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夜桜みる夢。恋花火。  作者: 楡崎夏芽
30/40

君は、何処へ・・・。

「じゃあ・・。とり合えず。」

翔は、優奈を、そっと、抱き寄せた。

「お兄ちゃん。少し、出てくる。」

「どこかに、行くの?」

優奈は、見上げた。

「仕事行かないとね。大人は、大変なんだよ。」

「優に、何か、買ってくれるの?」

「何が欲しい?」

「メロンパン!」

凛が、振向きながら、声をあげた。

「そして、プリン」

優奈が、続いた。

「わかったよ。」

翔は、笑った。

「仕事帰りに、買って、また、くるよ。」

そして、凛に、向かっていった。

「仕事。出て来れそう?」

「ん・・。明日には、出れると思う。」

翔のおかげで、かなり、気分が、落ち着いたのは、事実だ。

「あたしからも、会社に、電話は、入れておく。」

翔が、居てくれる。それだけで、気持ちが、救われるのだった。

「行くから。」

心配そうな翔に、凛は、微笑んだ。

「また、来る。メロンパンとプリン買ってね。」

凛の笑顔をみると、いくらかは、安心できた。いつか、一緒に居て、凛の笑顔を、見続けたい。

「本当に?優にも、買ってね!」

優奈が、ピョンピョンしながら、言い続けた。

「約束。」

翔は、手を上げ、玄関を出て行った。

「仕事言ったら、戻るから。」

そう、思っていた。とり合えず、車に乗る前に、いつものように、携帯のチェックをする事にした。凛の前では、携帯の、メールチェックする事もなく、時間が、過ぎていた。いつも、メールの相手が、目の前にいては、そんな必要が、なかたったからだが・・。メールは、特に誰からも、来てなかった。ショップから、何件か、あっただけで、特に、関心なかったが、着信履歴が、いくつも、あった。

「杏奈・・。」

画面を、みつめて、息を呑んだ。それは、何件も、きていた。絶え間なく・・。そして、一番、近い時間には、メッセージが、残されていた。

「これは・・。」

聞いたら、いいものなのか、翔は、悩んだ。が、聞いてみる事にした。

「翔・・。」

杏奈の声が、入っていた。

「あたし・・。もう・・。」

その後、風を巻き込む音が、続いていた。そして、金属音が、響き渡り、何も、聞えなくなった。

「杏奈?」

翔は、嫌な予感に、襲われていた。すぐ、携帯をかけてみた。が、何回、かけても、杏奈が、出ることはなかった。

「待てよ・・。」

杏奈は、思いつめるタイプだ。何をしでかしても、不思議はない。杏奈は、今、何処にいるのか・・。

翔は、車を、ゆっくりと出していた。かつては、何度も、通っていた杏奈の、自宅へと、向けて・・。


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