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第5話 2人の先生

絶対ナイフの所有者を、クラスメイトまで絞り込んだ優。このまま順調に行くかと思いきや、新たな敵が…!

 翌朝のホームルーム直前、クラスは混乱していた。

急に担任の剛田先生と、副担任の金沢先生が2人揃って辞職したからだ。

(まあ、絶対ナイフに操られていたのだから、"辞めさせられた"と言った方が正しいだろう)


「おいおい、俺たちの担任どうなるんだよ。授業できねぇじゃねーか!」

相変わらず和田武次郎が文句を言う。


そう、ここ東準高校は、担任が全ての授業を受け持っている。一貫した授業により、学力の向上を図るのが目的らしいのだが、今それが逆に枷となってしまった。


「和田君、静かにしてなさい。学校側も対応してくれるに決まってるでしょっ!」

こう言ったのは、相沢南。女子の学級委員で、いつも元気でクラスのムードメーカーである。ちなみに、これでも和田のほうが頭が良いから驚きだ。


相沢の一言で和田が黙った時、突然教室のドアが開いて2人の男が入ってきた。


1人は大柄な男で身長は190cmぐらいだろうか。かなりデカい。目つきの怖さが、余計に威圧感を助長している。


もう1人の男は、平均的な体格だが、どこか自信なさげだ。


一見すると正反対な2人の男が教壇の前に着くと、大柄な男が口を開いた。

「えー。知ってると思うが、担任と副担任の先生が2人、辞職した。そこで、私たち2人が代わりを務めることになった、よろしく。」


クラスが一気にざわめく。

大柄な男が続ける。

「担任は私、赤坂蓮太が受け持つ。そして副担任は・・・。」


「私、佐々木充が担当します…」

自信なさげな男が、ようやく口を開いた。


学校側の対応の早さに、優は驚きを隠せなかった。突然辞職した2人の代わりが、わずか1日で登場したのだ。 


「へへ、さすが東準!」

和田は若干引きながらも、誇らしげにつぶやく。


「えーさっそくだが、抜き打ちの持ち物検査をさせてもらう!これでも剛田先生から、生活指導の学年主任を引き継いだのでな」

赤坂がこういう言うと、優は気が気でなかった。


当然である。クラスメイトに絶対ナイフの所有者がいると推理してから、優はいつでも対抗できるよう、絶対ナイフをカバンに入れているからである。


持ち物検査でナイフなんか見つかったら、大騒ぎになるぞ…!しかも犯人に、僕も所有していることがバレてしまう。それだけは絶対に避けなければいけない。


「赤坂先生、失礼ですが、このやり方は生徒の信頼を崩してしまうのではないかと思われます。私たち東準生に限って、不良行為をするということは考えられません。」

男子の学級委員である、真矢司が立ち上がって言った。クラスの大勢もそれに便乗して、文句を言う。


さすが、真矢!この調子で、持ち物検査なんて辞めさせてくれっ!


その時、優の後ろの女子が鋭く声を発した。

「ほんとに困ったわ。変なものは持ってないというなら、別に構わないじゃない。真矢さん、それとも何か都合の悪いことでもあるのですか?」


四ノ宮だ。彼女も学級委員に並ぶ、影響力のある人物である。彼女がそう言うと、真矢は観念し、持ち物検査に従った。


赤坂が、出席番号順、つまり右の席から順に持ち物検査を始める。副担任の佐々木は、不正をしないか教壇で見張っているようだ。


隣の席の京太郎が、佐々木に質問する。

「佐々木先生、もし変なものが見つかったら、どうするんですかぁ」

京太郎のやつ、なに余計なことを!不安を煽るなっ!


「そうですね。万が一発見しましたら、こちらで回収します」


そう言ってる間に、優の番が一刻と近づいてくる。

やばい!このままだと、絶対ナイフが見つかって、回収されてしまうっ!


うん?回収される?


この時優は、違和感を覚えるほどに早すぎる学校の対応とリンクして、ある一つの結論を導き出した!


もしかして、この人達、絶対ナイフの関係者かもしれない!いや、100%とは言えないが、そうだとすると辻褄が合う。


突然の辞職という、不審な行動を犯した2人とも、小指に傷がついていたことは、ナイフのことを知ってる者ならピンッとくる。絶対ナイフの仕業だと…!


それに早すぎる対応。学校側と繋がっているとすると、国関係者かもしれない!


それに突然の持ち物検査!あの2人、ナイフを回収するつもりだ!今ここで!

次回、赤坂と佐々木の秘密が明らかに…!

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