リナ先生
1日ぐるっと街を見て、日も傾いてきたから家に向かって歩いてた時、見慣れた魔力を見つけた。
あの量と色は、リナ先生?
「あれ、どこだろう」
「どうかしました?」
「今、リナ先生がいた気がして」
見間違いじゃないと思うんだけど。
あ、やっぱりいた。
あの鮮やかな青髪はリナ先生だ。
「リナ先生!」
「……この声は、ヒカル君」
先生は普段の正装とは違ってかなりラフな格好をしてる。紙袋抱えてるし買い物帰りなのかな。
と言うかここら辺に住んでたんだリナ先生。
「奇遇だね。買い物?」
「えぇ。ヒカル君は散歩ですか」
「そんなところ」
まさか街で会うなんて。
すごい偶然だ。
そういえばニャシーさん達と先生はお互いを知ってるのだろうか。
「こうやって会話するのは初めてですね」
「そうですね。いつもお世話になっておりす」
「いえいえ、こちらこそヒカル様がお世話になってるようで」
グラルドさんもリナ先生も僕の先生だから、2人が直接話してるのは不思議な感覚だ。
結局2人とも僕の話で盛り上がっててそこそこの時間を過ごした。
本格的に日が傾いて暗くなってきたからなくなくお別れ。
「すみません長々と」
「いえいえ。色々と苦労を共有できて良かったです」
「ではヒカル君、また後日」
次の魔法の授業は3日後。なんとなくソワソワしちゃうな。
リナ先生けっこう背が低いからあっという間に人混みに紛れていった。
「噂とは違っていい人ですな」
「グラルドさん!」
「おっと」
噂ってなんのことだろう。
リナ先生のこと、ナターシャの知り合いってことしか知らないんだよね。
ニャシーさんの反応からしてあまりいい噂じゃ無さそうだけど。
無かったことにはさせないよ?
「……当主様からは黙っとけと言われてるんですがね」
「口を滑らした方が悪い」
「ですな。いいですか、これはあくまで噂です。噂なんですが」
グラルドさんの話したリナ先生の噂。それは僕の想像よりちょっと重い話だった。
リナ先生の家系は優秀な魔法使いを輩出する家系らしく、昔は五大貴族に届きうるほどだったそう。
りな先生に限らずそんな血統において重要視されるのは髪色。髪色はその血をどれだけ濃く受け継いでいるかの1つの指標らしく、リナ先生の真っ青な髪はそれはそれは期待されたんだとか。
リナ先生の家系が得意とするのは水系統の魔法。
でもリナ先生が最も得意としたのは火だったそう。結果、追放とまでは行かなくても事実上の離縁。
リナ先生は周りから距離を置かれるようになっちゃったらしい。
ちょっと詰め込みすぎた。
五大貴族やらの説明はいつかするつもりです。……いつか
ちなみにリナに付けられた蔑称は『蒼炎の魔女』です
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