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異世界育成マニュアル【魔法少女を育てよう】  作者: パステルカラー
第一章 ネコ耳族
10/81

第10話は、ハンバーグは懐かしい味。

宜しくお願いします。



 恵が起きたのは、丁度ネコミミさん達にテレビを見せて、部屋に戻って『さてこれから、ゆっくりしようかな』と思った時だった。

 恵は、起きるとトコトコ俺の所にやってきて『お腹空いた~』と言ってきた。

 とりあえず恵には、起きたら『おはよう』の挨拶をするんだよと教えてから、恵の顔を洗いに洗面所まで一緒に行く。

 恵が顔を洗い、私が恵の綺麗な髪を梳かしてあげる。

 どうやら、髪を梳かしてもらうのが気に入ったようで、ニコニコと笑っている。

 ちょこっとだけ機嫌の良い恵と一緒に朝ごはんを食べる。

 因みにネコミミさん達とは、一緒に朝ご飯をとっていない。

 というか、十二人もいる腹ペコ君達と一緒に朝食などとれる訳もない。

 ネコミミさん達にも少ししたら、お食事のマナー等も教えてあげないといけないかな。

 ……と、そんな事を考えたら、食事の手が止まっていたようだ。

 恵が、私の止まっている手を見て


「もうご飯終わり?」

「ごめん。ちょっと考えていたよ。食べよ」

「うん♪」


 どうやら私も人の事が言えないようだ…。

 とりあえず食事に集中して、恵と話しながら楽しい食事の時間を満喫したのだった。



■ ■ ■ ■ ■




 食後、恵と一緒に後片付けをしていると、ネコミミさん達は何処に行ったのと恵が聞いてきたので、恵と一緒にネコミミさん達の所へ様子を見に行く事にした。

 私と恵が、テレビの置いてある居間に行くと、ネコミミさん達が一生懸命に歌っていた。

 ちょうどテレビで歌を覚える時間に遭遇したらしい。

 どうやら、歌に一生懸命で私達の事に誰も気がついていないようだ。


「も~もたろさん♪ももたろさん♪おこしにつけた~♪きびだんご~」


 ……ってか、童謡?

 私が呆然と歌を聞いていたら、ネコミミさん達が私に気付いたようだ。



「きびだんごがいい」

「きびだんごって美味しいの?」

「……食べたいよ~」



 そりゃそ~なるよね……。

 お願い冷蔵庫!開けたら入っていて!お願いします。

「あった!」


 さすが万能冷蔵庫。私の期待を裏切らない。

 いい働きをしてくれる。



■ ■ ■ ■ ■




 皆できび団子を食べる。


「美味しい!」

「私もキジさん?」

「なら、私は犬さん」


 いや、あなた達は猫さんだよ。

 心でそう突っ込んでおく。



 食べながら少し話をすると、どうやら桃太郎のお話は知らないようだ。

 せっかくなので、桃太郎の御伽噺をしてあげる事にした。

 俺が御伽噺をしていると、みんな興味津々らしく瞳をキラキラさせて聞いている。

 御伽噺が終わって少し話してみると、どうやらこの世界では御伽噺や昔話の類の話は、あまりないようだ。こういった話を小さな頃から聞かさせてあげると、常識や良心が芽生え『このようにしたらいけない』とか『このようにしたら良い』とか心の指針が出てくるのに、そういった話などの類がないと心の指針がないので、悪い事をしても心が痛まない大人になってしまう可能性がある。

 このままだと、この世界の子ども達が大人になった時にかなり心配だ。

 とりあえず、この子達に色々なお話をしていく事から始めていこうと、そう思った。




■ ■ ■ ■ ■



 とりあえず、おやつも食べたので、少しテントの外に行く事を皆に伝える。

 家の中に一日いるより、外に出て元気に遊んだ方が体にいいに決まっている。

 ただ、まだ体力も回復してないと思うので様子を見ながら、運動なり遊ばせたりしていきたいと思っている。

 で、今日の遊びはキャッチボールだ。

 あそこのテントは、私が想像した物が出てくるので、試しにカラーボールを想像したら案の定、押入れにあった。

 とりあえず、みんなの前でボールを転がしてみた。

 すごい勢いで、ボールに群がった。

 とりあえず、カラーボールに異様な執着心を持っている事が分かった。

 始めにペアを組んで、ボールを転がす事から始めた。



 うん……転がした本人まで一緒に追いかけている。

 ただ、笑い声が絶えない。

 あちこちで、笑っている声がする。

 実に子どもらしくて、いい。

 何時の間にか、一つのボールを皆で追いかけている。

 もちろん、恵も一緒に追いかけている。

 転んだりして、洋服はドロンコだ。

 そういえば、私の子ども達も毎日、家に帰ると洋服が真っ黒だったな。

 ちょっと感慨に耽ったが、ちびっ子達の声で我に返る。

 今日は、私の子ども達が大好物だったハンバーグでも作ってみようかな。

 この子達は、どんな反応するんだろう?

 私は、自分でも気付かないうちに口に笑みを浮かべていた。




■ ■ ■ ■ ■


 管理者のお爺さんSIDE



 ふむ、どんな状態かと下界を見てみれば、早速向こうの子ども達を笑わせておる。

 もう、淡くだが魂の色がピンク色になりつつあるな。

 確か、あやつを送ってまだ二日目よのう……。

 この分だと、この世界も大丈夫かもしれん。

 ただ、まだまだ全然足りんがな……。

 そうじゃ!夢見るテントの容量を10人から30人に増やして進ぜよう。

 まあ本人には、言わんがな。

 ただ、いざという時に役に立つかもしれん。

 ついでに、医薬品も入れといてやろう。

 もう、あやつしか頼る相手がおらんのじゃ。

 大変かもしれんが、頑張るのじゃぞ。



■ ■ ■ ■ ■



 ボールで遊んでいたら、何時の間にか西日が差していた。

 とりあえず、みんなを集めてテントに帰る事にした。

 ちびっ子達がお腹空いた~と騒いでいる。

 そんな状況だから、すんなりとテントに帰ってきた。

 とりあえず、みんなドロンコだから、お風呂に入るように指示を出す。

 ネコミミ少女にちびっ子達の身体を洗うようにお願いして夕飯の準備に取り掛かる。

 私の『ご飯』の単語にちびっ子達は、お風呂に向かって突っ走っていく。

 夕飯は、もちろん『ハンバーグ』だ。

 気に入ってくれたら嬉しいなと思い、気持ちを込めて作っていく。

 ハンバーグの形は、お魚さんの形にしてみた。

 フライパンでジュ~って焼いていく。

 辺りに良い匂いが立ち込めていく。

 お風呂からあがったちびっ子達が、匂いにつられてやって来た。



「今日の夕飯は、ハンバーグだぞ」

「はんば~ぐ?」

「お魚さんの形……」

「良いにおいだ!」



 みんな、鼻をクンクンさせて匂いを味わっている。

 それから五分くらいしてから、焼き上がったので皿に分けていく。

 みんな大きさに敏感で、ワイワイと騒いでいる。

 今回は、醤油味の焼肉たれをつけて食べる。

 ごはんに鰹節をかけて。

 いや、私のご飯にはもちろんかけないよ。



『いただきまーす』



 一気に口にかっこもうとする雰囲気がありありと醸し出していたので、先手をうってハンバーグのおかわりはないから、味わって食べるように伝えた。

 その甲斐もあって、ゆっくり噛みながら食べている。

 気に入ってくれたようで、今度いつ作ってくれるの?という質問を食事中に何度もされた。

 その都度、お利口にしていたらね!と返答しておいたが……。

 ハンバーグ効果で、みんな良い子に育ってくれそうだ(笑)




お読み頂きありがとうございます。

次話は、5/4 0時予定です。

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