こちらこそお願いします
「…………え?」
「凄いカッコイイ! 火が青いんだ。わぁ〜」
リナ先生の手のひらでゆらゆらと燃えている火に近づく。
近くで見るとなおさら綺麗だ。
あ、消えちゃった。
「怖く、ないのですか?」
「え? あぁ大丈夫だよ。扱いに気を付ければ安全なのはちゃんと」
「そうじゃありません!」
珍しく声を荒らげる。
そんなに火の魔法って危険なのかな。
「私はっ、魔族の血が混ざってると言われてるんです。魔族と同じ色の火魔法なんですよ!? ちゃんと分かってますか」
「それくらい分かってるよ」
魔族という存在は今聞いたし、実際に魔法を使ってるところなんて見たことない。
先生がわざわざ嘘つく必要も無いし言ってることは全部事実だろう。
「それがどうかした?」
「……っ」
「先生の肌は僕と同じ色だし、先生の頭に角は生えてない」
リナ先生背が低いから背伸びすれば頭に手が届く。
だいたい角ってここら辺にあるでしょ。うわっ髪の毛さらさら。
「先生の目は髪の毛と同じ綺麗な青色」
「っ、ヒカル君」
「火の魔法の色が青色。ただそれだけでしょ?」
リナ先生の目をじっくり見ることなかったな。
僕の背が低いこともあるけど、あんまり目を合わせないんだよね。
あれ、人と目を合わせないのって結構良くないことなのでは。
「それだけって……」
あ、目が潤ってる。
目の青さも組み合わさって宝石みたいにキラキラしてるな。
「君って子は、本当に……」
「僕、何かしちゃった?」
「いえ……。ありがとうございます」
お礼を言うべきなのは僕の方だ。
リナ先生のおかげで予定よりも早く魔法を使えるようになったんだし。
結局その後は授業にならないってことでリナ先生には帰ってもらった。
ナターシャが誤解を生む伝え方をしたせいで、暫くは僕がリナ先生を脅して泣かせたみたいな認識されたのはまだ許してない。
お母さんも僕よりナターシャの発言を信じるんだから困ったものだ。……普段の行動が原因と言われた時は否定できなかったけど。
そんな訳で、今日は普通の勉強の日。
……リナ先生来てくれるよね。
「失礼します」
良かったぁ来てくれた。
いつもと様子は変わらなそうで安心だ。
「……ヒカル君。積もる話は色々ありますが、取り敢えず1つ」
その表情なに。覚悟決めた顔してるけど。
ここでお別れとか嫌だよ僕。
「お母様とお話して引き続きヒカル君の教師をさせてもらうことになりました」
「良かったぁ」
「これからも、よろしくお願いします」
リナの扱いはかなり酷いものでした。回想入るくらいには重い
学園でも孤立しがちのリナでしたがそんな彼女に話しかけ続けたのがナターシャ。彼女の存在はリナにとってかけがえのない存在です
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