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ガチ組手



「行くぜ……はじめっ!」


開始早々ダッシュ。

一気に距離を詰めて下から攻める。

っと下がられた。それならまた詰めるだけ。


「ほっと」

「ぐっ」


と思ったらカウンターみたいに蹴りを貰った。

下がったのはフェイクだったのか。

それなら僕も横移動を入れつつ、後ろに回るフリをしてもう一回正面の下。

よし、隙が出来た。


「ふっ!」

「おっと危ない」

「え?」


ガラ空きだった胴体に一発食らわしたと思ったら、いつの間にか天を仰いでた。

情報として、拳を防がれてその勢いで転ばされたのは分かってるけど、あまりにも早くて綺麗な流れだったもんだから追い付くのに時間がかかる。


「ふぅ。毎回ヒヤッとしますね」

「そう言いながら毎回余裕で勝ってるくせに」

「なっはっは。でも本当に凄いですよ」


今のは魔法を使った組手。

魔法とカウントしていいのかは定かじゃ無いけど、体内の魔力を血液みたいに循環させて身体能力を上げるやつを使った組手。

僕でも大人と変わらない速度や力が出せるからグラルドさんに相手してもらってる。


「僕の動き分かりやすいかな? 毎回読まれてるんだけど」

「そこら辺の兵士や騎士じゃとうてい反応出来ないでしょうな。速度もフェイクも完璧に近いですよ」


褒められてるけど、その相手に完封されてるんだよ。

1度も勝ててない相手に強いって言われても皮肉にしか聞こえない。


「これでも私、兵士長ですから。結構強いんですよ? それに、ヒカル様の考えは何となく予測できます」

「やっぱり分かりやすいんじゃん」

「いえいえ。これは私だからですよ」


ふむ。

確かに、組手の型や駆け引きは全部グラルドさんに教えて貰った。

だからどう動くか予測されるのは不思議では無い。

不思議じゃないけどなーんか悔しい。


「じゃ、試しに次は他の兵士とやりますかい? ウチのものでもヒカル様だったら勝てるかもしれませんぜ」

「それはちょっとやってみたいかも」


■ロ■ロ■


「よ、宜しくお願い致します」

「お願いします!」


そんな訳で早速。

この1週間組手の練習を頑張った。その成果を試させてもらおう。


「始めっ!」


結果はひどい有様だった。

10回勝負で僕が勝てたのは最初の2回だけ。あとは全敗だった。


「あの、ヒカル様……」

「何?」

「ヒカル様は駆け引きに凝りすぎかもしれません。全部の動きに陽動があるので……」


読まれないように動いてたけど、それが逆に読みやすかったのか。

こーれは僕のやらかしだ。くそぅ。

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