これもやらかし……?
あー、やらかした。
調子に乗って色々やり過ぎた。
先生も猛烈に謝ってくれたけど悪いの僕だしなぁ。
面白いくらい体に力が入らない。魔力欠乏症ってやつらしい。
「お体の調子は大丈夫ですか」
「うん……なんとかね」
「お昼持ってきましたけど、食べられそうですか?」
体は元気のはずなんだけど。ピクリとも動かない。
本来ならここまでならないらしいんだけど、僕は魔力量が多い分他の人より悪化しやすいみたい。
初めて発症するってのもあるかも。
「食べたいけど、体が全然動かなくて」
「ふふふ。じゃあ私がお手伝いします」
「え?」
いやいや僕もうそんな歳じゃ……って思ったけど6歳はまだ子供か。
最近出来ることとか増えてすっかり忘れてたけど。
確かにお腹空いてるし、甘えるか。
「こんな風にお世話するのは久しぶりですね」
「そうだね」
「昔はずっと一緒だったのに。すっかり立派になっちゃって」
懐かしいなぁ。
生まれた時から多分ずっと一緒にいた。
僕が自由に動けるようになってから少し離れてたけど、僕におってニャシーさんは第二の母だ。なんならお母さんよりも一緒にいた時間は長いくらいだし。
お世話されるのも、悪くない。
「たまには頼ってくださいね。私はいつでもヒカル様の味方ですから」
「……うん。ありがとう」
優しいし嬉しいけど、真っ向から言われると恥ずかしいな。
■ロ■ロ■
「準備できたか?」
はぁ……めんどくさいなぁ。
あれから2日。しっかり休んでバッチリ回復した今日は祭典の日だった。
この祭典は6歳になる子供たちを祝うお祭り。僕が新年早々に王都でやったやつだね。
それの一般向けと言うか、国民向けの祭典が今日らしい。
あれから半年近く経ってるからほぼ忘れてた。
「僕は何すればいいんだっけ?」
「特にこれといったことはしないでいい。ただ皆の前で立っているだけだ」
「でもダラっとしちゃ駄目よ。姿勢は正しく、顔はまっすぐ正面」
「うん。分かった」
お父さんもお母さんも正装。もちろん僕も。
お母さんの正装見るの初めてだけどすんごい綺麗だ。どっかの国のお姫様みたい。
僕も正装はビシッと決まって……うぅん。やーっぱり女の子みたいで弱々しいんだよね。
もうちょっとこう、何とかならないかな。
「よし、行こうか」
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