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07 コルネットの愛情表現

僕はコルネットを抱きしめていた。

あの場の勢いだったのか…よく解らない。

僕は、コルネットの事を好きになってしまったのだろうか?



   *



冒険者ギルド隣接のお店で、フェミニアと待ち合わせをしていた。

コルネットの羽は目立つので、魔法をかけて見えなくしたらしい。

文学少女風のフェミニアと妖精風のコルネットが二人並んでいると、より一層目立つ。

コルネットは男性たちの視線を一身に集めていた。


「お嬢さんちょっと良いですかい?」


コルネットたちの近くに、大柄な筋肉質の男性が近づいた。


『何ですか?』


怪訝そうな表情のコルネット。

フェミニアも警戒している。


「この後、一緒にお茶でも…」

『結構です。忙しいので』


一言でスパっと切り捨てていた。


「おー容赦ないねー」

『意味が分からないわ』


後々面倒くさい事になりそうなので早めに出かけたほうが良いな。

僕は二人に声をかけた。


「そろそろ行かないか?」

「そうね」

『そうしましょ』


僕たちは町へ向かった。

コルネットの着る服が無いので急遽買う事になったのだ。




「疲れた…」


僕は早々脱落していた。

女性二人の買い物が長くて付き合っていられない。

服を一着選ぶのに何がそんなに時間がかかるんだろう?


噴水の前のベンチに腰かけていた。


「暇だな…何か適当に食べてるか。あ、本屋に行っても良いかな」


本は高くて買えないけど、立ち読みなら出来る。

元の世界だと、ビニールがかかっていて本の立ち読みとか出来なかったからね。


「「キャアアアア」」


ベンチから腰を浮かせた時、女性の甲高い悲鳴が聞こえてきた。

近くの人が見ていたらしく、訊いてみるとひったくりみたいだった。

そういうの実際にあるんだな。

僕はバックを魔法収納アイテムボックスにしまってあるから被害にあわないけど。


「「ぐええええ」」


今度は男性の声。

今度はどうしたんだ?

見ると現場を通りかかったコルネットが男性を捕まえて締めあげていたようだ。

どうやらひったくりをした犯人だったらしい。

まあ、女神だからね。

逃げられるわけが無いか。


「「おおおお!」」


コルネットの周りに人だかりが出来ていた。

悪者を捕まえたので周りから感謝されているみたいだ。

男性を町の自警団に引き渡していた。




『ソウタ!ここに居たのね!』


コルネットが、僕に駆け寄ってきて抱きついてきた。


「コルネット、大活躍だね」

『ううん。大したことないわ』


しばらく僕から離れない彼女。

えっと…。


「あの?コルネット?」

『しばらく抱きついていたいの。駄目?』


上目遣いで僕を見つめる。

そんな目で見つめられると弱いんですけど…。


「ふ~ん。コルちゃんの様子がおかしいと思ってたら、そういう事だったのね」


フェミニアが僕たちを見てニヤニヤしていた。




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