街に出てみた
「ほぉー、人がいっぱいだ」
せっかく外出許可も出たし、気分転換がてら街に来てみた。
こっそり1人で出れないか試して見たけどしっかり見つかって、護衛兼見張り役としてグラルドさんとニャシーさんが着いてきた。
「国境沿いかつ治安が良いですからねココは。いつも賑わってますよ」
「国境沿いなんだ」
「あれ、まだ地理の勉強はしてないですか」
「うん」
今は国内の貴族とか覚えてる。
必要最低限でいいとは言ってたけど社交の場に完全に出ないのは難しいからある程度覚えておく必要があるみたい。
目上の人はちゃんと把握しておかないと、最悪の場合極刑になりかねないんだとか。
まぁ、僕が魔法への質問ばっかりするから殆ど魔法の時間になってるんだけど。
「ざっくり説明すると、当主様は治安維持みたいな活動してるんです。その影響でエクスウェル領は治安が良いんです」
「ふーん」
「毎度言ってすけど、俺たちこれでも優秀なんですからね?」
仕事してる姿は見かけないからなぁ。
鍛錬教えて貰う時と……メイド長さんに怒られてる姿ならよく見るんだけど。
と言うか、国境沿いって治安関係あるのかな?
「国境が近いと、治安が悪化しやすいんですか?」
「えぇ。隣国にもよりますが移民なんかが来ると色々ね」
なるほど。色々か。
あまり歴史は深く学んでないけど、奴隷制度とかもあるらしいし本当に色々あるんだろう。
それでも平和なのは確かに凄いと思う。
「……いい匂い」
「出店ですね。いくつか買いましょう」
お祭りにあるような出店からはタレのいい香りが漂ってくる。
看板には肉のイラスト。文字は書いてないみたい。
これは、何の肉だろう。
「店主。串を三本くれ」
「あいよ!」
「これなんのお肉?」
「今日は赤サーグリエの肉が入ってるよ」
サーグリエなんて初めて聞いた。
家で出てるお肉もソレなんだろうか。
「いつも食べてるお肉?」
「サーグリエは領民向けの肉なんで、ヒカル様は食べるの初めてですね。赤は噛みごたえがあって美味しいですよ」
そんな会話をしてるうちに串が焼けた。
串に刺さったお肉にたっぷりのタレがかかってる。匂いだけで凄い美味しそうだ。
僕用の串は食べやすいようにお肉を小さくしてくれている。
「ん、美味しい」
「えぇほんと」
「がはは! ヒカル様にそう言って貰えるのは嬉しいな!」
これでもかとタレが入ってるから食べ歩きには向いてなさそう。
でも凄く美味しかった。
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