表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夜桜みる夢。恋花火。  作者: 楡崎夏芽
18/40

この恋、あきらめよう。

ずーっと、すれ違う車のヘッドライトに、杏奈の寝顔が、浮かび上がる。杏奈は、1度は、好きになった人。多分、今も、好きなんだと思う。自分を思う一途さも、好きだったし、自分を頼りにしてくれるのも、嬉しかった。何より、一緒にいると、楽しかった。でも、それは、恋人として、いる上でのこと。実際、杏奈に、「結婚」という2文字を告げられた時、悩んでしまった。生涯の伴侶として、考えた時、答えは、違かった。自分が、心から、ずーっと、一緒に居たいと思う人・・・。それは、杏奈ではなかった。

「だからといって」

凛。の顔が浮かぶ。よく、出会うのが、遅かっただけという理由を聞くが、出逢うのが、早かったとしても、凛は、遥か7歳も、年上である。上手く、いく訳もなく、会社を経営している親が、認める訳もなく、伴侶としては、考えては、いけなかった。凛が、仮に1人だとしても、障害がありすぎる。

高速の街灯がオレンジ色に反射していた。遠くからの、ヘッドライトと、流れる光に、杏奈の顔は、穏やかに映し出される。

・・・自分は、杏奈に愛されてる・・・

人に、思われる幸せ。自分も、大切には、思ってる。愛される幸せを、とるか?それとも、愛する事をとるか。杏奈をとるか・・・。修羅の道を通る凛をのこれからをとるか・・・。凛を、とるには、あまりにも、障害が多すぎる。社会的にも、自分は、多くの物を失うだろう・・・。何よりも、凛の子供を傷つける。今なら、引き返せる。ほんの、少しのイタズラにすぎなかったと、笑って言える。深入りする前に・・・。この思いが深くなる前に・・・。

「そうだよ・・。」

杏奈は、重い。だけど、凛との恋は、彼女を社会的にも、傷つける。冷静にならなくてはいけない。本当に、彼女を思うのであれば、この思いは、封印するべきであろう。

・・・一番、大切な人・・・

嘘じゃない。

・・・・できるなら、一緒になりたい・・・

嘘じゃない。相手の幸せを遠くから願う恋があっても、いいはずだ。

「よそう」

凛に、連絡をとるのは、もう止めよう。自分は、男だから、傷は浅くてすむ。そして・・・。杏奈とも、別れる。

「それが、いい」

凛とは、ほんの、一瞬の恋だったとあきらめよう。

翔の車は、高速を降りていった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ