、遊んだ。
それだけじゃない。
テントでも色々、教えてくれたし、色んな話もしてくれた。
すげー楽しかった。
その中でも、俺達三人は色々な所で物を作ったりするのが大好きだった。
キャンプファイヤーを組み立てたり、飯ごう炊飯で竈を作ったり、竹馬やブランコ・シーソーを作ったり、先生と一緒に物を作るのが面白かった。
特に、最後にみんなの家を作るのは、非常に面白かった。
家の土台を作ったあと、トイレや台所の水回りを作ったり、花壇を作ったり、全部楽しかった。
すげー大変だったけど、出来上がって住んでみると嬉しさがハンパない!
いつも住んでいるテントに比べると全然だが、その前に住んでいた家と比べると雲泥の差がある。
出来上がると、先生が旅立っちゃうんだなあと思って最後悲しかったけど、先生とメグタン、そして皆で作った家に住んでいると、不思議と寂しさより楽しかった思い出が蘇えり、心がポッポする。
仕方ない。
自分で面白い事でも探そうかな……。
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あぁ……、メグタン?
何か魔女っ子には、使い魔が必要不可欠だ!とか云って、近くの森からキツネっぽい何かを拾って飼い始めたけど、そのキツネって何か雰囲気が違うんだよ……。
飼い始めた当初は、シッポが一尾だったのに、今三尾あるんだよな。
それに、威圧感があるというか何というか……。
まぁ……、メグタンと太郎先生には、懐いているから問題ないいんだけどさぁ……。
とりあえず、見た目は可愛いからいっかー。
『可愛いは正義』ってみんな云うからな。
そうそう、この間暴れていた熊をシッポでビターンとやっつけていたよ。
熊はその後、大人しく森に帰って行ったな。
キツネって強いんだな……
森の中でキツネに会ったら、皆に注意するように云っておこう。
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それから三年後。
俺は、大工になったんだ。
コトリは、農家に。
そしてシャルは設計士になった。
俺は、作るのが大好きだったから自然とその道に入った。
キムルも作るのが好きだったが、その中でも食べる物を作るのが好きみたいだ。
作るというより、育てると云う言葉が当てはまるけど。
そしてシャルは、村全体を設計にする事に興味が湧いたみたいだ。
……で、俺達は姉ちゃん(ネコミミ少女)の家を作る事にした。
シャルが屋敷を設計して、俺が中心になって屋敷を作って、キムルが屋敷の庭を造るといった具合だ。
姉ちゃんには、色々世話になったからお礼として屋敷を作る事にしたんだ!
へへーん!
偉いだろ!
シャルがテレビで見た屋敷と俺達が住んでいたテントを手本として設計図を書いた。
次に、それを見ながら全員で屋敷を作ったんだ。
流石に俺一人じゃ無理だしよ。
だいたい屋敷を作るのに三ヶ月かかったな。
そして内装に一ヶ月で、道具を作ったりして計、半年近くかかったな。
……で、その後にガーデニングをコトリ中心にしたんだよ。
何か庭が薔薇だらけになったけど、姉ちゃんがそういう風にしたいんだってさ。
俺だったら、美味い果物なんかにするんだけどな。
姉ちゃん、薔薇って食えないぞ!
……って言ったら、叩かれた……暴力反対だ。
そして、屋敷をプレゼントしたら、嬉しくて泣いていたな。
鬼の目にも涙ってや……いてーよ。
また叩かれた。
まあ、喜んでくれて良かったよ。
俺もこの屋敷を作る際に色々勉強になったしさ。
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【後日談】語り手……近所の住人。
この街の説明も今回で最終回だ。
みんな、応援ありがとう!
……で、今回はこの町並みを紹介しようと思う。
この街は、以前小さな村だったと云われている。
現在では、王都を凌ぐというか凌駕している町並みだ。
そしてこの街は、考えに考えて作られている。
区画ごとに区切られており、城門からすぐ出ると大農園が広がっている。
以前は、城門内にあったが、発展していくうちに城門の外になったみたいだ。
そして、その大農園を囲むように大きな用水路がある。
その用水路に橋が架けられており、それによって獣に田畑が荒らされないようになっている。
その用水路の近くに、ちょっとした池が幾つかあって、そこに色々な植物が自生して野生の動物にも恩恵があるように作られている。
城門内に戻って、この街には、一定の距離毎に案内図もあり、迷わないようになっているし、どの家も陽当たり良好になっている。
そして、どの家にもトイレがあり風呂もある。
特に風呂は素晴らしいものだ。
足を伸ばして入る事が出来、しかもどの家も温泉を引いているのだ。
何でも、この街を作った人達が温泉を引くのに執念を燃やしたとも云われている。
そのお陰もあり、現在の住民はその恩恵に預かっているという訳だ。
『ありがとう』と心から云いたい。
その温泉効果もあり、街はどんどん発展していっている。
ただ、温泉にネコってありなのか……?
ネコミミ族なんだけどね……。
お読み頂きありがとうございます。
次話は、5/11 11時予定です。




