表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界育成マニュアル【魔法少女を育てよう】  作者: パステルカラー
第二章 ネコ耳ストーリー
19/81

第19話は、スクールピース物語。

宜しくお願いします。


■ ■ ■ ■ ■




 【スノーとシャムSIDE】語り手……スノー



 ※スノーとシャムは、女の子です。



 太郎先生が街を出て一ヶ月が経ちました。

 みんな、当初別れた時よりも落ち着いてきました。

 だんだん暑くなってきましたね。

 そういえば、太郎先生とみんなで海に行ったのは、この季節でしたね。

 先生が午後、急に



「これから海に行くぞー」



 って云って、即出発。笑

 もう、みんな『何、なに?』ってアタフタして。

 私も何もわからないまま歩いていました。笑

 まさか、それから一ヶ月もかけて海に向かって歩くなんて思ってもみませんでした。

 その日から朝の時間は普段の日課で、午後から海に向かって歩いてました。

 違う景色……。

 違う空……。

 毎日がとても楽しく新鮮でした。

 雨の日は、流石に一日のんびりしていましたけどね。

 その雨の日は、みんなで海の予習をしていました。

 その予習ですか?

 海に着いたら、何をしたいか考えるんですよ。

 テレビを見て、予習をしてたりしながら楽しかったですね。

 あと雨の日は、午後から少し泳ぐ練習もしましたね。

 先生のテントは、プールという温かい大きな水溜りのお部屋にもなるんですよ。

 浮く板や浮く輪っかを使って、みんなで泳いでましたね。

 初めは、歩く事からスタートして最後は、どうにか少し泳げるようになりました。

 ちょっと泳げるようになった所で海に到着。

 そしてその年の夏は、ずーっと海で遊んでましたね。

 私のとっても楽しく忘れられない思い出です。



■ ■ ■ ■ ■



 恵ちゃんですか?

 そうですね……恵ちゃんって魔法より、運動とか身体を動かすのが得意でしたね。

 先生が出て行かれる前にみんなの家を作った際、初め風の魔法で木を切ろうとしてダメで、私達がどうするのかなーって見ていたら、素手で木を『スパッ!』と切っていましたね。

 まだ9歳になったばかりの女の子が木をなぎ倒していくのって爽快ですね!

 痺れちゃいました!魔女っ子メグタン最高~!



■ ■ ■ ■ ■



 それから十年後。

 私とシャムは、学校の先生になりました。

 あれから、この村は徐々に大きくなっていきました。

 ただここに来る人達は、文字を読んだり書いたり出来る人の割合がとても少なかったのです。

 下手をしたら、数字を読めない人もいました……。

 私は、この現実に直視したのと同時に、太郎先生と出会わなければ、私達も同じだったんだと気付き、ゾッとしました。

 このままじゃ、いけない!

 そう思った訳です。

 シャムも同じ事を考えていたらしく、私達は太郎先生と同じように、この村に来た人達に勉強や物事を考えるすべ、そして将来の夢を持って貰えるような場所を作る事にしました。

 そして、私は主に子ども達を教え、シャムは大人の人達を教える事にしました。

 太郎先生から教えて貰った事とテレビの授業で学んだ事を織り交ぜながら、教えていきました。

 とても大変な事ですけど、太郎先生と同じ道を辿っているんだと考えると、自分に誇れる私がいます。

 先生、私はあなたの自慢の生徒でしたか?




■ ■ ■ ■ ■



 【後日談】語り手……近所の住人。



 この街には、大きな学校が二つある。

 初等教育学校と高等教育学校というものだ。

 この学校には、誰でも入学する事が出来るのだ。

 親のいない子や違う所に住んでいてこの街に来て住む所やお金のない人には、無料で寮を提供され、食事とそれから卒業したら、幾つかの職業を斡旋して貰える。

 ちなみに初等教育学校は、文字や簡単な計算と童話を通じての道徳を習う学校だ。

 ただこの学校は、子どもだけじゃなく大人も習うことが出来る。

 勿論、クラスは違う。

 そして高等教育学校では、主に職業を選択し実践する為の学校である。

 ここで基礎的な事を習って職場にてすぐ使える人材になるという訳だ。

 しかも、この学校を出たからと云って、この街でしか働かないといけないという規則はないのだ。

 反対に、外の街で働く事を推奨されるくらいだ。

 この学校の創始者が、ここで学んだ知識を広げれば、みんな豊かな生活が出来ると云ったからだ。

 そしたら、どうやってこの学校を運営しているんだ?と云うと、全部この学校の卒業者の寄付金で賄っているのだとか……。

 俺?勿論、毎月小銀貨三枚(三千円)ほど寄付しているよ。

 少ないって……?気持ちだからいいんだよ。

 そのお金なんだけど、個人で寄付すると多すぎて大変だから職場毎に一括して支払って貰っているんだよ。天引きっていうやつかな……。

 だから毎月きちんと支払っているという訳なのさ。

 当然、寄付していない奴もいるけど、そいつ等も本当は寄付したいんだけど色々あって出来ないんじゃないかな。

 ……とそういう訳だが、寄付金が結構あり貯蓄され、今度この街に新たに『老人の家』っていうのが出来るらしいよ。

 何でも、この街で長年働いた身寄りのない老人達が住む家らしい。

 これは、いいね。

 隣の婆ちゃんも一人で心細いって云ってたから、教えてあげんとね。


 ただ、その『老人の家』の名前が『太郎先生の家』というらしいんだけど……。

 だれ……太郎先生って?

お読み頂きありがとうございます。

次話は、5/10 11時予定です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ