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ようやくスタートライン



「『かくも美しき水の精霊よ 我が歌に答えその滴を零したまへ』【水球(ウォーターボール)】」


三度目の正直。

魔力の流れを意識してそれを意図的に抑える。

ぐぬぅ、難しい。抑えようとしても隙間から魔力が流れてしまう。

でも最初みたいに巨大になることも2回目みたいにただ流れになることもない。

大きいには大きいけどまだ制御出来てる。


「最初に比べれば遥かに良いです。まだまだ暴走に近い動きですが……」

「うーん、どうしても勝手に流れちゃうんだよなぁ」

「ふむ。では最初から蓋をするイメージでやってみましょう」


なるほど?

早速実践。えーっと、かくも美しき水の精霊よ、っと。わざわざ詠唱するの面倒なんだよなぁ。


「……零したまへ』【水球(ウォーターボール)】っ!」

「いい感じです。そのまま少しだけ魔力を出してください。滲ませるようなイメージで」


最初から流さないように抑えてたおかげで今のところは順調。

でも、体内の魔力は流れようとして暴れてる。これを抑えるの割と大変だな。

少しづつ、少しづつ……蛇口をひねるように。


「ぐぬぬ」

「落ち着いて。詠唱を頭に浮かべて」


うおぉめちゃんこ暴れてる。

魔力を抑えるのに必死でそれ以外のことが考えられない。

詠唱? 確か歌に答えて滴を零すだっけ。

あの本には物語が書かれていて、シナリオは主人公が水の精霊と仲良くなって魔法を使えるようにしてもらうって流れ。

水の精霊と一緒に歌ったからその答えとして魔法を授かったって解釈らしい。

ちなみに滴を零すってのは文字のまんま、水滴がポタッと落ちる所をイメージする為の言葉。


「ぐえっ」

「惜しい。もう少しで出来そうでしたよ」


頭の中で考え事をしてたら弾けちゃった。

詠唱を常に意識する。うーん……結局は発動が出来ればいいんだから、最初っから頭の中に水の玉を意識してやってみようか。


「……零したまへ』【水球(ウォーターボール)】」

「完璧です。よく出来ました」


出来た。

あれ、こんなにすんなり出来るものなんだ。

意外と簡単。

今更だけどこの魔法、使い道無くない?


「ようやくスタートラインに立ちましたね」

「まだスタートラインにすら立ってなかったの?」

「えぇ。ここはあくまで基礎ですから。この魔法が使えないのであれば、今後も一生使うことは難しいでしょう」


そのレベルなんだ。

……あれ、もしかして茨の道?

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