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夜桜みる夢。恋花火。  作者: 楡崎夏芽
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最後の恋へ・・・。

意識が、何処かに、いっていた。何をしてても、翔の事が、頭から、離れなかった。翔には、杏奈という恋人が、いる自分の事なんか、本気でおもってる筈なんかない。そう思いながらも、凛は、翔へ、気持ちが、傾いているのを、感じていた。食事の用意中も、翔の事で、頭の中は、一杯である。

「たかが・・・。キスくらいで。」

自分でも、そう思う。20代の彼女がいるのに・・・。

凛の、揺れ動く心を、読むかのように、携帯が、なった。

「誰?」

見慣れない番号である。

「はい?」

訝しげに、電話にでてみた。

「こんばんは。」

「!」

翔であった。

「どうしたんですか?」

番号は、しらないはずである。

「ごめん。緊急連絡のから、メモった。」

お店には、緊急連絡として、何人かの、連絡網として、番号が、貼ってある。

「今。大丈夫?」

「うん。いえ・・・。はい」

夫の悦史は、今日も、打ち合わせらしく、遅い。娘は、テレビのアニメに夢中である。

「メアド知らなかったから。」

「あの・・・。怒られないんですか?」

「誰に?」

翔は、凛に聞いた。

「杏奈さんに」

「あぁ。知ってるの?」

「はい。」

少し、沈黙があった。

「何か、言われたりする?」

「少し・・・。」

「彼女は、重すぎて・・・。なかなか、上手くいかなくてね。」

「あたしと、話してたりすると、焼きもちやかれませんか?」

「焼かれるかもね。」

翔は、笑った。

「でも。あたしから、見たら、翔さんは、子供になっちゃうけど。」

「子供?それは、ショックだな。あのさ。チケットあるんだけど」

大胆なようで、慎重に、翔は、切り出した。

「コンサートなんだ。ピンク2オレンジの・・・。良かったら、一緒に行けないかなと、思って。もし、都合つかないなら・・・。お友達と、行ってみませんか?」

「あたしと?」

「出来ればなんですけど」

人妻と市って、誘っているのか?凛は、そう聞きたかったが、翔と一緒に、行ってみたい気もしていた。

「少し、時間貰える?」

「考えるの?」

「少しね」

「いいですよ。その分、メアド教えてください」

「人妻よ・・・。」

凛は、意地悪く笑った。

「知ってます。でも・・・。」

翔は、続けた。

「あなたは、罪な人だから」

それは、先ほど、かわしたキスを指していた。

「それを、いうなら・・・。あなたもでしょ」

もしかしたら、引き返せないかもしれない。

・・・不倫?それとも、浮気?それとも・・・。恋?身を、滅ぼしかねない恋に、2人は、堕ちようとしていた。


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