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希う

作者: 秋葉竹



 


全身で会いたい。


と想ったのは

冬の山道を自宅へ帰る車の中で

ふとみあげると

潤んだ満月からなにか聴こえた気がした


そのとき


ただ会いたいとそう想った


夜道は凍るほどの寒さだろうが

車中は足元から温風が出ていて

まだここにあるひとのやさしさを

あたたかくくるんでくれている


月光にばかり照らされた道ばたには

昨夜の積雪のあとがまばらに残り

ときおり聴こえる気がする

ララバイのうた声がなんだか

その雪のほうから

聴こえる気がするのは

おそらくたえまない幻聴なんだろう


夜道は、つづく

どこまで、つづくのか

証明できないくらい

どこまでもつづきつづけるだろう

ヘッドライトが照らしつづけるかぎり


それにしても、

会いたい、


全身で会いたい。


と想ったのは

冬の夜道にただひとり車を走らせる孤独

みたいなものがあふれだしてしまった

幻の気持ちなんだろうか


にしても、

会いたい。

ただ会いたい、

のだ。








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