表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/70

サバイバル 4日目 遭遇

 前日よりも少しは眠れた。入り口から外を覗くとかなり明るい。


 空を見上げると雲一つない青空で今日も暑くなりそうだ。


 川に水を飲みに行き、ついでに着ている服を全部洗ってしまう。


 パンツだけは履かないと落ち着かないので絞って履いておく、他は家の近くの木にツルを使って干しておく、すぐに乾くだろう。


 今日は塩を作りたいが、その前に進化の時だ。


 石器時代から縄文時代に進化!


 土器を作るぞ! たいして進化してない様だがしょうがない。


 知識としてはこの位の時代が限界だ。青銅器の作り方すら解らない。


 さて腹も減ったし、獲物を探しつつ粘土を探す。


 川沿いに歩けば地肌が見えているので粘土層が見つかるはずだ。


 川に戻るとすぐに黄色い粘土らしき地層は見つけたが、先に獲物を探す事にする。


 少し川を上流に登っていくと昨日と同じ黒いキジを見つけた。この距離なら外さない。


 スキルを上げてから弓矢だけには自信がついた。


 思った通り一発で仕留める。


 首を落とし血抜きしながら粘土のあった場所まで戻る。


 ここで粘土をこねてお椀や鍋を作りたいが腹が減っているので先に朝食だ。


 家に戻り羽をむしり、肉をさばくが相変わらず石のナイフは全然切れない。


 金属のナイフが欲しいが製鉄は全く解らないから無理だ。


 もう少し切れ味の良くなりそうな石を探そうと思う。


 黒曜石と言う単語を思い出した。黒くて剥離しやすい石があればそれで作ってみるのが良いかもしれない。


 しかし学校の社会の授業がこんなにサバイバルの役に立つとは思わなかった。


 日本の歴史漫画を図書室で熟読してたかいがあったようだ。


 思えば自分の人生は勉強しかしてこなかった気がする。そして挫折の連続、最初の挫折は大学受験で第一志望に受からなかった時。


 あそこから歯車がくるったと思う。次の挫折は就職活動。


 面接で落とされまくって、まさかの就職浪人、そのままニート。


 勉強だけしていても社会では通用しないと打ちのめされたが、その勉強がまさかこんな所で役に立つとは思わなかった。


 無駄な努力などないのだと思いたい。


 朝食はまた塩なしの鶏肉だ。胸肉だけ半分焼いて、無理やり胃に詰め込む。


 残りは家の中に吊るしておくことにする。


 川に戻り木の棒で粘土を掘る。


 掘った粘土に水を少しずつ混ぜながらこねていく。


 昔、親との旅行先で陶芸体験をやったことを思い出す。


 粘土を丸めて球を作って真ん中を凹ませてお椀にするのと、棒状の粘土を作ってそれで円を作って縦に重ねていくと言う2種類のやり方があったはず。


 小さめの茶碗を丸から作って、あとは棒の粘土から大きめの物を作る。


 どうせなら鍋とツボを作りたい。おそらく粘土をよくこねると言うのが大事な気がするので体重をかけて、よくこねる。


 粘土をこねていると無心になれる。


 丸い粘土から真ん中を凹ませて均一な厚さになるように壁を作り茶碗の形にしていくと一つ完成。


 鍋は丸い粘土を平らに潰して、そこに棒状の粘土を円状にして上に積んでいく、同じように小ぶりのツボも作った。


 乾かしておく。


 これらを焼くにはカマドとか炉が必要だと思う。


 登り窯を見た事はあるがあんなに大きなものは作れないし、作る気もない。


 家に戻って近くのひなたに作成した茶碗や鍋を置いて乾かしておく。


 昨日途中まで作ったカゴを持って川に戻り粘土を掘る。


 何か黒い石が出てきた。黒曜石かは解らないが近くの石を叩くと剥離するようだ。

 あとでナイフを作ってみよう。


 今は粘土をカゴに乗せる。乾くといけないから、水多めにして家まで運ぶ。家の外に先程作った一番大きなツボが入る大きさの直径で煙突を作る。


 高さはそんなに必要ない。


 煙突の途中に金属のアミを置ければ、そこに茶碗とか置いて焼けるのだが金属はない。


 金属じゃなくても燃えないものでアミ状の物があればそれでいいのだが、そもそも燃えないものは粘土しか現状ない……。


 粘土でアミっぽいものをつくるしか無さそうだ。


 丸めた粘土を平たく潰して穴を開けていく、細かいアミにする必要はないので大きめの穴をいくつか開ける。


 こちらも乾燥させる必要があるので、乾かす間にさっき拾った黒い石からナイフを作ってみる。


 他の石で尖らせるように少しずつ削っていく、刃が出来たら持ちやすいように木の棒に縦に切れ目をいれて、そこに差し込み細く裂いた木の皮で縛っておく。


 今まで使っていた石のナイフよりは切れそうな黒い刃のナイフが出来た。


 そろそろ粘土アミが少し乾いてきた頃だろう。


 ツボよりも大きくカマドを作る。


 これもツボを作る時の要領で棒状の粘土を円にして重ねていく。


 2段目と3段目の間には粘土アミを挟んでおく、その上にも適当に同じ物をドンドン積んでいく。


 アミにツボを載せても蓋が出来るくらいの高さまで積んでいく。


 だいたい自分の腰ぐらいまでの高さになった。


 また少し乾くまで置いておく。


 干したジャージとTシャツが乾いたので、それらを着込む。


 今度は昼飯の木の実を探しに行く。


 いくつか食べたことが有る木の実を見つけたので持って帰る。


 火をおこし鶏肉を切り分けるときに黒いナイフを試してみる。


 なかなかの切れ味だ。


 これで肉を捌くのはだいぶ楽になるだろうとニヤつく。


 木の実と鶏肉を食べる。味気ないがこれでビタミンとタンパク質が取れているはずだ。


 家の中の焚き火が消えないように少し焚き木を多めにくべておく。


 先程作ったカマドに向かいカマドの下の土を掘っていく。


 横から火を焚けるように、横からも穴を掘る。


 穴が掘れたら家の中から火の着いた焚き木を持ってきて掘った穴に突っ込み、他の焚き木もドンドンくべる。


 火が燃え広がりカマドの上からも炎がチラチラと見えてきた。

 焼き固める為に燃え尽きるまで待つ。


 その間に昨日完成出来なかったツルでリュックを作るとしよう。


 昨日作ったのはドロまみれなので、また最初から作り始める。


 半分ほどツルで編んできたところで、カマドを見てみると火が消えかけている。


 ツボや鍋はまだ乾いていない気がするが、茶碗はいけそうな気がするので、試しにカマドにいれて焼いてみる。


 カマドの中の土のアミの真ん中にそっとおいて、また下に焚き木をいれて火を強くする。


 上から炎が見えている状態をキープするようにマメに焚き木を追加する。


 どれくらい燃やせばよいのか解らないが火を起こし続けた。大量の薪を詰め込みそのまま狩りに出かける事にする。


 いつもの鳥でも良いが他にも動物がいたら矢で撃ってみるつもりだ。川上の方に登っていく。

 拠点の近くには何も見当たらないので、どんどん進む。


 何か居る!


 いつものキジよりもデカイ鳥を見つけた。


 デカイニワトリと言うかシャモっぽい感じだ。


 さっそく矢をつがえ放つ。


 吸い込まれるように矢がシャモに刺さる。


 シャモは美味いのかな?と呑気に考えながら近づこうとするが、ん?


 倒れてない? シャモがこちらを向く。


 羽を大きく広げ、奇声を発しながらバタバタとこちらに走ってくる。


 怖い……。


 矢はシャモに刺さったままだが、平気なようだ。


 急所を外したのかと、考えているうちにシャモは飛び上がり襲いかかってくる。


 鋭い爪のついた足で顔を狙って来たので。腕で防ぐ。


 痛い!


 腕をひっかかれて血が出た。


 あわてて逃げる。幸いこちらの逃げ足のほうが速いらしく、すぐに逃げ切れたようだ。


 腕の傷は痛かったが、深い傷ではなく血ももう止まっている。


 しかし恐ろしかった。反撃してくる鳥が居るとは思っていなかった。


 完全に仕留めるまでは油断せずにいなくてはいけなかったと思う。鳥だと思ってなめていたせいだ。自分が狩る側だと思いこんでいた。


 次は慎重に狩らねば……。


 川上はまたシャモに出会うと怖いので川下に向かう。


 現状では先にこちらが気が付かないと向こうから襲われた場合に為す術がない。


 拠点を通り越し、さらに川下に慎重に向かう。


 今度は鹿を見つけた。


 今までにも何回か見かけているので見つかるとは思ったが、予想よりも近くに居たようだ。


 気付かれない様に慎重に矢をつがえ、今度は心臓がありそうな所を狙って矢を放つ。


 思った通りの場所に矢が飛んで突き刺さる。鹿は転んだように山を滑っていくが、途中で木に引っかかりもう動かない。


 近づいて恐る恐る触ってみるが、完全に死んでいる。


 一発で急所となる心臓を貫けたようだ。


 担いで家に持っていくのは無理そうな大きさなので川で解体する。その方が汚れなくて良さそうだ。


 足を持って山を滑らすように川まで鹿を下ろす。


 鹿の捌き方はさっぱり解らない……。


 解らないが鳥と同じように頭を落として、腹を開けて内臓を取り出す事にする。


 正直キツイ。


 特に鹿の目と合うとキツイので、目は見ないように頭を石斧とナイフで落とす。


 視界に入らないように離れた所に置いておく。


 頭を落とした胴体は川の水の中に落とし内臓を傷つけないように腹を丁寧に開けていく。


 開いたら手で中身を水の中に掻き出し中をよく洗う。


 内臓も洗って痛みの早そうなレバーは今日食べてしまう事にする。


 川底は冷たいので他は水の中に石で沈めておく。


 レバーと前足だけナイフではずし家に持って帰る。大きい葉っぱにくるんで家の中に肉を置いておく。


 次にカマドを覗いてみる。


 茶碗は焼けているようだ。


 少しヒビが入っているのは、乾燥が足りなかったせいだろうか?


 おそらく使えると思うので海に持って行って海水を汲んでくる。


 漏れては来ないので、このまま家に持って帰り、塩の代わりにする。


 鹿の前足の皮をむき、海水を塗る。


 レバーにも塗って木の枝を何本か挿して遠火で焼く前足は手で持って焼く、焼けてきたらその部分をナイフで削いで食べる。


 美味い!


 レバーはすべて平らげた。


 腹が膨れたのでリュックを作り始めたが、すぐに眠気に襲われて――――



 夜中に何度か風や何やらの物音で目が覚めたがある程度は眠れたようだ、リュック作成が全然進んでない。


 ふと気づくとステータスアイコンが点滅している。


 開いてみるとレベルがあがっていた。


 レベル3《採取、木工、斧術、トレッキング、潜伏、細工、陶工、》


 選択できるスキルが微妙に増えている。


 茶碗を作ったおかげだろう。


 何をとるか毎回悩ましいが、この森には危険な獣が居るようだし潜伏のスキルを取得しておく。


 家から出ると今日も良い天気だ。まずは火起こし、昨日粘土で作って乾かしておいた鍋をカマドで焼いておく、その火で朝食だ。


 鹿肉と木の実を食べる。食料の心配が無くなってきたので、辺りを散策する。


 なるべく行ってない所に向かい人の痕跡を探す。


 今後どちらの方向に向かうか、未だに決まらないのでせめてヒントが欲しい。


 木の実などを採りながら森の奥まで散策していると遠くから地響きの様な音が聞こえる。


「グゴゴゴゴッー!! 」


 そのままにして置くわけにもいかないので音のなる方に慎重に移動する。だんだんと音が大きくなり響きも大きくなる。


 何の音なのか想像もつかないが例えばドラゴンがイビキをかいていたらこの様な音ではないだろうか?


 そう考えると近づくのはかなり危険だが、家から近い位置でこの音を放置する訳にはいかない。


 安全を確認して危険なら逃げるなりの対策を立てる必要がある。


 音を立てないように慎重に近づく。


 さっそく潜伏の効果が現れていると良いのだが……ん?


 潜伏のスキルは使用するスキルだと困るな。


 パッシブスキルではなくアクティブスキルの可能性もあるか、慌ててステータス画面を開いてみる。

 スキル欄の潜伏には特に変わりなく意識しても変化はない。


 おそらくパッシブスキルで弓術と同じ様に何かしなくても常時発動しているのだろう。


 弓術と違って実感出来ないが効果があると信じよう。


 少しずつ進んでいき、だいぶ近づいた。音の方向の木の根元に人がもたれかかって座っている。


 人だ!!


 やっと見つけたがどうもこの音はあの人物から聞こえている気がする。


 そっと近づきもっとよく観察してみると、どうやら女性のようだ。


 そしてかなり大きい気がする。


 自分よりは確実にデカイ、そして顔はかなり美人のようだ。


 鼻が少し上を向いているようだが、それもエキゾチックな雰囲気を醸し出している。


 さらにスタイルもかなり良さそうだ。


 皮の鎧のような物を身に着けているので解りにくいが胸が大きい割に他の部分はだいぶ引き締まっている。


 スタイルの良さと背の大きさでモデルの様な雰囲気がでている。


 薄汚れた革鎧を着込んで森の女戦士といったところだろうか。


 目をつぶっているが苦しそうだ。寝ては居ないのだろう。危険がないわけではないが、せっかく会えた人間だ。


 勇気を出して声をかけてみる。


「大丈夫ですか?」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ