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03 気になる本

「精霊使いって具体的にどういうの?」

『ん?』


僕は本屋の中でコルネットに訊いていた。

コルネットを連れていると精霊使いと思われて疑問に思ったのだ。

そもそもよく知らないし。


町を歩いていたら本屋が目に留まったので入ってみた。

本屋は奥に三つ編みの女性客が一人いるだけで閑散としている。

本の匂いは好きだ。


『基本的には魔法使いとあまり変わらないかな。精霊を使って能力を行使するところが違うくらいで…』


「へえ~そうなんだ」


僕は本が好きで去年まではよく読んでいた。

最近まで受験勉強していたから、本は全然読んでいなくてまさか異世界で本屋を見つけるとは思わなかったけど。


「文字が違うのに読めるのは不思議だね」


異世界の文字は記号みたいだけど普通に読めてしまう。

不思議でしょうがない。


『欲しい本があるの?』

「ん~今日はいいかな。自分で稼ぐようになったら買うよ」


【魔法学基礎~これであなたも魔法が使える~】が少し気になった。


僕は本を少し立ち読みして本屋を後にした。

面白そうな魔法関連の本が沢山あるみたいだ。

高価そうだし、お金が貯まったら買いたい。

収納魔法アイテムボックスがあるから幾らでも持ち歩けるしね。


「どこかで働かないとね」

『働くの?』


コルネットは首を傾げた。


「お金が無くなったら、宿泊まれないでしょ?」

『そっか』


異世界といったら冒険者ギルドかな。

どこかにあるだろうか?

僕は町の店の看板を探していた。


『何を探しているの?』

「ほら、冒険者ギルドってやつ。異世界の定番でしょ?」


『あーあまりお勧めはしないかな。危険な仕事が多いし、金額も低い…』

「そうなの?」


命がけの割にはお金が少ないとか…。

思っていたよりもブラックな仕事なのかもしれない。


『教会とかはどう?光属性の回復魔法使って働けるよ。怪我しないだろうし』

「あーそれはいいや」


個人的に教会には良いイメージが無い。

好きなら良いけど無理に行く必要は無いよね。



看板を見つけ、冒険者ギルドの建物に入ってみた。

取り合えず登録するだけでもと思ったのだ。

昼間だからか人が割と少な目な気がする。

いつもこの位なのだろうか。


テーブルで本を読んでいる少女が居た。

何の本を読んでいるんだろう?

ふと気になってタイトルを見てみる。


【魔法学Ⅲ 理論応用~これであなたもスペシャリストになれる~】


どこかで見たような内容だ。


『ソウタ、受付はこっちだって』


僕はコルネットに言われ受付に向かった。

カウンターへ行くと制服を着たギルド職員の女性が座っていた。


「登録ですか?では鑑定しますので手を水晶にかざしてください」


カウンターにある大きく丸い水晶に手をかざす。

水晶の中に虹のような色が現れた。


「火、水、風、土、光属性ありますね。これだけ揃っているのも珍しいわ。他にスキルがありますか?」


「収納スキルだっけ?」

『アイテムボックスよ』

「了解しました。登録しますのでしばらくお待ちくださいね」



僕たちは登録されるまで椅子に座って待っていた。

少し離れたテーブルに三つ編みで眼鏡の少女が居る。

真剣に本を読みこんでいるようだ。


『あの子が気になるの?』

「気になってるのは本だよ」


『魔法書ね。ソウタは理論が分からなくても使えるんだからいらないのに』

「本の内容が気になるんだよ」


分厚い装丁で高額そうな本。

多分魔法使いなのだろう。

本を見ていたら、少女と目が合ってしまった。

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