第1章~神の槍~
「へえ。また来たんだ。超能力連合からの手紙」
川瀬純は嫌な顔をしながら僕に話しかけてくる。分からないこともない。一週間前から31通目の手紙なのだから。
「純。僕ってさ、何でこんなに好かれてるんだろうな」
ストーカーをされている女性の気分だった。いや、もしかしたらそれより不快かもしれない。
「でも、今回は気をつけたほうがいいかもね。殺害予告を受けたのは初めてなんでしょ?」
「そうだけどさ」
僕としては、なぜ好かれているのか答えて欲しかったのだけど・・・
玄関のインターホンが鳴った。確か頼んでおいた服が届く頃だったかな?
僕が玄関に歩いていこうとすると
「待って。多分来たよ」
いや違うだろ、と内心思いつつも行かない僕であった。
「全く。せっかく開けたところを刺してやろうと思ったのに」
ドアが勝手に開く。すると見慣れない外国人が立っていた。
おそらく彼が超能力連合のクルスなのだろう。雰囲気が違う。
「さて、自己紹介はいらないよね。神足翡翠くん」
名前を呼ばれ、僕は「いらない」と反射的に答えた。
「じゃあ始めようか。殺し合いをね!」
彼の名前の由来なのだろう。槍を取り出し投げつけようとした。
「ふ~ん。神の槍か」
純がすでに槍を持っていた。そしてそれを彼に投げつけた。
案の定、彼は刺された。
「お、お前は」
なんかやられ役だなかわいそう彼に戦う姿を見せてやれよ、と思いつつ、純の方を見る。純は堂々とした感じで
「私は元超能力連合のゼウスだよ」
彼は絶望した表情でこの世を去っていった。